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迷わず書いて迷わず没にしよう!

見切り発射で好きな作品をだらだら、自由に書こうと思い、まず色んな国を巡るファンタジーを書こうと思って書いたのが以下のプロローグ。

読み飛ばして大丈夫ですが、2分お時間を頂き、読んで下さるとこれから語る内容が分かりやすいかと。

 日の光が照る中、俺は汗を滴らせながら歩いていた。
 何しろ今歩いているのは熱風入り混じる砂漠。

 砂漠の砂が熱くて、靴の中にしっかりと侵入してきた。
 足の裏に感じるざらつきは、まるで地面が俺に対して牙を剥いているようだった。
 炎天下で太陽が灼熱の光を放つ中、空気が薄く乾燥しているのが手に取るように感じられた。

 そして、喉が渇く。口の中は乾燥し、水が欲しい。
 でもそれがどれだけ貴重か、俺は良く理解している。
 しかし砂で出来た光景はどこか美しくもあった。
 だがあまりにも過酷だったのか、ラクダが倒れてしまい、首を搔いてやる。

「はぁ、ラクダも死んじまったしつらいな……」

 不運はこれだけでは終わらなかった。
 野盗が襲ってきたのだ。
 3人ほど……少ないと思った。

「兄ちゃん、あんまいいもん持って無さそうだが水くらいはあるだろ? 恵んで貰おうか」

 俺の返事は決まっている。

「断る」
「そうかい、じゃああの世へ送ってやるよ」

 そして男はボウガンを俺に向けて撃った。

「ぐうっ……!」

 胸に走る熱さ。砂漠の熱気とは到底違う……
 胸に強烈な痛みが走り、俺はなすすべ無く倒れ込む。
胸から広がる刺すような痛みに、俺は声を抑えることもできず、地面に手を突いても苦しみには絶えられない。
 砂漠の容赦ない日差しとは異なる、異様で強烈な熱さだった。無様に砂地に倒れ伏し、胸の痛みが息をつく時間も与えてくれない。
 熱砂に倒れ込み、その熱さと胸の傷で俺は意識を失いかけた。

「ん? 意外といい金細工持ってんじゃねえか。こりゃ高く売れるな」
「触るな」

 俺は男の腕を握った手に力を込める。

「は? 馬鹿な、死んだはずじゃ……」

 俺はその男の腕を掴み、胸に手を突き刺す。

「ぐぁあああああ!! 吸われる! 離せ、離せぇ!」

 そして干からびた男が倒れる。
 取り巻きも一斉にボウガンを向ける。

「ひっ、ば、化け物……!」

 そしてボウガンが放たれるも、

「やったか!?」

 やはり俺はすぐに起き上がる。

「うわああああああ!!」

 俺に向けて再度ボウガンが放たれるも、腕が震えており掠りもしない。

「ひ、ひぃ!?……お前は、一体……!?」
「さっきお前が言っただろ? 化け物だって」

 腰を抜かす取り巻きの胸に手を刺すと、同じく干からびる。
 逃げだそうとしたもう一体も首を捕まえる。

「頼む、水分はいい! だから命は……」
「どっちみち俺は喉渇いてたんだ」

 こうして野盗との闘いはあっさり終わった。

 「ごちそうさま」

 日差しは克服出来ても脱水は克服出来ない。
 そこで早く次の国に向かった。
 吸血鬼を殺す手段を見つけるために。

このプロローグ、かなり高評価で続きが気になると言われました。

しかしその後、実在の国をモチーフにした国を作中に出してしまい、たとえばAiが支配する国、お金がない国などの出したかった空想の国を出すのが難しくなりました。

更にはバトル物になってしまい、5人の吸血鬼を倒さなければいけない、最初の吸血鬼に1回負ける、などどんどんぐだぐだになりました。

ブラックジャックの目的は、5人に復讐することですが、主軸は人を救う、救えないというドラマですよね?

ところが復讐を主軸にしてしまい、物語の広まりは無くなりました。

そして土日に48時間寝ずに12話くらいまで書き、没にすることにしました。

時間は失いましたが得られる物はあったと思います。

ただ、見切り発車でつらつら書くことは決して無駄ではありません。

没にしても、ノウハウ、アイデアは蓄積されます。

それを作品として昇華すればより面白くなるのです。

たとえば、ヒロインが消毒液の入った注射を敵にして酔わせて動きを鈍らせる、という展開からヒロインの武器を注射器や針にしたらどうかな?とアイデアが膨らみました。

つまり、

迷わず書いて迷わず没にしよう!

ということです。

ファンタジー作品はプロローグはこのままで、没と研究を重ね、面白い物語をお届け出来ればと思います。

そして、もう一つ言われたのは長編はある程度プロット練るべき、ということです。

このプロローグを書いたときは主人公の目的など、まるで考えていませんでした。

私がやりたかったように適当に国を巡らせるにせよ、主軸は必要です。

なので、この教訓がなにかに役立てば幸いです。

ちなみに私の作品はこちらより読んで頂けます。
もし気になったらお手にとって見て頂けると幸いです。

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