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10.再び楽しい同棲生活!?

オーナーとなんとか話をつけて、ゴウキさんは数日後に会社を辞めることができた。そして、東京で仕事が決まるまでは荷物も今の家に置かせてもらえることになった。

着替えと必要最低限の荷物、そして花火を連れて、2015年3月12日ゴウキさんは私の家にやってきた。

1月26日の涙の引越しから約2ヶ月の遠距離恋愛が終わって、二人の同棲生活が始まった。

だいぶ痩せて元気がなくなってしまっていたが、家に帰ればゴウキさんがご飯を作って待っていてくれる状況が私は本当に嬉しかった。

今までは、ゴウキさんの住む千葉の家に行って一緒に過ごすことが多かったため、私の家にゴウキさんがずっと居るという状況がなんだか不思議だった。

そして、作ってくれるのは、やっぱり美味しいご飯。

一緒にご飯を食べて、夜はゆっくり眠るという生活を2〜3日しているとと、ゴウキさんはだいぶ元気になり、早速就活を始めると言い出した。(会社辞めて、こっちに来てもらって本当に良かった。。。)

ハローワークへ

いざ、就活を始めると、「なんでもいいから、とりあえず仕事に就かなきゃ。」そんな風に、焦っているような印象をうけた。

頻繁にハローワークに行くも、なかなか良い仕事が見つからない。前職の「鑑定人」という仕事が特殊すぎて、今までのスキルを活かせる会社がなかなか無いのである。

しかしゴウキさんは、その後2週間くらいで新しい仕事を決めて来た。

海外からの研修生を斡旋する電話営業的な仕事だそう。

営業が得意なので、まあ、とりあえずやる仕事としてはいいのかなぁと思って見ていたが、なんだか不運は続くもので、その会社の仕事の内容がどうもブラック笑 

合法ではあるが、人身売買の手伝いをしているような業務内容に罪悪感がわいてきたようで、正義感の強いゴウキさんは数週間でその仕事を辞めてしまった。

4月の中旬の頃の出来事だ。

引きこもってゲーム

電話営業の仕事より、ゴウキさんにはもっと向いている仕事があると私はおもっていたので、数週間で仕事を辞めてしまった事に対して、私はなんとも思っていなかった。

しかしゴウキさんは、何度も仕事を変えている事に対してか、自分に合う仕事が見つからないことに対してか、原因はハッキリ分からなかったが、すっかり自信とやる気を無くしてしまった様子。

そこからは、毎日家にこもってモンハン(ゲーム)をするようになった。笑

「今日、ハローワーク行く〜?」と聞いても、「ん〜。」と言って、結局行かずに朝から晩まで、モンハン、モンハン。

内心、ちょっと心配はしたが、それでも、本来のゴウキさんはこんな人ではないことは知っていたし。元気になればまたイキイキとしてくるだろう。それに、私が何かいうより、自分からやりたいことがあって動き出した方がいいはず。そう思って、何も言わずにこの状況を見守っていた。

しかし、それが1ヶ月くらい続いて来た頃、私は少し不安になった。

このままではいけない。ゴウキさんが完全に廃人になって抜け出せなくなってしまう。

ゲーム以外のことに目を向けなければ!

この頃、占いで言われた「あなたが支えれば大丈夫」という言葉が、何度も頭に浮かんだ。(毎朝「支」の張り紙を見ていたからというのもあるが笑)

「ゴウキさんをこの状況から救えるのは、私なんだ!私がなんとかしてあげなきゃ。」そんな気持ちになっていた。決して、悲観的にはならなかった。

ゴウキさんのやる気スイッチ

目標を見つければ、それに向かって突き進むゴウキさん。今は目標がなくなってしまっているから、ゲームに夢中なんだ。

何か新しい目標を見つけてあげよう。

そう思い、近くのレストランのアルバイト情報などを調べて提案してみた。

「ずっとゲームをしているのはよくないから、得意な料理のスキルを活かして、レストランでアルバイトでもしてみる?」

そして、朝、私が会社に行く前に、コンビニで買って来た履歴書を渡して、「帰ってくるまでにこれ、書いておいてね!明日面接いってみなよ!」と言い、宿題を出してみた。

しかし、夜に会社から帰ってくるも、履歴書は真っ白のまま。どうも気が進まない様子だった。そんなやりとりを何回かやったけど、レストランのジャンルが変わっても、履歴書が埋まることはなかった。

「レストランの何が嫌なの?」と聞けば、メニューが決まっている料理を作り続けることに興味がないとのことだった。

なるほど、そういうことか。

当時、ゴウキさんはゲーム三昧とはいえ、朝と夜のご飯を毎日作ってくれるし、お昼のお弁当まで持たせてくれていた。

でもそれは、毎日違う料理で、ルーティーンではなかった。新しい食材をつかってみたり、調理方法を変えてみたり、調味料のメーカーを変えてみたり。

毎日実験の繰り返し。単純に料理を作る事が好きというわけではなく、料理で実験したり、創作することが好きなんだと、私はそのとき気づいた。


褒められることを探そう!

1日3食。料理を作ってくれるゴウキさんに、私は「美味しい!ありがとう!」と感謝の気持ちを伝えてはいたけれど、私の言葉だけでは新しい事を始めようという、ゴウキさんのやる気スイッチを押すことはできなかった。

しかし、日々料理が進化して行く様子を見ていて、褒められれば伸びる!という、ゴウキさんの性格は、なんとなく理解してきた。

私以外の人から、もっと褒められたり感謝されたりする状況を作ろう。しかも、ゴウキさんの料理を創作するスキルを活かせて楽しくできること…

そう思って、次の日の朝、私は履歴書を渡すのを辞めて、ゴウキさんにこう言ってみた。

「昨晩食べた、あの料理が美味しかったから、今日、私が会社に行っている間に、クックパッドを登録して、レシピをアップしてみてよ!誰かの役にたつと思うよ。」

cookatomのはじまり

(レシピ投稿作戦はうまく行くだろうか?)

ちょっとドキドキしながら、その日、家に帰ってみると、ゴウキさんが久しぶりにゲーム以外の事をしていた。

パソコンに向かって、レシピをアップしていたのだ。

聞けば、今までレシピを誰かに教えるために書いたことはなかったけれど、やってみたらすごく面白かったとのこと。昨日の夜ご飯以外にも、自分が得意な料理のレシピもいくつかあげていた。

やった!

ゴウキさんがゲーム以外のことに興味を持った瞬間だった。

これが5月の出来事。

当時、スマホでたまごっちのアプリが出て、二人でちょっとハマって遊んでいた。

お互い、「○○っちになったよ!」とLINEを送り合ったりしていたが、私的には、ゴウキさんが今後どんな風に進化するかの方が興味深かった。

私が付き合い初日にゲロゲロ吐いて、「最初が最低だから、ここから上がるしかないね。」とゴウキさんに言ってもらったように、ゴウキさんも今、ここが最低なんだから上がるしかない。

ゴウキさんの進化が楽しみで、私はワクワクしていた。


復活の兆し

その日から、ゲーム以外に「毎日レシピを投稿しよう!」と目標を決めた。

この時作ったクックパッドのアカウントが「cookatom」で、今では100を超えるレシピを投稿している。

次回、ゴウキさん完全復活!に向けて動き出します。



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