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【書評/感想】「ガンダムが教えてくれたこと」読んだら、数年後の自分に読ませたくなった

創志塾でのプレゼンでこの本を知ったので読んでみた。

ガンダムを見たことがなくとも読みやすく、「成果を出す組織とは何か」を真剣に考えさせられる本
ただ、ガンダムがテーマであることや若いうちは年上の女性と付き合ったほうがいいとのメッセージもることから、やや男性向けの本のような印象

それでも、成果を出す組織というテーマは男女共通のテーマなので、成果を出すことができる組織とは何かを知りたい方には、ぜひ読んでみてほしい

ちなみに、わたしはガンダムを見たことがない。
そして、物語もよくわかっていない。知っているのは、これくらいだ。

 ・アムロ側の組織とシャア側の組織が戦っていること(戦争中)
 ・シャアは「赤い彗星」と恐れられるほどのすごい人であったこと
 ・でも、主人公であるアムロは、もともと平凡な少年であったこと
 ・ちなみにガンダムは、アムロが操縦する戦闘用スーパーハイテクマシン
  (操縦者がヘタクソでも、ちょっとヘマしたくらいじゃ死なない)

あまりにもショボい知識でガンダムファンの方に怒られそうですが、どうか温かい目で見てくいただけると嬉しいです!

【この本との出会い】

創志塾の0期生兼事務局のメンバーによるプレゼンのおかげで、この本に出会うことができた。
ガンダムに学ぶ圧倒的成長」とのタイトルで始まるプレゼン。
プレゼン資料がすごく印象的で、かつ、堂々としたプレゼンに魅せられて、題材となったこの本を貸してもらった。
(公開許可がおりるなら、ぜひこのプレゼンも見ていただきたい・・・。)

おそらく、ガンダムを見たことがないわたしにとっては、
書店でこの本と出会っても手に取ることがなかったと思う。
自分ひとりじゃ出会うことのなかったと思うと、この本に出会わせてくれた創志塾に感謝しつつ、人や本との出会いって不思議だなあと感じてしまう。

【書籍情報】

 タイトル :ガンダムが教えてくれたこと
 発行日  :2012年3月30日
 著者   :鈴木博毅。1972年生まれ。ほかの著書に「超心理マーケティング」「儲けのDNAが教える超競争戦略」がある

【概要】

アムロというどこにでもいる平凡な少年が急成長を遂げ、イケイケのガンダム操縦士になっていくという軌跡から学ぶことができる「成果を出す組織のとは何か」が書かれている。
教訓となる場面のガンダムのシーンは丁寧に描写され、さらに、戦争時やビジネスの場面などに置き換えて表現されているため、どういった状況下で得た教訓なのか(どういった状況で使える教訓なのか)を想像しやすくなっている。

【感想】

ガンダムを見たことがないわたしでも読めるのかと不安だったが、それはいらぬ心配だった。もちろん、ガンダムを見たことがあれば、より一層、楽しめる本だと思う。

組織内における立場をざっくりと分けると、「自分が活躍する人材になる」といったプレイヤー目線「人材が活躍する組織を作る」といったマネジメント目線のふたつがあると思う。
この本には、どちらの立場にとっても大切なことが書かれており、いい組織とは何か・活躍できる人材とはどんな人か、を考えるのにはタメになるなあ、といった印象。

ただ私は、本を読み進める中で、自分が「自分が活躍する人材になる」といったプレイヤー目線でになっていることに気づいた。
部下目線で読んでもタメになることも多いが、自分がマネジメントをする立場になった時、この本を読み、同じようなことを思うのか、を知りたい
今は、ダメ上司の記述に共感してしまうが、自分がマネジメントする立場になった時どう思うのか?という点に興味を持ってしまった。

それでは、印象的な言葉をご紹介する。

純粋な個人の能力差よりも、飛び乗った機会の質の差のほうが、結果として何十倍、あるいは何百倍も大きな差を生み出すということです。
~ その機体が「英雄になれるガンダム」であるか、あるいは、「やられ役のジム」であるかを瞬時に見抜くことが、他のどんなことよりも大切だということです。

