見出し画像

【医学生 必見】海外臨床実習で準備するポイントをまとめてみた

ちょうど1年前のいま頃、イタリアに留学することを決心しました。出国してしまえば、どうにかするしかないと吹っ切れますが、やはり準備は大切です。

僕自身はいつ何をしたら良いのか見当がつかず がむしゃらに過ごしてきました。結果として良かったこともあれば、もっと早く知っていたらスムーズにできたかも知れないこともあったり。

今回は 僕が実際にいつ頃に何をしていたのかを一覧にしてみました。そして 医学生の留学ならではのポイントに絞り解説します。

一般的な留学に伴うビザや滞在先などの準備はGoogle でより良い情報が出てくるかと思うので、そちらを参照してください。

出発するまでに何をやる必要があるのかイメージし、ご自身の状況に合わせてスケジュールを組む一助になれば幸いです。

留学準備の全体像


留学準備でお世話になる大学部署

1)留学先とコネクションがある先生と所属講座
2)カリキュラム関連の学務課
3)留学支援課
4)保健管理センター

僕のケースでは医学部の講座とは別に留学先とコネクションをもつ先生がいたこと、医療系と全学キャンパスとで留学支援課が各々あり業務が分かれていたので更に増えますが、基本は上記を押さえておけば良いかと思います。

1)留学先とコネクションがある先生と所属講座
留学先でお世話になる先生を紹介されて以降は個人でやり取りをするかと思います。ただ可能ならば密に報告をし、準備の進捗で困ったことがあった際に相談できる関係性を築いておきたいです。送り出してもらっているという感謝を忘れずに。

2)カリキュラム関連の学務課
3)留学支援課

この2つは重なることがあるかも知れませんが、別の部署である場合には自分で各々に情報共有することを心掛けた方が良いかと思います。
単位認定や奨学金の申請など提出する書類は多いですが、その都度対処していけば大丈夫です。留学先への受入依頼書も学務課を通じて発行してもらいました。

4)保健管理センター
海外臨床実習を行うのに、きちんとした病院であればワクチン抗体価の提出を求められます。
僕の大学では自動発行機で発行できること、必要なワクチン接種を既に終えていたことから後回しにしていましたが、基本機械では 日本文(一部に英単語)の証明書しか発行できないことに直前に気づき、さらに③細かいけれど注意!で述べるようなことから苦労しました。留学を決めたらすぐに英文の証明書を発行できるか確認しましょう。


①海外に行く目的を明確にする

当たり前のことですが、最も重要なことがここです。研究所でも病棟でも初日には先生方から、君は何をしたいのか、目的は何か と毎回尋ねられました。

どの診療科で何をしたいのか、どんな手技をしたい、できるのか明確に伝えたいものです。例えば産婦人科ではラパロではカメラもちの練習してきたことをアピールしよう、帝王切開で助手に入れてと言おう、など。

そして「やりたい、行きたい」という想いを大切にしつつ、なぜ留学に行くのかを少し冷静に文章にしてまとめていました。これを元に話せば何の目的で留学に来たのか伝わりやすくなります。留学中に見返して自分の軸を確認したり、留学関連で何か書類やプレゼンする際にも使いました。

こういうのは どうやって書けば良いんだろう、という悩む方には是非、

トビタテ!留学JAPAN に挑戦することをオススメします!

奨学金制度ではありますが、書類審査や面接に向けて、応募動機やプレゼン資料を作る過程自体に人材育成の要素があり、自分と向き合って考えることができます。


②準備できる時期を見極める

留学の準備をしながら病院実習を行うのはなかなか大変でした。心と身体に余裕のある時期に出来る準備するに限ります。その時期を見極めるポイントは

1)大学内 or 学外にいるのか
2)忙しい診療科がいつか

1)大学内 or 学外にいるのか
時期によって市中病院での実習を行う場合があるかと思います。留学に伴う書類で教授のサインを貰う、学務課が開いているうちに提出できるかなど。大学内にいるうちに準備を終えれることがベストですが、学外での実習を行う場合に大学に戻ることが距離と時間的に可能なのか考えて準備したいものです。

2)忙しい診療科がいつか
留学準備はこれから海外に行く、ということで楽しい反面、不安なことも多いもの。実習をしながら留学のことを考えれる心の余裕があるのか、というのは意外と重要だと思います。大学にいても外科系で朝早く集合して手術に入り、復習と次の日の勉強をしたら慣れないうちは、それだけで1日が終わってしまいます。

