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産後うつになりかけた話

私は現在、1歳半の息子の子育てを、たのしい!と思いながらできていますが、産後半年くらいまでは、毎日気づいたら泣いていたり、不安で眠れない、人に会いたくない・・そんな日々を過ごしていました。

今回は、私が産後うつになりかけたお話をしたいと思います。


産後うつとは

産後うつ病はおよそ10%の罹患率があり、気分の落ち込みや楽しみの喪失、自責感や自己評価の低下などを訴え、産後3か月以内に発症することが多いです。マタニティブルーズが通常は1-2週間でおさまるのに対し、症状は2週間以上持続します。

出典:公益財団法人日本産婦人科医会(https://www.jaog.or.jp/qa/confinement/jyosei200311/)

私の場合は、産後2週間~6カ月までの約半年、憂鬱な気分が続いたり、理由もなく涙が出てきたり、といったことが続きました。
特に症状が酷かったのは産後2か月あたりだったかと思います。

気付いたら涙が止まらない

息子が寝ている姿を眺めながら、ぼーっとテレビを見ながら、授乳しながら、特に理由もないのに、気づいたら涙が溢れて止まらなくなる、といったことが、ほぼ毎日のようにありました。

当時、夫は毎日出勤をしなければならず、朝の7時から夜の20時くらいまで、私は一人で初めての子育てに奮闘していました。

3時間おきの授乳、ミルクも併用していたので、ミルクの準備、後片付け、オムツ替えや寝かしつけ・・想像していた以上にやることはたくさん。

なかなか寝付かない、ミルクを飲んでくれない、飲んでも吐き戻してしまう、便秘が続いている、などなど、不安に思うこともたくさん。

そして、そういった不安をタイムリーに吐き出せる人がいない。
目の前には何で泣いているかわからない赤ちゃんだけ。

こんな環境で、私の孤独感がどんどん増していき、気づいたら何でも無いタイミングで、自分の感情や意志に関係なく、涙が溢れてくるようになったのです。

大変なのに報われない?自己肯定感がどん底に

ミルクをあげて、オムツを替えて、寝かしつけて・・毎日同じことの繰り返しで、変わり映えのしない日々
なんといっても、これが精神的に一番辛かった!!

基本的にはずっとおうちの中で過ごしていたので、体力的にそこまでハードなことはしていないのに、なぜか常に疲労感があり、育児以外の家事や趣味などをする気にはほとんどなれませんでした。

今思えば、子育てと体の回復に全力集中する時期なので、他のことに手が回らないのは当たり前なのですが・・。

「今日も何もできなかった・・。なんて私はダメな人間なんだ。」
「息子が昼寝をしている間に、料理や掃除ができたはずなのに、できなかった。」
「夫に養ってもらっているのだから、家事くらいしないとダメなのに。」と、毎日毎日自分で自分を責め続けていたせいで、私の自己肯定感はどん底になりました。

産後1か月健診で引っかかる

産後1か月を過ぎるころ、出産した病院で健診がありました。
母体の回復状況、授乳など家庭での育児の状況、問診による産後のメンタルの状態も確認されます。

そのメンタル面の問診で、私は見事に引っかかりました。

一通り健診が済んだ後、別室に通され、助産師さんとマンツーマンでお話をすることに。
育児に関する悩みや、不安なこと、なんでも相談してください。と言われたのですが、、。

なんだか、自分の思っていることが上手く言葉にできない。
せっかく子どもを授かって、健康に育ってくれているのに、訳も分からずこんなに落ち込んでいるのは、母親失格と思われるのではないか・・?