これは、アムロが「ガンダム」に乗るチャンスがあり、アムロ自身がそのチャンスを無駄にすることなく、掴みに行き、そのチャンスを離さないためにがむしゃらにもがいているシーンから、得られる教訓。

若いうち、とくに20代は自分でできることが少ない。
大きな企業に入ると、何もできないのに、自分の能力値以上の給料を手にし、自分の能力値が上がったような錯覚をすることがある。
だけど、大切なのは、今やっている仕事が、ほんとに自分を成長させる経験になるのかを、真剣に考え、覚悟を決め、とことん取り組むことなんだと思う。働く環境は、何よりも大切だ。
真剣に考えた結果、その環境が違うと思えば、乗り換えるのは当たり前だ

こういう場面にもっとも簡単なのは、新人が、「自己効力感(自分が役に立てているとかんじること)を味わうことができる場面を、会社が意図的につくり出すことです」

ガンダムをまともに乗りこなすことができないアムロが、なぜガンダムに乗り続けることができたのか、というシーンに対する考察。

アムロは、どれだけガンダムの操縦が下手でも死ぬことはなかった。
むしろ、相手のマシンが弱ければ、自分のスキルは不十分でも操縦するガンダムのおかげで相手を倒すことができた。そう、アムロが成長したのは、心理的安全が確保されており、且つ、自己効力感を味わうことができる環境いたからである。

では、今の仕事は、心理的安全が確保されており、自己効力を味わうことができる環境だろうか?

 圧倒的スキル不足の環境下でミスをし、必要以上に責められてないか?
 仕事で達成感や成功体験を感じることができているか?

きちんと、考えたほうがいい。
若いうちにものすごい成功体験を経験できることは少ないかもしれない。
そんな機会そうそうない。そういった仕組みがあることの方が少ない。
大切なのは、どのように成功体験を積み重ねるのかを自ら考え工夫すること本当に成功体験をできる環境なのかを自分自身が見極めることだと思う。

時間の経過とともに部下である社員は「自分たちにとって居心地がよい状態」を追求し、やがてそれを肯定するようになります。

こうして、「成果の達成」が目標ではなくなり、「自分たちにとって居心地のよい状態を維持すること」が隠れた目標にすりかわってしまうのです。

アムロの属する組織の成長の障害に対する考察。

自分自身に問いかけてしまう。
きちんと成果の達成に向かって走っているか?
自分にとって居心地のよい状態を維持しようとしていないか? 
と。

わたしはきっと居心地のよい状態を求めるタイプなので、自分で律することができる力が欲しい。そして、怠惰な心を正し合える環境で働いていたい。

彼女の存在は、人生で大切なものが同時に複数現れた場合には、後回しにせず、その全部を手に入れるべく死力を尽くすべきだと教えてくれている気もします。本当に必要なものなら"優先順位"など投げ捨てて、すべてを追いかけるべき、ということなのでしょう。

ラファ・スンの存在に関する考察。

優先順位、という言葉はビジネスの場面でよく出てくる。
論理的に考え、合理的な選択をする場面も多いと思う。必要だ、大切だ。
それでも、「本当に必要なものなら"優先順位"など投げ捨てて、すべてを追いかけるべき」という教えは、ロマンチック響きもあって、すごく好きだ。

それでは、最後に最も印象に残った言葉。

リーダーは自分の立場より、結果を優先して判断を

評価されるポイントは時代により変化する。
それでも人は自分の成功体験に引きずられてしまう。
だからこそ、自分が評価されたポイントでものごとを判断するのではなく、”今ここで”最適なことはなにかという軸で判断することが大切。

成功した人が陥りやすいポイントだと思う。自分軸ではいけない。

自分の経験に基づく判断ではなく、
現状に基づく判断をできるようになりたい。

【総評】

「ガンダム」という、物語りを知らなくても読み進められ、働くうえで役に立つ教訓が具体的な状況とともに書かれており、良いビジネス書だと思う。

ガンダムという物語、またそれを実際の戦争やビジネスの場面などに置き換えて、「成果を出す組織とは何か」について考察し解答していくので、読み手が自分事として捉えやすく、わかりやすい。

ガンダム好きはぜひとも読んでほしいし、そうでない方も成長する組織について興味があれば、ぜひ読んでほしい。

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