親父は僕を愛してた。でも僕は親父が嫌いだった。
親父は仕事人間だった。
そして典型的な昭和の頑固親父だった。
ほとんど家にいることはなく
たまに顔をあわせても
長時間正座をさせられ
勉強の話か精神論の話…。
まれにキャッチボールなんかを
やってくれることもあったけど
上手く捕球できなきれば
ぶん殴られたし
家族で外食をしたって
メニューは強制的に
親父に決められた。
平日に僕らが寝る前に
親父の車のエンジン音が聞こえると
憂鬱な気分になった。
僕は親父が嫌いだった。
そんな気持ちを察することもなく
自分の気持ち