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小学3年生にも効果がある「給食プロフェッショナル制度」

 私は今年度小学3年生を担任しています。学級の中で、子どもが自ら考え行動できる余白を大切にしながら、いろんな活動に取り組んでいます。今年度も一昨年度に取り組んだ給食当番のシステムを取り入れました。3年生ではまだ難しいかもと思いましたが、思い切ってやってみた結果、まだ3日目ですが、子どもたちが主体的に動き出す場面が随所に見られ、効果を感じています。今回のnoteでは、「給食プロフェッショナルシステム」に取り組むなかで子どもの姿について切り取り、その効果を見ていきたいと思います。

1.そもそも「給食プロフェッショナル制度」とは?

 詳しい取り組み方については、以下の記事をご覧ください。

 小学3年生にこの「給食プロフェッショナル制度」について話をしたときに、子どもたちの反応は「えー!やってみたい!!」でした。大人から勝手に与えられた役割をやるのではなく、自分たちで考え、レベルアップしていく感じが楽しいと感じたのではないかと思います。

2.「手伝ってもいいの?」

 いかに給食準備を丁寧に、そして素早くするかが求められるこの「給食プロフェッショナル制度」をしてすぐに出てきた子どもたちの言葉は「手伝ってもいいの?」でした。つまり、丁寧に素早くするために、自分の役割を超えて動いてもいいのかということです。もちろん、動いてダメな理由はありません。でも、「手伝ってもいいの?」から見えてくるのは、今までならきっと自分の役割をすることしか頭になかったのが、チームのために自分が今できることをやりたいと主体的になってきた姿です。
 目標は給食準備を10分以内にすることですから、その目標に向かってできることはどんどんやっていいのです。そうやって、動き出せる子を学級の過半数以上にすることで、チーム全体を引き上げていくのです。

3.「そんなに怒らないでよ。」

 給食の準備で時間を計ると必ず起こる問題は、10分の時間に間に合わなかったときに、「もー!!早くしてよ!!」などと言う子がいて、「そんなに怒らないでよ!」と雰囲気が悪くなることです。トラブルの引き金にもなりかねませんが、一生懸命やっているからこそ起こるこのトラブルは、悲観して見る必要はありません。だって、一生懸命やっているから、やっていない相手に対しては厳しく言いたくなりますから。もちろん言葉の指導はしますが、教師の役割は、そこではないと思っています。
 私は、給食準備中、子どもたちにタイマーを見せながら、リアルタイムで子どもたちにスクリーンに映したパワポで評価しています。例えば、以下のようにです。

1:30 台ふき完了 →○○さんの動きがいい!
1:45 エプロン着替え完了→○○さん一番
5:45 給食台に食缶、食器準備完了、配膳開始
7:20 10人配膳完了
9:00 20人配膳完了
10:20 いただきます!

 そして、タイムが思うようにいかなかった時こそ、この記録を見ながらどこがいけなかったのか子どもたちと確認します。
 ここでは、1分45秒でエプロンに着替え終わっているにも関わらず、配膳開始は5分45秒のスタートです。すると、ここにタイムロスがあるので、次回の目標は、食器食缶準備のタイムを縮めることです。失敗したら、その原因を突き詰め、そこを改善して次につなげます。また、上手くいったときのタイムと見比べてみて、どこが違うのかを確認してみるのもいいと思います。大事なのは、次回、何をしたら良いのかを子どもたちが明確に理解できるようにすることです。

3.「1分30秒だったよ!」

 給食準備10分20秒だった翌日のタイムはなんと、6分24秒でした。
子どもたちは「いただきます!」でタイムを止めた瞬間に「やったー!!」と叫んでいました。そこには、前日に失敗したところを明確にして、次回は自分の仕事を何分でするという意識が芽生えていたからです。自分の担当する台ふきの仕事を終えた子が私のところに駆け寄り、「今日は1分30秒でできたよ!」と嬉しそうに伝えにくる姿がありました。自分の仕事に時間意識を持ち、どうしたら素早くできるか考える。なんとなくする仕事から、自分で考えて工夫する仕事へ。そんな姿が3日目で見られました。

 最後になりましたが、給食プロフェッショナル制度は、一つの方法であり、それ以外にも子どもたちが主体的になる仕掛けはたくさんあるかと思います。今年度、教師人生2回目のこの給食システムで子どもたちの成長へと繋げていきたいと思っています。もし、給食当番の仕方で悩んでいる方がいましたら、いつからでも取り組めますので、参考にしていただけたらと思います。


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