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”選挙運営対策について”立憲民主党代表選討論会の記録

立憲民主党代表選で、地方党員向けの討論会(北海道・福岡県・神奈川県)、党内自治体議員・女性・青年部向けの討論会、記者クラブ討論会、日テレ主催討論会、記者会見などの内容を書き出して、一本にまとめたものです。自分のメモで取っているので、ご本人の言い方と違う部分もありますが、ご本人の意図が伝わるように表現しています。

討論会発言まとめは→https://lush-kumichannelnews.bitfan.id/contents/40857

●泉健太 新代表
代表選に至ったからには危機感を持たなくてはいけないと思っている。政策的には正しかったと信じる。しかし、国民にいまひとつ選択していただけなかった。立憲民主党の政策→だから立憲民主党を選ぼう、とならなかった。今後は、よき政策を軸にして、発信力を高めること。我々の良さと政策が十分に国民に伝わるように、その言葉に熱意が溢れるようにしなければならない。

「野党みんなで頑張って行く」という考え方から、→「立憲民主党はこう考えている」へ移行する。野党ではなく、「立憲民主党が問われていると思え!!」ということ。まずは、私共の政党がアイディンティティ、柱をしっかり作っていき、再起動できるように構造を点検する。「自主自立の精神」が先に来るべきである。

以上の点から、共産党との関係、維新の党との関係、という点には、お答えすることはない。自党の整備が大切だと考えている。他党との関係ばかり考えていたら、私達に成長がなくなる。

議員自身の能力や願いが伝わりやすいように仕向ければ、自ずと票は取れると思うので、発信内容を強化する。素晴らしい党員が沢山いるので、彼らをもっと前に出して行き、人材の豊富さを見せつけるべき。衆院選の比例区においては、立憲民主党をお願いする運動が、欠けていたと考える。参院選の全国比例には伝わりやすい候補を立てて行き、賢い構図を作って参議院選への必勝態勢を作っていく。

我々は与党の文句を言うためにいるのではなく「変える」ためにいる。政権を取らなくちゃいけない。我々を魅力的に感じていただけるようになって、初めてかつての民主党に漸く追いつくと肝に銘じたい。批判をしているのは正しい。しかし、酷い批判だと批判される事は「イメージ操作だ」と思いつつも、我々も、少し見え方を気にする必要がある。

発信の仕方を検討し直さないといけない。例えば地方メディアを大事にして行く。地方のTVや新聞に、本部や幹部、有名な古参が訪れることで、取材してもらい、露出を図って行く。デジタルトランスフォーメーションも、積極的に図って行く必要があると考える。ただしSNSは、主義主張をまとめるところではなく、協働イベントなどの集合場所の告知、連絡事項の周知など、あくまでアクションのため、集まるため、のツールとして使うのが良いと思っている。

年内の参議院選挙の選対体制の設計を総力あげてやって行く。総合選対本部の年内立ち上げは必須。まずは年内に、次の衆議院議員選挙の一次公認を行う。衆院選の惜敗者への今後への意思確認のため。新たなる公募は、各県連や地区での政治スクール運営を経由する、などのアイデアも、具体的で良いと思っている。

来たる参院選では、複数人区では自主自立、党独自の政策と党独自のPR手法を探して行く。一人区での一本化は必ず必要。しかしながら一人区では、地域でどのように話し合いが進んできたか、という経緯や事情があるので、本部がトップダウンで押し付けず、事情を共有することが大切。本部がものを言う時は、地域を飛び越えない配慮が大切だ。

今後は地方組織を強化し、自治体議員を増やして行く。地域組織の強化=ボトムアップ。各ブロックの活発化と自立化を促すために予算をつけて行きたい。地域問題には国会議員も噛んで取り組む、協働は共感に繋がる。そのための地方とのオンライン会議も、定型化してやりやすくしていきたい行きたい。立憲議員は地方何処でも行く。

草の根を体現するのであれば、供託金が没収されないような形で戦える選挙区って、実は沢山ある。上乗せさえすれば当選が見えてくるという選挙区も一杯ある。そういうところで若者や女性が立候補すればいい。選挙に出る人の生活状況の変化に相談に乗るような組織にもしていきたい。

女性議員を本当に増やしたいので、ケアは考えたい。若い優れた議員を擁立するのにもそう。先輩議員が知恵を貸す仕組みを作りたい。素養・繋がり・資金を伺って、計画を一緒に作る等。当選請負人として相談してもらい「当選プラン」家庭事情にあった選挙活動のプランを考えてみてはどうか。また統一地方選などで、女性の立候補者を、地域をまたいで支援に向かう、そう言う党文化を作っていきたい。

