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もちつもたれつ

僕たち家族には、家族と地域のための食堂があります。
と書いてしまうと、スケールの大きな食堂を思い浮かべるかも知れません。むしろ、何だか分からないかも知れません。
その食堂とは、地域にあるコミュニティスペースで開かれる、住民のもちより夕食会(飲み会)のことなのです。
ひとりひとりが集まって、持ち寄りで成り立っていることから、「もちつもたれつ食堂」という名前がついています。長いので、「もちもち食堂」と略して呼ぶのが地元流です。

スペースができてから2年半。もちもち食堂は少し遅れて始まったので、2年くらい。毎月1回、金曜日の夜6時に集まって食べ物や飲み物を持ち寄って、約2時間の会を楽しみます。スペースの利用料がかかる程度で、あとは持ち寄りのおかずを頬張りながら、ご近所トークで盛り上がります。


毎回の参加人数はバラバラですが、僕たち家族(もつ家、とします)を含めて常連さんは5,6名います。準備や片付けは参加者で行いますが、もつ家はいつも遅刻して参加しているため、2,3人で準備してくれているのです。

ある子育て世代の親子が参加したときのこと、もちもち食堂が開かれているスペースの話題になりました。すると、そのお母さんが「本当にこの場所ができてよかった!いつも子どもと家にいるだけだったら、どうなっていたか。ここに来れば誰かいて、おしゃべりができて、ほんとうに救われたんです。」と話してくれました。平日の様子はほとんど知らなかったので、その切実な声にハッとしました。

もつ家は、もちもち食堂の場を活用して、町内会に入りたいがどうすれば良いか、保育園と幼稚園の差、おいしいお店や、おかずの作り方などを仕入れています。

そんななか、料理は持ち込みという性質から毎回同じ料理を持っていくのは何となく気が引けるくせに、毎回違うものを作っていくのは負担感があるという自分勝手な理由から、キッシュならば続けられるのではないかと思いつきました。

僕が焼いているのは、毎回、季節の食材を使うのですが、同じものが二度と焼けないレシピの確立していない、家庭料理的なキッシュ。キッシュは、ふだん食べないから、ちょっとだけ贅沢な感じがするのも個人的なオススメポイントなのです。


そんなわけで、キッシュを持ち込むことを続けていたら、ありがたいことに、キッシュが楽しみで来た、という方もいたりして嬉しい限りです。

このもちもち食堂に参加したのをきっかけに、地域で活動を始めたり、新しいつながりを作って活動の幅を広げたりしている方々もいます。そのスペースの告知にもつながって地域に少しづつ知られるようになってきました。

それでも、家族で参加している方々は少なくて、特に男性の参加は少ないのが現状です。そもそも仕事が忙しいとか、付き合いの飲み会も週末がほとんどだとすれば、地域に帰ってきて、さらに知らない人たちとの飲み会なんて尻込みするのも当然かも知れません。


参加者としては、いろんな世代が関わることで少しでも地域が広がっていったらと思うのです。地域は、公園や町並み道路などでも思い浮かべることはできるかも知れませんが、とても鮮明なのは顔がわかる○○さんが暮らしている、という印象だと思っています。

買い物したとき、公園で、ふとしたときに知っている人がいることは、恥ずかしい反面、「自分の地域」を作る要素がひとつ増えたことになるように思うのです。会議室に集まるよりも、食卓を囲んでお腹いっぱいになるほうが仲良くなりやすいと思うのです。

もつ家は、これからも無理のない範囲で参加したいと思っています。なによりも娘が「今日はパーティーなの?」と、もちもち食堂の開催を楽しみにしているのです。


もちつもたれつ食堂
JR南武線:稲城長沼駅 高架下
くらすクラスにて

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