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メタバースクリエイターの祭典「MCA2024冬」ROBLOX部門 最優秀賞 独占インタビュー



「メタバースクリエイティブアワード冬」について

 メタバースクリエイティブアワードは、メタバースにおけるクリエイターの創作活動の活性化や認知度の向上を目的としたクリエイティブアワードであり、2022年より開催しております。第3回の開催となる「MCA2024冬」は、より多様なプラットフォームのクリエイターが楽しめるビッグアワードとして、2つのプラットフォーム(Roblox、Fortnite)を対象に開催いたしました。
「Roblox部門」「Fortnite部門」の各部門に応募していただいた、多くの魅力的なメタバース作品から、厳正なる審査の結果、最優秀賞および各賞が決定しました。

MCA2024winter 結果発表
動画URL:
https://youtu.be/LJMe2hddvS8

ROBLOX部門 受賞ワールド一覧

ROBLOX部門 最優秀賞
「初見の俺が推しアイテムを集めたらアイドルに告られた」

SO.ON project LaVをテーマとした今大会。
こちらのワールドでは、街中に広がる各メンバーの好きなもの(アイテム)を集めてメンバーに会いに行くと告白されるというファン必見のとても可愛らしいワールド。
街中にはメンバーと写真が撮影できるスポットがいくつも設置されている。アイテムを集めずに会いに行くと違うメッセージが表示されるなどの工夫もとても楽しい。

一緒に収録しているような写真も撮影可能。
きゅうり・エビフライ・ぬいぐるみといったメンバーの好きなアイテムを集める

制作者:シンジesk.さん&たんじさん
インタビュー

シンジesk.さん(X…@snj_esk)
たんじさん(X…@keita0x12)

——この度は最優秀賞受賞おめでとうございます。簡単な自己紹介を伺ってもよろしいでしょうか?

たんじ:
NeXtreme Studio​のたんじと申します。Robloxについては開発から教えるまで幅広く取り組んでいます。ゲームプログラマー歴14年で、前職ではFINAL FANTASY等の開発を行っていました。今回は主にScript実装を担当しました。
シンジ esk.:
同じくNeXtreme Studio​のシンジ esk.と申します。ゲーム制作の道に進む前はアプリのユーザインターフェースのデザイナーをしていました。本作品では主に2D3Dアセットの制作と、まだ未熟ですがゲームデザインもさせていただきました。

——普段は何をやられていますか?

たんじ:
Robloxの開発を行いながら、子どもたちにプログラミングを教える事業にも取り組んでおります。
シンジ esk.:
Robloxの勉強と制作、BlenderやSubstanceの習得など、ほぼ1日中何かの制作をしています。

——これまでのゲーム経験を教えてください

たんじ:
子供の頃からゲームが好きで、マリオ、ドラクエ、FFはもちろん様々なゲームをやってきました。小学生のときにやったFF6がとても好きで、それからゲームクリエイターになろうと決めてそのままFFの制作者になりました笑。最近は子どもと一緒にプレイする時間が多く、マリオやマイクラ、Robloxなどを楽しんでいます。その分一人プレイの時間があまりありません笑。好きなゲームは、FF6、塊魂、HORIZON ZERO DAWN、Dark Soul 3です。
シンジ esk.:
中学生のとき買ってもらったSHARP X1という8bitパソコンが初めてのマイパソコンでした。当時ゲームと言えば、雑誌に印刷されたBASICのコードを入力して遊ぶというのが主流でした。このプログラムを書き得て自分好みにしたり、キャラクター絵に手を加えたりしていました。これが最初のゲーム制作ですね。制作経験はそこから現在に飛びます笑
プレイする方は、RobloxとSwitchで遊んでいます。好きなゲームは世界観が独特だったり、グラフィックが美しいもの。ENDER LILIES、Before The Night、SILT、Papeturaといったゲームです。

——Roblox歴はどれくらいですか?

たんじ:
2022年12月からプレイと開発を始めました。ですので、1年半程度です。

シンジ esk.:
2023年8月にRobloxのことを知り、プレイと制作を始めましたので7ヶ月ですね。

——ゲーム制作歴はどれくらいですか?また、制作を始めたきっかけも教えていただきたいです。

たんじ:
大学の頃の自作から含めると15年ほどとなります。2010年よりスクウェア・エニックスにてFINAL FANTASYシリーズの開発をしてきました。FF14、FF16のシステム開発などを行いました。
Robloxを初めて知ったのは、子どもたちのプログラミング学習に最適な題材を探していたときでした。子どもたちでも開発に取り組める間口の広さと、日本でまさにこれから盛り上がり始めているというタイミングで出会い、教えるためにも自学のためにもと、自ら開発を始めました。
オンラインゲームを手軽に制作・公開できる環境と、プログラマブルなプラットフォームに魅力を感じその後も継続して取り組んでいます。

シンジ esk.:
Roblox歴と同じなので7ヶ月です。
2022年頃から売れないフリーランスをしていましたが、2023年から趣味のつもりで始めた3D制作にハマり、1年間でかなり成長しました。
https://shinjiesaki.com/work
この技術の活かし方を模索するなか、Robloxを知りました。Robloxのコミュニティツールとしての側面に大きな可能性を感じ、それからはRobloxでエクスペリエンスをいかにして制作するかを、朝から晩まで考えたり、調べたり、制作したりしています。

——今回の作品にかかった制作期間はどれくらいでしたか?

