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旅をプロデュース 高齢の父親と台湾へ⑥

離れて暮らす両親とは事前に成田で待ち合わせも考えたのだけど、やっぱりなんだかんだ心配で実家に帰って、3人一緒に成田へ向かうことを決めた。

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内心、ちょっと面倒だなとは思ったのだけど、出発1週間前に母親から電話があり、なんと事前に2人で成田国際空港まで車で向かってみたとのこと。あぁ、思いの外、2人ともこの旅を楽しみにしてくれているんだなと思ったら、娘としては最初から最後まで一緒にいようと思った。

60代は病気や仕事のことで、2人とも穏やかではない日々も多かったけど、ここにきて母親の方は第2の人生と言わんばかりに新しい仕事にのめり込み、健康にも気をつけて生き生きと毎日を過ごしている。父親もこの1年は元気がなかったのだけれど、少しずつ散歩へ出かけたりとそれなりの努力はしているようだった。

体が言うことをきかない、外へ出るのが面倒、そんなふうにして引きこもっている時代もあった2人。だから一緒に旅行、ましてや海外旅行なんて考えられないなと、母との電話を切った後に思い返す。

予定も立てた、リサーチも余すことなくした、ホテルや各種チケットも予約完了。移動はすべてタクシーでと決めた。

準備は万端。

と思っていたらコロナ騒ぎ。中国で発症したというニュースを聞きながらどこか他人事に思っていたのだけど、そこからあっという間に危機感レベルが増した。高齢でかつ持病を抱える父は、旅立つ1週間前に台湾旅行をキャンセルしようと言ってきた。自分ももちろん不安があって諸々大いに悩んだのだけど、台湾政府の鉄壁にコロナ対策や本土からの受け入れを7日以降禁止などの対策、感染者の数を確認しながら、台湾へ向かうことを決めた。

除菌シートに消毒液、マスクをたくさん用意。疲れたらすぐに休憩をするを合言葉に、若干不安はあるもののこの機会を逃さないように、祈りながら、旅の準備を進めた。

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この旅が少しでも笑顔多き旅になるように、自分のプロデュースした旅を楽しんでもらえるように、自身も最初で最後になるかもしれないこの旅を楽しみたいと思う。コロナの影響を受けませんようにと、ただただ祈りつつ。

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