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皐月二日 旅の記憶その5 函館から青森

 乗り鉄なら青函トンネルで海を超えろよって話ではあります。
 ですが、私は船旅も好きなのです。しかも、津軽海峡ですよ? そんなもん初回は船旅一択でしょう、ってことで、今回は津軽海峡フェリーを利用しました。

 ラッキーなことに、ちょうど乗船料割引キャンペーンをしていたおかげでお得に乗れたんです。事前予約が必要ですが、予約時に発行されたQRコードを使えばチェックインもらくらくなので、これはいいですね。

さようなら、函館。また来るね。

 いよいよ出港。海は穏やか。大型フェリーなので船酔いの心配はほぼありません。
 竜飛岬が見える位置になったら、いよいよデッキで「津軽海峡・冬景色」熱唱ターイム!

 ……の、はずだったんですけどね。強風とのことで、デッキには出られませんでした。出港直後は大丈夫だったのに。じゃあキャビンはというと、他のお客さんがいるから歌うわけにはいきません。

 夢、破れたり。 

一見穏やかなんだけど……

 ふてくされてスマホを見つつごろ寝していたら、知床遊覧船事故の一報が目に入りました。この時点ではまだあんな大惨事になっているとはわからなかったのですが、たまたま同じ日に北海道で船に乗っている身としては、やはり安全第一である、と気を引き締めたものでした。
 それにしても心痛む事故です。一日も早く、乗船していた皆様が家族の元に帰ることができますように。

窓越しの竜飛岬

 青森港からは、こちらも事前予約していたタクシーで青森駅へ向かいました。定額制なのでお得です。
 ていうか、フェリーターミナルから市街まで出る公共交通機関がないのよ。正直、バスぐらいは出してほしいなあ。時期によってはあるようなのですが……。地方を旅するにあたって入念な事前調査が必要なのはこういうところですね。都市部の感覚でフリーハンドのまま行くとえらい目にあいます。
 ホテルのチェックインでは新卒とおぼしきフロント研修生のあたふたドジっ子加減に心癒されつつ、夕食はホテル近くの寿司屋で。夢破れた傷心ゆえに街に繰り出す元気がなかったのです(十分の一ぐらいは本当)。ま、目的はそのお店で十分果たせるとわかっていたから、もあるんですけどね。

 さて、ここからは言葉はいらないでしょう。

それ、ドンッ!

地魚刺盛り

ドンッ!

地酒飲み比べ 右から田酒純米大吟醸、豊盃純米大吟醸、かめ吉純米吟醸
ぼんなのおひたし

まだまだドンッ!

トゲクリガニ

 これに終わらず、

熱々の燗酒をえいや、と

 甲羅酒で〆です。これ全部で三千円弱。天国かよ。
 こじんまりとした店で、地元の方も結構いらっしゃいました。大将も無愛想なようで実は気さく。観光客がフリで入っても安心です。
 そして何よりおいしかった。

 おかげで気持ちも回復しました。明日からは津軽旅です。

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