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耳から鱗

3年ぶりにiPod shuffleを使った話。

通勤時間にiPodを使うのが久しぶりだったので、クリップやイヤホンの扱いに手間取ってしまったけれど。音量を気にしながら、再生ボタンをカチッと押すと、ミュージカル「Wicked」のある曲が流れ出した。そうだ、当時よくミュージカルを聴いていたのだった。劇団四季が好きなのは、以前書いたことがあるが、その劇団四季が公演しているミュージカルを皮切りに、ニューヨークでブロードウェイに通った旅もあった。


耳には、次に「Cats」、そして「BillyElliot」、ミュージカルが続いている。劇場に観に行くと、感動してCDを買い求めていたのを思い出す。口ずさみ、場面を思い出したりして聴いていたものだ。

特に、Catsの楽曲はやけに心に残る。何度も観に行ったというのもあるが、猫と人間という対比をしてしまっているのだろう。なき浅利慶太の、少し古いけれど端的な日本語が、鮮やかに数多の場面を立ち上げるのだ。

久しぶりのiPodの感触やイヤホンの感じで気がついたことは、いつの間にか通勤時間から音楽がなくなっていたということ。

iPodが世の中に出てから、音楽と街なかに出ていくことがとても楽になったように思う。音漏れや安全性については、一言二言あるけど、音楽が精神に与える影響は大きい。それは、これまでの経験からも分かっているのに、ふとそんな恩恵すら忘れていた。

先日のこと、家具のレイアウトを夫婦で話していたら、娘が「音楽が聞けるやつ、また置いて」と話していた。音楽が聞けるやつとはCDラジカセのこと。確かに、なにかのタイミングでリビングから姿を消していたのだった。

音楽を聴くためだけの時間はとても豊かだ。でも、そのための時間を作るのは結構難しい。ただ、音楽は流れているだけでも聞こえてくるし、そうやって楽しめるのも音楽の良さであると思う。そもそも、娘がそうやって音楽を楽しんでいたという事実こそ、尊重したい価値だ。


急いで、CDラジカセを出して、家族で音楽を聞きたくなってきた。そして、通勤時間の音楽だって復活させよう。

久しぶりのiPodが与えてくれたきっかけ、そして娘がくれた喜びを無駄にしたくない。

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