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HOSSY(ホッシー) Start up Project ③


microplastics

「マイクロプラスティック」という言葉がよく使われるようになったのはつい最近のこと。2004年のサイエンス誌に「 Lost at Sea: Where Is All the Plastic ? 」というタイトルの論文が発表されました。近年、ヨーロッパーを中心にマイクロプラスティックの認識が一般市民にも深く浸透しています。  日本国内では、2018年後半より、マイクロプラスティック関連のニュースが徐々に報じられるようになり関心が高まりつつあります。

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マイクロプラスティックの定義

石油を原材料とするプラスティックは世界で年間約3億トンが生産されます。この量は石油産出量の8%を占めますが、そのうち半分は容器包装に使われており、製品となったプラスチックは自然分解されずに半永久的に残るという特徴があります。ポイ捨てやゴミ処理施設へ輸送される過程で環境中に出てしまった使用済プラスティックは雨で流されやがて海に流れ着きます。紫外線や波の影響で劣化し細かくなった5mm以下のサイズのプラスティックのことをマイクロプラスティックといいます。プラスティック製品が開発された当初は画期的なものであり世界でも過去40年のあいだに大量に生産され続けてきました。現在プラスティックの種類は100種類以上。生活用品などに使われる5大プラスティックは生産量のおよそ75%を占めているといわれています。

ポリスチレン( PS ) → ハンガー・食品用トレイ・プリンター等
ポリエチレン( PE )高密度ポリエチレン( HDPE ) → バケツ・洗剤ボトル・屋外玩具・灯油タンク等
低密度ポリエチレン( LDPE ) → レジ袋・ラップ・紙パック飲料などの内外面等
ポリ塩化ビニル( PVC ) → クレジットカード・ホース・水道管・合成皮革等
ポリエチレンテレフレタート( PET ) → ペットボトル・卵パック・包装フィルム・衣類の繊維
ポリプロピレン( PP ) → ストロー・ペットボトルキャップ・文具・医療器具等

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マイクロプラスティックの分類と環境への影響

・ 一次マイクロプラスティック( primary microplastics )        プラスティック製品を製造するための原料として使われる米粒大のプラスティック粒(レジンペレット)や洗顔料・ボディソープ・歯磨き粉などに使われるスクラブ剤には小さなビーズ状のプラスティック原料が使用されています。これらを一次マイクロプラスティックといいます。一次マイクロプラスティックは微細なため回収が難しく、製品化した後の対策や自然環境中での回収は困難です。誤飲によって生物・生態系への影響も懸念されています。

・ 二次マイクロプラスティック( secondary microplastics )       環境中に流れ出たプラスチック製品が外的要因で劣化することで発生するのが二次マイクロプラスティックです。 使用済みプラスティックはポイ捨てやゴミ処理施設へ輸送される過程で環境中に出てしまったあと雨で流されて最終的に海に流れ着きます。海を漂流するプラスティックごみの多くは長いあいだ太陽の紫外線によって劣化してもろくなり分解されます。またプラスティック同士がぶつかったり、波の作用や岩・砂によってすり減らされたりと物理的な摩擦で砕けて小さくなっていきます。

・ 科学的被害
プラスティックに使われる添加物には有害性が指摘されるものもありマイクロプラスティックになっても残留します。また石油から作られるプラスティックは汚染物質を吸着しやすい性質があるので海を漂う間に海洋生物が汚染物質(※ PCB,DDP)を吸収して環境に悪影響を与えています。
※ PCB=ポリ塩化ビフェニルDDP=ジクロロジフェニルトリクロロエタン(農薬殺虫剤など)

・ 物理的被害
海鳥の場合、プラスティックが消化器官が詰まったり消化器官の内部がプラステックで傷つけられて栄養失調の原因になるなど大きな脅威となります。プラスティックのサイズが小さいことでプランクトンや魚介類が摂食(誤飲)し、体内に蓄積します。
※ 生物濃縮によって私たち人間の健康にも影響することが懸念されています。
※ 生物濃縮とは ある種の科学物質が生態系の食物連鎖を経て生物体内に濃縮されていく現象のこと。代謝を受けにくい科学物質は尿などで体外に排出されにくく生物体内の脂質中などに蓄積していく傾向にあります。

マイクロプラスティックが人間の体内に

今後マイクロプラスティックが増え続けていけばそれに含まれる有害化学物質が人体にどう作用してくるかまだわかってはいません。海洋環境へのプラスティックの排出源は、使い捨てプラスティック容器の破片や漁業用具の廃棄物やマイクロビーズ・化学繊維・タイヤの磨耗などが発生源とされています。マイクロプラスティックは人が生み出したプラスティック製品やプラスティックごみとして捨てていたもの。消費が増えれば増えるほど環境中に増えていくのです。マイクロプラスティックによる海洋汚染は年々深刻化していることがわかっており、ごみ発生量などをもとに予測すれば10年後には海へのプラスティック流入量は10倍にそして20年後にはプラスティックの量は魚の量を超えてしまうとの試算があります。

マイクロプラスティック問題は海洋汚染だけの問題ではない

マイクロプラスティックによる被害は海だけではなく陸上でも発生しています。日常生活をするうえで私たちは多くのプラスティック製品に囲まれくらしています。こうしたプラスティックへの依存が知らず知らずのうちに自然環境に負荷をかけ影響はさらに大きくなっていくでしょう。先にも申しましたとおり、タイヤの磨耗や洗剤のマイクロビーズ、プラスティック容器や器具の破片、廃棄物、化学繊維などが発生源とされています。商品を選択する私たち消費者が自然保護や海洋保全のために日々の生活の中でどうしたらプラスティックを減らせるのか皆で工夫し、あらためて消費行動を見つめ直し行動する必要が求められています。

地球の、そしてこどもたちの未来のために。

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Think of the marine environment.

Fish-shaped aluminum clothespin.

HOSSY


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