仮に党のお金で供託金を準備し、それが惨敗で没収されると、それはその後、候補者だった本人にとっても大変な負担になってしまう。私は25歳の時、突然、国会議員に立候補することになり、供託金は周囲の皆さんが集めて作って下さった。勇気のある人材は絶対にいるので、皆で見つけて皆で育てて行くつもりで。そのように供託金をカンパで集めたり貸したりして、みんなで助け合って、良い候補を助けて、擁立していただきたい。

尚、落選者への選挙後のアフターケアは、1-2ヶ月必要。挨拶回りもあり、その間は落選しても、活動費は必要ではないかと思っている。

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●逢坂誠二 代表代行
小選挙区は増やした、ということは、野党共闘は一定の効果をもたらしたということだと評価している。ただ、政策を伝える努力が、まだまだ届いていない感触。それはなぜか?何より地元での日常活動が少ないと、信頼関係ができていない状態で、政策もよく読んでもらえない。議員の人格を通して、党の政策が伝わっていかないといけない。

支持率は大切なものだが、むしろそれに捉われず、やるべきことをきっちりやる、というのがまず、着実な一歩。例えば、参院選に向けた選対を早く作る、比例の候補を早く決める、公約はボトムアップで公開型で議論、車座集会はもう党本部の人間が全国に出かけて行って、地方の隅々で細かくやって行きたいと思う。

なぜ、今回議席を減らしてしまったのか?選挙はドブ板をどれだけやっているか?ということに尽きる。地方で実際に人々の役に立っているのかどうか。国会議員も普段から地方議員と一緒になり、人々と”協働できる”地域の課題を常に見つけていくことが大事。

国会で法案を百本やるのも大事だが、議席を伸ばした維新は実は地域で自転車置き場を綺麗にする、など、実は「小さな地域貢献」を議員が直接やっている。維新はわかりやすい地域の課題を掴むのが上手で、地域に貢献した!という「やってる感」が出ているのだ。北海道でも、赤潮対策にいち早く立憲議員が動いてくれれば、地域の人は立憲民主党を信用してくれると思う。

選挙戦略として、地方自治体の皆さんの思いや知見が入った政策を、選挙直前に出すというのが効果的。プロセスも結論も票に結びつくことが期待される。組長選挙への擁立は、頑張って増やしたほうがいいと考えている。政党が地域への信頼を勝ち取っている事で、強い影響が出るからだ。

野党共闘については、全体にわたってというよりも、法案一つ一つによって、寄り添うかどうかの対応が異なることになる。国民民主党さんとの関係は大事にして行きたい。以前の仲間として他人とは思えないので。他の野党よりも、両党の対話は優先して行きたい。維新はたまに、与党補完勢力に見えることがあり、態度は我々野党から離れて行っていると感じている。

やっぱり若い人には元気に選挙にチャレンジして欲しい。地元で政治塾を設けておくのも擁立には良い仕掛けだ。だが、落選時は辛いもの。党からのフォローも目安やルールを作ってもいいかも。落選時の体制について今まで我が党は放置だったが、定期的に連絡を取るのは心がけてもいいかもしれない。落選された時の心理的ダメージは女性からよく相談を受けるので、落選時のケアを考えて予め提示する必要があるのかなと思っている。

ジェンダーの観点からは、比例の第一位を女性にすると言う案もある。女性が政治に関わる場所を増やすと言う点では、国会議員でなくてもいい。移動等に負担の少ない自治体議員として無理なく政治に関わっていただく、間接的に国政への関与を考えてもらうのもいいだろう。

広報部署を新しく作らないと情報戦に勝てないかもしれない、とは思っている。SNSに関しては攻撃に人海戦術も必要なので、専門家に加えて、シェアで広めるのにパートナーズの皆さんのお力を借りるのが必要だと思っている。

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●西村ちなみ 幹事長
議席は減らしたが、立憲民主党の政策そのものは間違っていないという評判を得ている。それが多くの有権者に届いていないだけ。政府与党の政策の広報が広告代理店の戦略を通じて押し寄せて来て、結局、票が流れてしまう、という感じらしい。

国民の意見を集約して行くには、立民の自治体議員の存在が一番の窓口であり、そこから政策が生まれる。地域の課題を一緒に解決するという成功事例を、各地に小さくてもたくさん作って行く。地方自治は民主主義の学校、国民の問題は全て全国各地の地域で起こっている。地方自治体は「現場」そのもの。幹部は党本部にいないで、どんどん外に、地方に出ていくこと。

