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学校の廊下にある仕掛け

 以前、松村真宏さんの『仕掛学』という本を読んだ事があります。その中には、人を動かすアイデアとして、ついつい「そうしたくなる」ような「仕掛け」について書かれていました。
 私たちの日常には、実はたくさんの仕掛けがあり、知らず知らずのうちに、「そうしたくなる!」いや、「そうさせられている」ことがあるのです。
 例えば、漫画ドラゴンボールの背表紙。そこにはドラゴンボールの絵が描かれており、並べて揃えたくなる。つまり、整理整頓に繋がったりします。
 学校で長年起こっている事も、仕掛学的に見ると解決のヒントになるものもあるのではないでしょうか。今回のnoteではどの学校でも起こっている学校の問題について仕掛けという視点で書いてみたいと思います。

1.廊下は走らないように

 皆さんも学生の時に学校で一度は「廊下は走らないように!」と注意を受けた事があるのではないでしょうか。
 私も小学生の時に注意をされた記憶があります。小学校で働いている今も、勤めたことのあるどの学校でも問題になっている事です。
 廊下を走ると出会い頭にぶつかり、大きな事故になりかねません。しかし、何十年たってもこの問題は解決していません。何十年厳しく注意しても中々なくならないのが、この「廊下を走る問題」なのです。

2.あるショッピングモールにて

 先日、平日のショッピングモールに妻と息子2人が出掛けたそうです。そこにあるキッズスペースがいつもと違ったそうです。具体的には、30mほどの直線があり、その出入り口に円形のスペースがある形だったそうです。全部を円にすればもっと広いスペースが確保できたはずなのですが、「なんでこんな形なんだろう?」って思ってしまうような場所だったようです。
 しかし、そのキッズスペースで遊ぶ息子を見て、「なるほど!」と思ったと妻は言っていました。なぜなら、息子二人は、円形のスペースより、真っ直ぐの直線を楽しそうに行ったり来たりしながら、ひたすら走って往復していたからです。
 先が見渡せる直線はなんだか駆け出したくなる。そこには、そんな仕掛けがあるように感じます。

3.学校の廊下

 先が見渡せる直線には、人が走りたくなるような仕掛けがある。そう思って学校の廊下を思い出すと、私が知っている学校の廊下は、殆どが先が見渡せる長い直線のスペースになっていました。
 つまり、学校の廊下は子ども達にとって「駆け出したくなる場所」になっているのです。そんな仕掛けがある廊下ですので、「ひたすら注意をする」や「ポスター掲示」くらいではなかなかその衝動は抑えられないのだろうなと感じました。

4.学校の廊下に仕掛けるという考え

 じゃあ、学校の廊下は思いっきり駆け出したらいいかというと出会い頭にぶつかるなど危険がいっぱいですので歩いてほしいものです。
 もちろん指導も必要です。しかし、「廊下を走るのは危険だから走らないように!」と厳しく指導する事に偏るのではなく、直線を歩きたくなる何らかの仕掛けをする事も方法として考えてみるのもいいのではないでしょうか。
 例えば、廊下に観葉植物を並べてみる。何らかの線をテープで貼ってみるなど、どうやったら歩いてみたくなるかを学校で子ども達と、教師と話してみて試してみるのも面白いかもしれません。
 そうやって子ども達も巻き込んで主体的に仕掛ける側になる事も、廊下を走るという問題を少なくすることに繋がるのではないでしょうか。

5.最後に

 最後まで読んでいただきありがとうございました。世の中には、そうしたくなる「仕掛け」がされています。その仕掛けは学校の現場でも活かされるのではないでしょうか。仕掛けを見つけるポイントは自分がついつい「そうしちゃった」時に、何でだろうって考える事です。皆さんは最近ついついしてしまったことはありますか?そんな視点で日常を送るといろんな仕掛けに気づくかもしれませんね。

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