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過去の失恋を振り返って今思う事。




忘れられない恋はありますか?

私は未だに大学生時代の恋人が夢に出てきます。
わりと、頻繁に。

私にとってかけがえのない人だった。
彼のおかげで、こんなに人を好きになれるんだと、愛するってこういう事なんだと知る事が出来た。

付き合ってから
割とすぐ半同棲の様な状態で
お互い家を行き来して
たくさんの時間を一緒に過ごした。
大学生とはいえ授業は割と忙しかったけど
今と違って夜更かしもしていたし
時間をたくさん使ってたくさん遊んでたくさん話して可能な限り側に居た。
お互いに本気でこの人とならずっと一緒に居られると思っていたし、周りの友人からもそう思われていた。


彼は一度決めた事に対して実直で
目標に向かって努力し続ける真面目な人で
ユーモアもあって明るくて
センスが良くてアンテナが高くて
人として尊敬出来る考え方を持っていた。
喜怒哀楽や好き嫌いがはっきりしている所とか考えを言葉にして相手に伝える所とか似ている所も多くて。ぶつかる事もあったけど分かり合えた。
やりたい事のベクトルが同じだったし、
笑いのツボも好きな服や音楽も共通点が多くて、
一緒に居ると何をしても楽しかった。

私が落ち込んだり悩んだ時に、
あんなに的確に私の心に刺さる言葉をかけてくれたのは後にも先にも彼しか居ないかもしれない。



私にとっては青天の霹靂だった、
別れよう。の電話。

まだ学生だった彼と
就職したばかりの私は
知らない間にすれ違っていたみたい。
私は彼と過ごす未来を糧に
辛い仕事も頑張っていたのに。

「別れを決めたのは俺自身の問題で◯◯は何も悪くない。今の俺には◯◯との将来を考える余裕がない。この先自立するまで結婚は考えられないし、それがいつになるか分からない。働いたら職業柄一緒に居られる時間は少ないと思う。◯◯は家族で過ごす時間がとれる人と結婚した方が幸せだと思う。でももし働いて結婚を考える時にまた◯◯と出逢えたら結婚したいなと思うよ。」
そんなことを言われた。
諦めきれなかったのはこの言葉に期待してしまったんだと思うけれども。

別れを決めた彼は
もう私の知ってる彼ではなく
別人ではないかと思うほどで
何を言っても私の言葉は彼に届かず
あれほど私の事を理解してくれていたはずの彼はどこにも居なかった。

いつだったか
大学の先生と話していて
「結婚は自立した男女が出逢って出来るものだ」
と言われて自分達は違う、と気にしていなかったことを思い出した。
先生のおっしゃる通りでした。

何のしがらみもない学生だったし
初めて経験することが沢山あったから
日々新鮮でワクワクしたし
現実を知らない無知な私達だったから
理想の未来を好き勝手思い描けて
ただただ目の前の好きに没頭していられたんだろうな。
もちろんその未来を歩んで行く人もいるけど。

それからの私は
呼吸の仕方がわからなくなったし
空気が無くなるってこんな感じかと
苦しくて辛くて悲しくて
そんな日々を長い事過ごした。
当たり前にあったものが急になくなると
人はこんなに脆く崩れていくのかと。
どうやって生きたらいいか
なんのために生きるのか
何もかも分からなくなって
生まれて初めて、死、という選択肢があると気がついた。

職場の上司に相談した時、
遠距離恋愛で別れちゃう子多いんだよね。
と言われたことも
職場の先輩に
そんなんで親に何か言われないの?
と馬鹿にされたことも
私を追い詰めたのだろう。
あの頃は毎日生きるのに精一杯であんまりよく覚えていないけど。

友人にたくさん話を聞いてもらいながら
気を紛らわし続けて何とか生き延び
数年かかってやっと涙を流さずに
振り返れるようになり
5年くらい経って
彼の情報を目にしても
ショックを受けない位になって
現在。
感情を乱さず振り返れる様になった。




彼と別れる事は私の人生に必要な出来事だったんだな、と思う。

別れたおかげで今があるから。
今の自分が好きだから。

彼と別れたから
たくさん挫折を経験して
自分自身と向き合うきっかけが出来た。あの頃とは違う物の見方、考え方を身につけることが出来た。

何より夫と出逢うことが出来た。
私には彼ではなく、夫が必要だったんだと思う。

今、そう思えて幸せだから
彼と過ごした日々をキラキラと思い出せるし
別れたあの頃をよく乗り越えたなあと
どこか他人事の様にぼやーっと振り返れる。


時々夢に出てくるとやっぱりちょっと胸が痛むけどそれだけのこと。
忘れることなんて出来ない、忘れる必要なんて無いのだと思う。彼と過ごした日々があって、今があることが事実なのだから。

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