犬はいいなぁ

現在結婚し実家を出て夫と二人暮らしだが実家に帰れば3匹の可愛い可愛い通称わんわんずが待っている。

最初に迎え入れた日からもう12年は経っただろうか。犬種は3匹ともアメリカン・コッカー・スパニエル(通称アメコカ)。ディズニー映画「わんわん物語」に出てくる女の子、レディちゃんと同じ犬種だ(余談だがレディちゃんのグッズが出るとアメコカファンはこぞって買いたがる)(アメコカモチーフのグッズは希少なのである)。

わんわん物語の冒頭はレディちゃんが家族に愛され幸せに暮らしているところから、子供が生まれ捨てられるシーンから始まる憤りを感じるものだ。悲しいことに我が家のわんわんずも同じような経緯で私達の家に来ることになったのである。


最初の出会いはホームセンターのペットショップだった。とはいってもペットショップのケースに入れられた悲しく可愛い子犬ではなく、偶然会った小学校の先生が連れていたペット用ショッピングカートにイヴはいた。

話をしているうちにイヴが保護犬だということ、先生は里親として一緒に暮らしているだけで飼い主さんを探していることが分かった。

保護犬になった経緯としては2年ほどペットショップの裏で外にも出してもらえず、ずっとケースの中にいたらしい。

くりりんとした大きな目に犬種にしては小柄の、ちょっと、かなり、だいぶ、下の歯が出た女の子。

一緒にいた両親一目ぼれ。そのままペットショップで必要なものを買いそのまま家に連れてきた(今考えると保護犬を迎える為の家庭環境の調査とかしなくてもよかったのだろうかと思うのだが)。

家にいた姉は驚いただろう。ホームセンターに買い物しにいったと思ったらまさかの犬を連れて帰ってきたのだから。

でも初めての犬との生活はそりゃもう大変だった。想像の100倍大変だった。

犬を過去に飼っていた父も「知っている犬という生き物じゃない」と大苦戦していた。

まず初日にウンコの上で寝ていた。まあそれはおいといて、とにかくイヴはわがままだった。ちょっと気に食わないことがあると怒る。ちょっと触ったらウーとうなり噛んでくる。女王様だ。

散歩は嫌い。でも外には出たい。出せと遠吠えする。外はリードがないと危ないからとりあえず安全なところまで連れて行こうと抱っこする。怒って暴れる。どうしろと。

食欲が異常にある犬種でなんでも食べる。テーブルの上の食べ物を強奪する。ご飯を食べているとテーブルの上に乗ろうとしてくる。もうしっちゃかめっちゃかである。

しかもアメコカはお手入れが大変で病気も多い飼うのが難しい犬種だということが分かった。綺麗な毛並みのために毎日のブラッシングが必要。歯も毎日磨くし病気早期発見のためにスキンシップも必要だ。

私達は唸り噛もうとしてくるイヴを刺激しないように触ることに慣れさせ、リードに慣れさせようとして、12年という月日が流れた。今でも散歩は嫌いだし歯も磨かせてくれない。それでもすっかりシニア犬となりまろやかになったイヴはなでろ、おやつよこせ、かまえ、とベタベタに甘えてくれるようになった。

イヴを迎えてから家族の生活もだいぶ変わった。休日の朝も散歩に行く為早く起きるようになったし旅行先は犬もOKで近くに犬と一緒に楽しめるところを探すようになった。そして冬にダンボールで買っていたみかんを買わなくなった。急襲されて大惨事になるから。

今も昔も変わらず可愛くて仕方の無いわんわんず。どうかずっとずっと長生きして欲しいと願う所存である。

残りの2匹、ロイとルイの話はまた後日。


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