女性の私が代表になることで、次の選挙にもアピールできると思う。党の代表が変わることで可視化、素晴らしい人材に目立っていただき、立憲民主党の理想・政策をよく知っていただくことが大事だと思っている。党の大事な人材であって今回の衆院選に落選した有意な方々には、公認と支援を早急に繰り出したい。落選された方々からのヒアリングは大事、そして落選者への支援の強化が必要だ、と思っている。

一人区での一本化は必須と考える。立候補者は男女同数でさせていただきたい。公選法の改定は必要だ。比例票の減少については、野党共闘に対しての配慮から、比例票をお願いするアピールができなかったなど、野党共闘に戸惑いが生じた候補もいる。

比例で維新が伸びているが、「身を切る改革」という言葉が、有権者に刺さったのではないかと思っている。維新の人気は一過性とは思わない方がいい。(ただし自分は維新の政策とは相入れない。)野党共闘の呼びかけの内容はもう一度、立憲民主党が目指している社会の姿を有権者に届け切ることが勝負の分かれ目

若手擁立のための金銭的なバックアップもしたい。青年部の全国研修は、出会いも知恵の交換もあり、活性化や知恵の創出に関して、本当に大事です。女性の立候補や議員職については、保育や介護の外注に関して、負担の軽減をしてあげる必要があると思う。

議員の数は、本当にこれは望むところ、倍増出来たらいいなと思う。今回の惜敗者にも、お力を借りれるようにする。目標としてですが、各都道府県で立憲民主党の国会議員がいないところがないようにしたい。

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●小川淳也 政調会長
支持を上げるには、刷新感と安定感を伴った新執行部が必要である。女性や若手の登用はもちろんのこと、必要になります。全国各地津々浦々での党員や市民との対話の結果として政策を練り上げて、それが最大の効果を上げる。

批判は野党の仕事。これからも頑張って行く。批判する側も問われるので、どういう動機で、何を目的に、相手への尊重も一定見せつつ、国民が惚れ惚れするような批判をしなくてはいけないと思っている。批判で評判を落としたのではなく、どちらかと言うと、政権交代という言葉に否定的な反応を示された。

野党のもう一つの仕事は政権の受け皿として存在すること。幅の広い支持層へと政策を広げて行く必要がある。右傾化したものを正すための存在であるだけでなく、中道や中道保守の皆様からも親しみ、信頼感や安定感を感じてもらえる党になるべきと思っている。その前に、民主党政権の総括・反省・分析も必要だ。野党第一党の山が高くなれば第三勢力以下に悩まされることはないはず。

ジェンダー対策として、女性の立候補については具体的に物心両面からのケア、志を持った女性には特別、と言うことでやって構わない。アフターフォローも含めて、そう言う体制をとって行くべきではないか。新人発掘には公募も良いと思う。

国民民主党との対話は優先されることだと考えている。連合さんもそのように希望しています。.共産党とは基本政策が異なるが、候補者の一本化ではもう長く、協力してきた歴史がありますので、次に優先。

維新はおもねたりすり寄ったりする相手ではない。しかし対話のチャンネルを閉ざすことはいたしません。一人区に関しては、自公は必ず一本化してきます。これは野党側も必ず実施するべきかと思っています。

あくまでも目標で20万人の協力党員2000人自治体議員、と言う規模に持って行くつもりでいたい。人的ネットワークを貼りやすいような中央からの心遣いが必要。公募もして見たいが財政的支援が必要。政治スクールを開催し、立候補するのにどういった準備や心構えが必要なのか、案内したりするのも良い。

選挙対策の基本としては、参院選選対をすぐにでも作ること、そして全国に出かけて行き、党員の皆さんと、そしてできればオブザーバーに一般市民(パートナー以外も)にも入っていただいて、皆さんの感触を見ながら政策を、地方の人々の目から作っていくようなことをして行きたい。

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▼こちらの下部に分厚い164ページに及ぶPDF(A3で84頁)があるのだが、泉代表が政調会長として編纂されたので泉さんの頭の中はこのようになっている。というか、ヒアリングや各部会で出てきたことが全部書いてある感じです。
https://cdp-japan.jp/news/20211014_2344

参議院選挙の対策、という意味ではないですが、選挙制度・若者政治参加等の政策は、冊子「立憲民主党政策集2021」の「選挙・政治改革30-32 頁(掲載のPDFの17-18 頁)に、細かい内容が記されています。分量が多いので重点政策のみ掲載しますが、細部の方がずっと面白いので、ぜひ全文読んでみてください。


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