そんなことばかりが頭の中を巡って、結局、「寝不足が辛くて~、、」と、当たり障りのないことを話して、その場は終わりましたが、ここで初めて、自分、ちょっとまずいのかな・・。と気づくきっかけになりました。

メンタルを回復させる為にしたこと

産後3か月ほど経った頃、このままではまずい!辛すぎる!と思った私は、自分が元気になる為に行動をし始めました。

1.とにかく寝る

産後、とにかく連日眠れていなかったので、夜中の授乳をミルクに変え、夫に夜間のミルク対応を担当してもらい、自分は睡眠時間をとることを優先しました。
幸いなことに、息子はミルクも哺乳瓶も拒否せず、よく飲んでくれたので、すんなりとミルクに移行することができたのです。
日中も、息子が昼寝をしている間に無理に家事などせず、眠い時は自分も仮眠をとることにしました。

2.出産経験のある友人に話を聞いてもらう

同時期に出産を経験した学生時代からの友人が何人かいたので、その子たちに電話をしたりメッセージを送ったりして、とにかく話をきいてもらいました。当時、子育てで忙しい中、話をきいてくれた友人たちには感謝でいっぱいです。
みんな「わかる、わかる」と私の話に共感してくれるので、とっても心が救われました。

3.散歩をする

生後1か月が過ぎるまでは、赤ちゃんは基本的にお家の中で生活するように、と病院から言われていました。まるで法律で定められているのか?というくらい、徹底してそれを守っていて、1か月が過ぎ、2か月が過ぎても、「こんな小さくて首もすわっていない生き物を外に出すなんて怖すぎる!」という不安もあり、ずっと家の中にいた私ですが、ついに生後3か月を迎えるころ、意を決して、息子を連れて散歩をするようになりました。

一度挑戦してみると、案外大丈夫ということがわかり、天気がいい日は短時間でも外に出るようにしました。
やはり日光を浴びると気持ちが良く、少しずつですが落ち込んだ気分も晴れていきました。

4.支援センターや子育てサロンに行ってみる

自治体や各保育園・幼稚園が運営している支援センター、子育てサロンというものがだいたいどこの地域にもあり、そこで子どもを遊ばせ、同時期に生まれた赤ちゃんやママと交流もできるのです。

しかし、幼いころから鬼の人見知りかつ、産後全く初めましての人と話す機会がなかった私にとって、支援センターや子育てサロンに行くことは、とてつもなく高いハードルでした。

それでも、一日中、息子としか一緒にいない毎日に刺激が欲しい。
息子にとっても、他の赤ちゃんや大人と触れあるいい機会になるかもしれない。
そんな思いから、息子が生後4か月の時に初めて子育てサロンに参加をしたのです。

その後、近所の支援センターにも何度か足を運び、連絡先を交換できるようなママ友はできなかったものの、支援センターに常駐している保育士さんと親しくなることができました。その方に、子育てのこと以外にも、私の地元のことやお仕事のことなど、いろいろな話を聞いていただき、支援センターに行けば夫以外の大人と対等に話せる、ということが、本当に日々の励みになりました。

一人で抱え込まない

当時の私は、生まれたばかりの小さなか弱い命を、何としてでも守らなければならないという強い責任感から、「〇〇しなければ」「〇〇でなければいけない」という自分が定めたルールにがんじがらめになっていました。

少しでも自分のルールから外れたことをすると、まるで取り返しのつかないことをしてしまったかのように、これでもかというほど落ち込み、自信を失っていました。

でも世の中、完璧な育児なんてものはきっと存在しないし、育児書通りになんてしなくても、子どもは自分の力で大きくなっていきます。

そして、本当に辛いときに限って、どう言葉にしたらいいかわからず、周りに相談できなくなる人もいるかと思います。
自分が思っていることをすべて打ち明けられなくても、一部分だけでも人に話したり、もしくは全く違う話をして笑いあうだけでも、少し心が休まることもあります。

産後は、自分を取り巻く環境がそれまでと大きく変わり、その変化についていくだけでもやっとな日々ですが、一人で抱え込まず、少しずつでも周囲に頼って、自分が楽になれる瞬間を作っていく必要があると思います。

慣れない育児や孤独感で苦しむお母さんたちが、少しでも減っていくことを願っています。


長くなってしまいましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。

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