たんじ:
締め切り2週間前に急遽はじめました笑。特に最後の5日程度を注力して取り組みました。
シンジ esk.:
2週間ですが、朝から晩まで作業をしていました笑

——たった2週間だったのですね笑
今回の作品の方向性を決めた背景などあれば教えていただけますか?

シンジ esk.:
制作開始時に念頭に置いたのは、LaVをリスペクトして、LaVだから成立するゲームにしよう、そして誰よりLaVに喜んでもらえるゲームにしようということでした。そのため、LaVのYouTubeやTikTokをできる限り視聴して彼女たちを理解するのが最初のステップでした。そこから仕様シートには書かれていない、それぞれのキャラクターアイテムやカラーが分かり、今回のキラーキャラクターであるエビ次郎もピックアップできました。
フォトスポットを回ってLaVと写真が撮れるというゲームの骨格は、La部員(LaVのファンの呼称)に最も喜んでもらえるのではという発想からです。
ゲームのゴールとも言えるLaVからの告白ですが、実はタイトルを先に「初見の俺が推しアイテムを集めたらアイドルに告られた」に決めてロゴも作ってから、ゲーム内容をタイトルに寄せていったというのが真実です笑。結果的にユニークなラストになりました。

フォトスポットはファン必見

——まさにLa部員に喜んでもらえて、かつLaVだから成立するゲームになっていて素晴らしかったです。制作中のモチベーション維持の仕方やルーティンなどあればぜひ教えてください!

たんじ:
使ったことのない技術活用や、今後にもつながる汎用的な設計などを意識しており、作りながらも自らの成長や効率アップを実感できることを楽しみながら制作しています。
シンジ esk.:
Robloxのエクスペリエンスをたくさんプレイしています。素晴らしい作品に出会うともっといいものを作りたいという気持ちが強まりますね。SwitchやPCのゲームもプレイしながら、好きだな、面白いなと自分の感情が動いたら、その原因を考えるようにしています。

——今回の制作で参考にしたものなどがあれば教えてください。

たんじ:
あまり他を参考にする時間もなかったのですが、アイドルがテーマだったので、アニメやLaVの動画で演出を考えたりしました
シンジ esk.:
今回は時間が少なくビル群の詳細まで作り込む時間がないと判断したため、グラフィックデザインの平面構成を意識して単色使いでまとめました。リアルやスタイライズではない、新しい表現を目指したのですが、本作ではまだ十分に表現できなかったのが心残りです。

——目標や今後の展望などはありますか?

たんじ:
この作品の共同制作にあたり、NeXtreme Studioという制作スタジオを立ち上げました。今回最優秀賞もいただけてスタジオとして良い船出となりました。今後もStudioで、高品質なRobloxエクスペリエンスを制作していきたいと思っています。
シンジ esk.:
新作は前作を超えるエクスペリエンスになるように、日々の制作を楽しんでいきます。

——スタジオの素晴らしい船出になり、今後のご活躍が益々楽しみです!同じようにRobloxやゲーム制作をこれから始める方も今後増えてくるかと思います。そういった方に何かアドバイスなどいただけますでしょうか?

たんじ:
Roblox開発はScript次第で多くの事ができるプログラマブルな環境で、自由度が高い制作環境となっています。代わりに、プログラムの設計次第で、実装効率や保守性なども大きく変化します。常により良いプログラムとはなにか、というのを考えながらスキルアップしていけると良いように思います。といっても、まずは何よりも自分の作りたいゲーム・世界を作れる開発を楽しんでください。
シンジ esk.:
作品をつくる中で、自分にとって新しいチャレンジをひとつ含めるようにするとよいかと思います。今までPBRテクスチャを使ったことがないので使ってみよう、アニメーションがまだなのでやってみようという感じです。作品を作りながら、自分の技術もどんどん向上していきますのでおすすめします。

——貴重なお話をありがとうございました!これからまたstudioとしての新しいゲームやご活躍を拝見できることを楽しみにしています。改めてこの度は、最優秀賞受賞おめでとうございます!!

NeXtreme Studio​

教育×クリエイティブ のコミュニティ「学びラボ」にてRoblox共同制作したことを機に、たんじ・シンジがRoblox制作スタジオ「NeXtreme Studio」を共同で設立。
「NeXtreme」には、「Next(次のレベルの)」「Extreme(極限の)」の制作活動を行っていくという意思が込められている。
https://nextreme.games/

次回MCA開催について

定期開催中のMCAですが、次回は2024年8月頃を予定しています。
詳しくはMONDRIANのXアカウントをフォローして情報をお待ちください!

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https://twitter.com/mondriangg


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