僕の場合、10月〜11月いっぱいまでは準備はできない期間と考え、一旦実習がなくなる12月に準備を詰めました。この頃に奨学金の書類審査が通過した連絡が来たので、よりモチベーションをあげて準備することができました。

大学によっては進級試験もあるかと思いますので、実習のみならず大変かと思います。この時期までにどこまで準備が終えたら間に合いそうかという期限を設けてみると使える時間がはっきりしてくるかも知れませんね。


③細いけれど注意!ワクチン接種と保険で苦労したこと

ワクチン接種について
ワクチンは当然地域によって必要となるものが変わってきますが、特に注意していただきたいのは結核 freeの証明が必要かどうか

通常、病院実習にあたってB型肝炎や風疹・麻疹、ムンプスなどはワクチン接種を行うので抗体証明することが容易です。しかし、結核については特に事情がなければ検査をしていないことがほとんどかと思います。

僕の場合、求められる証明としてはツベルクリン反応でnegative である、とのことでした。日本人はBCG接種によりpositive になることが多いので、注射後48時間あけ反応を確認した後の胸部X線撮影までセットになります。自由診療で2回の受診合わせて5000円ほどかかりました。

ツベルクリン反応検査は集団で行うことが多いので薬剤管理の関係で個人が受けることを断る施設があります。その場合には大学の保健管理センターに是非、相談してみましょう。近隣で検査可能な医院を紹介してもらいました。

T-spot やQFTでの検査も可能と思いますが、ツベルクリン反応検査でという指示に一応は従いました。思い返せば昔、授業で海外で結核の感染があるのか検査で日本人は苦労すると話されたことを思い出しますが、すっかり頭から抜けていました。

海外留学保険について
留学先から保険の提出を求められた際には保証金額を確認、問い合わせることをおすすめします。

僕の場合、民事訴訟での保証金額で1,500€(2億)が必要でしたが、当初入っていた保険では1億が上限でした。書類は日本にいるときに提出していたのですが、現地に入ってから金額が足りないから、受理できないと言われてしまいました。
保険会社に問い合わせたところ、保証金額の引き上げができないとのことだったので、ウェブ上で申し込める別途の保険を申し込んで合計で足りるようにし、書類を見せ交渉しました。何かあったときにカバーされるのか、分かりませんが許可が出て何事もなく実習を終えたので良かったとします。

参考までに保険を紹介すると、日本国際教育支援協会の学研災付帯海外留学保険に加入しました。これは大学を通じて申し込むのですが、保険料の割引があり3ヶ月分で20,000円ほどでした。そして、重要なのは証明書を英文で発行してもらえます。代理店に問い合わせましょう。
また、日本で病院実習を始める際に入った学生保険も使えることがあるようですので一度、保険内容を見直してみてください。

さいごに

早めに動いていたつもりでしたが、結果として出発直前に詰め込むことになりました。何なら現地に着いてからも交渉や申込・契約をやらざるを得ませんでした。

先方からの返信が遅いのは覚悟していましたが、送った書類がチェックされずに放置されたり、留学担当者が変わって連絡が取れなくなったり(前任者がmissing でと言われたときには、本当に意味が分からなかった 笑)機械システムが変わって使い方が分からないから今は書類を発行できないと言われたり。

頼めば仕事が勝手に進んでいく(ことがほとんどの)日本て凄いんだな、と素直に思いました。

僕自身はこれまで、英語でメール書くことも交渉することもほとんどしてきませんでしたので、やはり最初のうちは変なこと言っていないかな、通じているのかとても不安でした。
しかし、覚悟決めたら気にしなくなり、また物事が急に進んだりしました。ほぼ毎日通い詰めて「話進んだ?僕が出来るのは待つことしかないの?」とプレッシャーをかけたり、今になって振り返ればその過程を楽しむぐらいどんと構えることが大切なのかな、と思えるようになったり。


苦労の絶えない、旅路かもしれませんが、これから留学される皆さんに実り多い経験とご多幸が訪れることをローマから祈っています。


Ciao!! Ciao!!


ご覧いただきありがとうございます。 心に届くよう記事を書いていきますので、 応援いただけると嬉しいです。 ♡やコメントをいただけたら喜びます!