鍼灸院・整骨院経営3.0【前編】

これからの鍼灸院・整骨院経営について語る上で、これまでの歴史について知ってもらいたいのでが僕なりに歴史をまとめていきます。


鍼灸院・整骨院経営の歴史

健康保険を適用して患者さんの怪我や悩みを治療してきた整骨院や鍼灸院(以降「治療院」と記述)の経営をバージョン1.0(以降「1.0」と記述)とします。

これは結構長い間続いていて、僕の主観ですが今の30代後半より上の世代の鍼灸師や柔道整復師はこの1.0の甘い蜜をしっかり味わってきたのではないのでしょうか?

僕が柔道整復師を目指し地元の専門学校に通っていた頃(約10年前)は「柔道整復師になり整骨院を開業さえできれば高級外車に乗れる」と言われていました。そして実を言うと僕はこの話を鵜呑みにしてこの業界を目指しました。

今開業を目指している人や開業したばかりの人たちからすると、信じがたい話だと思いますが実際にそういった経験をした人は少なくないみたいです。

そして他にも様々な要因はありますが(その他の要因はまた機会をみて記事にします)、「よっしゃ俺も稼ぐぞ!!!」とみんなが意気込み整骨院が爆発的に増えました。2016年の時点で鍼灸院・整骨院・整体・マッサージ店などお身体を施術するお店が13万店もあると言われています。(誰か現在の店舗数を知っている人がいたら教えてください。)

この数はめちゃくちゃすごくて、どこにでもあるコンビニですら2019年現在約55000店らしいので、コンビニの2倍以上僕たちの業界は店舗があると言うことになります。

治療院経営1.0の時代は、競合も少なくお店を開業すれば待っていても、高級外車が買えてしまうほど患者さんが来ていた鍼灸院・整骨院ですが、これだけ競合他者が増えてしまってはそうもいきません。

そこで治療院経営のアップデートをする必要があり、バージョン2.0(以降「2.0」と記述)が始まります。

ここで言う治療院経営2.0とは保険治療だけでなく自費治療もする経営のことを指します。

健康保険が使える整骨院を開業すればそれだけで患者さんが集まっていた1.0の時代では正直、治療効果・治療技術云々ではなく、そこにお店があるだけでよかったんです。

わかりやすく言うと、”健康保険が客寄せパンダ”だったんです。でも、パンダ増えすぎて、パンダはどこにでもいるしそれだったら「人懐っこいパンダが見れるとこに行こう」「逆立ちするパンダを見にいきたい」となりました。

話を戻しますが「人懐っこいパンダ」や「逆立ちするパンダ」が僕らの業界でいう自費治療です。

このnoteを見てくださっている人たちは整骨院での健康保険適用治療(柔道整復術・鍼灸施術)にはたくさんの制限があることはご存知だと思います。たくさんの制限がある=できる治療が限られているということになります。

と、いうことはどこにいっても治療法・治療効果に大差がないということです。

だから、これだけ乱立している治療院の中で自分の院を選んでもらうためには競合他社との差別化をしなくてはなりません。

そこで出てきた治療が自費治療です。健康保険の制限がなく、その先生にしかできない治療法を考えて患者さんに施術をすることで、『あそこの鍼灸院には腕の良い先生がいる』とか『○○整骨院に行けばこんな症状も良くなるよ』という口コミが広がります。これが競合他社との差別化に繋がりました。

そしてこの頃から段々とホームページ(以降「HP」と記述)を作る鍼灸院や整骨院が出て来ました。逆にいうと2.0まではHPを持っている治療院は少なかったということです。

なぜ、1.0の頃はHPを持っている治療院が少なかったのでしょうか?

答えは簡単ですよね。HPに特別に載せることがなかったんです。「いやいや、時代的に持ってないだろ」という声も聞こえて来そうですがそうではありません。ついこの間、約10年前まで1.0だったんですよ。その頃にはTwitterもあったし、HPを持っている企業お店はたくさんありました。

確かに今ほど安価に高クオリティのHPを作ることは難しかったでしょうが、他業種では僕たち治療業界よりもっと早く経営のアップデートが行われていて、差別化の必要がもっと早い段階からありました。だから、今より高いお金を使い自社HPを作り他社との差別化をはかっていたのです。

それに比べて治療院経営1.0の頃は、どこの治療院でも健康保険を使い制限のある中で治療をしていたのでわざわざ高いお金を使って自社HPを持つメリットがなかったんです。

でも、治療院経営2.0の時代は健康保険の制限の外側で自費治療をして他社他店にはできない治療を売りにするようになりました。

これまでは【○○整骨院】と看板に書いておけば、それが目印になり「あそこは健康保険で治療してくれる場所」とわかってもらえていて、患者さんたちはどこに言っても同じだから家の近くの整骨院に行けばいいとなっていました。

しかし、2.0時代は「うちにしかできない治療法」を売りにしているので『他社とは違うよ』と患者さんたちに伝えなければなりません。

ここ10年くらいでネットが発達してスマホが広く使われるようになり、みんな簡単にネットでより良い情報をゲットできるようになりました。だからこそ自社HPを作り「他には真似できない○○治療法」や「当院は△△専門治療院です」などの文言を打ち出して集客するようになりました。

すると患者さんたちは、『私が長年悩んでいた腰痛が○○鍼灸院で△△治療で治ったよ』という口コミを広げてくれます。こういう口コミは広がるのが早くすごい勢いで患者さんが集まります。

あと治療院経営2.1というのもあります。2.1は独自の自費治療を早くに取り入れ、患者さんの口コミをゲットしてたくさん患者さんを集客できた治療院や先生がその独自の自費治療をセミナーや書籍などで教えることで収入を得る経営方法です。

2019年8月現在では「美容鍼」という施術は効果の差が多少はあるもののどこの治療院でも受けれるようになりました。でも数年前までは「美容鍼」という施術は特別な技術だと思われていて、セミナーに大金を払い技術を手に入れる時代がありました。

周りよりちょっとした気づきや発見が早かった治療院や先生はセミナーや書籍で莫大な資金を手に入れています。

セミナーで手に入れた技術をたくさんの治療院がメニューに導入して1.0時代と同じように結局どこに行っても同じ治療が受けれるようになりました。

ただ、一つ1.0時代と2.0時代の違いがあります。店舗数が爆発的に増えてしまったことにより「廃業」がありえるということです。

これまでは開業すれば高級外車に乗れていましたが、今では開業するのは簡単だけど、継続的に運営することが困難な時代になっています。

1.0時代の客寄せパンダは「保険治療」と【○○整骨院】という看板で、これが溢れてしまい2.0時代になりました。

2.0時代の客寄せパンダは「自費治療」と【○○治療法】などが書かれたHPです。どう考えてもこの客寄せパンダはめちゃくちゃいますよね。ネット上にゴロゴロ転がっていますよね。

と、いうことは2.0からアップデートして3.0時代に突入しなくてはいけないのではないでしょうか。

バージョンが1.0から2.0になったように2.0から3.0にならなくては生き残れないと思います。では、治療院経営3.0とはどういった時代なのか。どうならなくてはいけないのか。僕なりに考えていきます。


治療院経営3.0時代 中編】をご覧ください。

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もんじゃる松木@鍼灸院経営3.0

初めまして。岡山県でもんじゃる鍼灸整骨院と美容鍼サロンre:st【レスト】を運営している、株式会社MONJARUの松木貴寛とです。このnoteでは鍼灸院経営で大切にしていることや鍼灸師・鍼灸院のあり方について日々考えていることを気づいたことを書いていきます。
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