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小学校の先生の「同僚性を高める」仕事術

 私は小学校の教諭をしています。経験年数は8年ですが、年齢は38歳ということもあり、職場では中堅的な存在です。現在、職場では、職場代表という役割を担っており、職場全体のことも頭に入れながら、職員室での立ち振る舞いを考えて行動することが増えました。そこで、今回は職場が働きやすくなる環境を作るために、私が意識していることや3学期から実践することを書いていきたいと思います。


1.職場の同僚性とは

 文部科学省のサイトには、同僚性に関わって以下のような文言があります。

 社会の変化への対応や保護者等からの期待の高まりを背景として、教員の中には多くの業務を抱え込み、本来の教育活動に専念できないような状況が一部に生じてきている。教科指導や生徒指導など、本来の職務についても多忙感を抱く教員が多く、その結果、教員間で支え合い、協働する力(同僚性)が希薄になっているという指摘もある。

文部科学省 1.教員をめぐる現状

 つまり、仕事をする中で、お互いに支え合って、高め合っていく協同的な関係性のことを同僚性と考えます。同僚性がある職場であれば、困ったときに相談しやすいし、話しやすい、意見もいいやすい、そんな雰囲気を感じます。同僚性を高めることが、より良い職場関係に繋がっていきます。では、この同僚性を高めるにはどうしたらよいのでしょうか。

2.同僚性を高めるためのキーワード

 私は、同僚性を高めるためのキーワードは「雑談」だと思っています。いくら職場で一致団結して何かに取り組もうと声を上げても、それだけでは同僚性は育まれないのではないかと感じます。それは、なぜかというと同僚のことがよく分からないからです。同じ船に乗って、同じ目的に進んでいても、相手のことをよく知らないと不安です。ですから、私は「雑談」を通して、お互いに自己開示することが大事だと思っています。プライベートの事は話したくないという人もいますから、プライベートの内容を強要するつもりはありませんし、話の内容はプライベートでなくても構わないと思っています。「今日学級でこんなことがあってね・・・。」、「最近あったかくなりましたね。」、「その服素敵ですね。」などなど、ちょっとした雑談で相手のことが分かってくると、安心してその人と関われることができるようになってくると思っています。見えなかった相手の思いや、日々の生活が見えてくるとその人が自分の中でグッと近くなります。

3.雑談を作りだす仕掛け

 例えば、今の学校現場で、「みんな意識して話をしましょう。」と声をかけても、きっと雑談は生まれないでしょう。それで雑談が生まれるなら簡単です。雑談を生むには、それなりの仕掛けが必要になってきます。では、どんな仕掛けを作るとよいのでしょうか。
 1つ目は、強制的に時間をとってしまうことです。私は、今年度、職場代表になってから、職員会議で15分程度の雑談時間をとってもらっています。普段は話さない3~4人のグループになってもらい、①最近、仕事で嬉しかったこと、②最近、仕事で困ったことの2テーマについて話してもらいます。そして、印象に残った話をグループの1人に発表者になってもらい1分で話してもらいます。ちょっと、この活動時間を楽しくするために、発表が1分に一番近かった人にドリップコーヒーなどの商品を用意しています。この話し合いの中で、校長先生が「雑談をしたいんだけど、みんな忙しそうで声かけづらくて・・・。」というような事を話されていました。そんなことを思われていたんだとその時に初めて知りました。そんな風に、人の内面を聞けたことで、次に関わるときの行動が変わってきます。
 2つ目は、つい雑談したくなる仕掛けを意図的に打つことです。これは、先輩から教えてもらった話ですが、学校の行事黒板に「今日は誰の誕生日でしょう?」とメッセージが書かれており、それに気づいた周りの先生が誕生日の先生を探して、近くで「おめでとう!」などの会話が生まれていたそうです。ちょっと遊び心がある雑談したくなる仕掛けで自然な会話へと持っていく。その意識でアンテナを張りながら仕掛けを考え、適宜打っていくことで雑談が作り出されるはずです。

4.3学期に私がする仕掛け

 最後に、3学期の最初の1か月で私がする仕掛けについて紹介します。終業式の日に以下のチラシで職員に告知しています。

3学期に仕掛けたイベントのチラシ。canvaというデザインサイトで作りました。

 テーマは「みんなで一緒に働きやすさ作りませんか」です。職場の人に、働き方改革のアイデアを投稿してもらって、アイデア一つにつき「うまい棒」が1本もらえるイベントです。イベントを企画したら、校長先生が「うまい棒の商品は買ってあげるよ。」と言ってくださいました。このイベントだけでも、少し雑談に繋がるかと思いますが、それ以外にも考えています。  
 この集まった働き方改革のアイデアを次の職員会で公表します。そうすると、文字だけではどんな事なんだろうと思うアイデアや「これっていいよね!」と思うものが出てくるはずです。それを話す時間を作れば、また、有意義に話をする時間がとれるはずです。
 もちろん、この働き方改革のアイデアの中で学校全体で実行できそうなことは実行していけば、業務改善にもなるので職員にとってもプラスなイベントになると思っています。
 このイベントが成功するか分からないけれど、やってみることに意味があると信じて動いています。

 今年度も残りわずか、皆さんの職場の環境が少しでもよくなるヒントになれば幸いです。

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