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にんべん

転職して10回目の春が来ます。

転職以来、健康とか福祉とか、そんな言葉が入った部署で働いていました。地域で暮らす方々の健康や福祉など、見た目ではすぐに分からない課題を、地域で共有して解決していくような、そんな役割を担っていると考えて仕事していました。

3年ごとに部署としては変わっていましたが、職場で言うところの〇〇系は、健康福祉系というつながりがありました。

異動先の希望を伝える面談はもちろん、書類だっておろそかにせず、自分の意思を伝えるために言葉を選びました。まだまだ経験の浅い身には、どんな仕事がしたいかというのは大切な問いです。

そして先日、新しい春からの職場が告げられました。いわゆる建設系の部署でした。びっくりしました。少しだけ。聞いたことがない職場が目の前に広がり、不安らしきものはありませんでした。むしろ、新たな場所への楽しみさえ感じたのです。やったことがない仕事、という好奇心のようなものかも。

いまの職場が嫌だったわけではありません。お世話になった方々も多いし、なにより地域にも愛着があるし。私が社会人として育った土地でもあります。お世話になった方々は、すでに御他界なさった方も少なからずいます。いまの暮らし方があるのは、まさにこの職場のおかげなのです。

ただ新しい部署については、私の周囲は「何してるとこかねぇ」という感じだし、新しい部署の名簿を見ても知っている名前はありませんでした。駅前ビルの上の階のフロアで、まさしく未踏の地。でも相手側も、同じ心境だと思います。

これまでの仕事に感謝しながら、新しい仕事に緊張しながら、慌ただしく1日を過ごしている帰り道、あることに気がつきました。部署の始めの文字の、健康の「健」と、建設の「建」はとても似ています。にんべんがあるかないか。なんだ、全然違う仕事かと思ったけど、こんなに字が似てるんだ。

なら大丈夫、安心した。

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