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作られた教室から作った教室へ

 私は小学校で教員をしています。近年、教員の労働環境のブラック化について言われています。私も残業はしますが、だいたい7時30分から勤務し、17時には帰るようにしています。
 プライベートの時間や家族との時間を大切にしたいからです。

 でも、最初から17時に帰れていたわけではなく、色々な工夫をしながら効果的な方法を見つけていった感じです。
 私がしている事で、皆さんの参考になることがあればと思い、少しずつ紹介していきたいと思います。

 まず、第1回目の今回は「作られた教室から作った教室へ」です


1.作られた教室

 初任の頃、始業式で子どもを迎えいれる教室を完璧な状態にしようとしていました。教室準備はすべてと言っていいほど教師がしていました。子どもたちにとってみれば、すべて整っている作られた教室でした。不自由さがない状態からのスタートです。
 子どもたちにとってみれば、あたたかく迎え入れてもらったように感じるのかもしれませんが、慌しい新学期ですから、細かいところまでやろうとするとものすごく時間がかかります。

2.作った教室

 最近は教室は子どもたちと作った教室にしていこうとしています。だから、教室準備は最低限だけです。
 机に貼るネームシールも始業式の日に子どもたちに「5分間で全員貼れるかな」というミッションを与えて5分でやってもらいました。もちろん、ここに、どうすれば5分でやれるのかという協力についての指導やどの子がどんな姿を見せるのかということを見るのも狙いにあります。
 しかし、教師が1人でやれば20分から30分かかる仕事が、子どもがいる時間にたった5分で終わります。 
 その他にも、よくある連絡黒板の教科カードもうちでは子どもの手作りです。今では子どもたちもタブレットがあるので、さっと作ってくれます。

3.メリットとデメリット

 作った教室のメリットは、まず、最低限の教室準備でよいため、時短になります。
 次に、子どもたちが意欲的に活動する機会になります。連絡黒板のカードを作るとき、子どもたちは、とても嬉しそうに作ってくいました。「えっ?それもやっていいの?」って具合に。本当はいろいろやりたいのだと感じました。教室は用意されたものではなく、みんなで作っていくもの。子どもたちの必要感や狙いを持って子どもたちに任せる場を作ることで、自分1人でしていた教室準備の時間が大幅に少なくなったし、こどたちはいろんなことを自分たちでやりたいんだと感じました。

 では、デメリットはというと、最初教室に入ったときはなんだか殺風景な状態であるということと、子どもが作るものなので多少雑さが見られたり、大人の理想通りにはなりにくいところもあるというところでしょうか。

4.おわりに

 何年かやってみて、なんでもかんでも準備し過ぎない勇気も大切な気がしています。整えられた環境でスタートするよりも、不自由さのある環境から必要感のもと動き出す体験をつくる。そんな不完全な環境の準備も必要なのではないでしょうか。

 また、今後も教員の働き方改革の中で、自分でできることを紹介していきます。誰かの参考になれば幸いです。読んでいただきありがとうございました。

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