「色の歳時記」‐色で見るラ・ラ・ランド
今晩は。
添 実のりです。
2022年6月から始まった
私がパーソナリティを務める番組『色の歳時記』。
今年は、カラーセラピストとしての一面をクローズアップして、
「色のおはなし」パートを拡大することに。
色の意味をかみ砕くだけでなく、
リスナーの皆さんと一緒にイメージできるものにしたい、ということで、
映画やドラマ、キャラクターなどの場面や衣装の色を題材に
お話しするよう内容を変更しました。
*
第1回は、私の大好きな映画『ラ・ラ・ランド』。
女優の卵ミアの成功物語&セバスチャンとのラブストーリー。
➀青:気分はブルー
シーン:オーディション~セレブパーティ
衣装:オーディション時、ルームウエア、セレブパーティでのドレス。
気分が落ち込んだとき「ブルー」という言葉を使います。
パーティーも気晴らしにはならず、
セバスチャンのピアノに惹かれて声をかけるのだけどガン無視され、
まさにブルーな心境のミア。
映画冒頭のオーディションでの失敗、気分展開後の自宅の服。
そしてパーティ。すべてにおいてブルーなのです。
②黄色:茶目っ気、ワクワク感。
シーン:セバスチャンとの予期せぬ出会い、プールパーティ。
プールサイドでの昼のパーティに呼ばれたミア。
太陽のような黄色のドレスで登場。
セバスチャンに再会し、ふと思い立って先日の仕返し。
このときのミアのドレス=黄色は茶目っ気。
セバスチャンにちょっと意地悪な曲のリクエストをすることで、
先日ガン無視されたことへの、かわいい仕返しをするのです。
また黄色にはワクワク感(期待)という意味もあることから、
これから始まる2人の関係性への期待感が感じられます。
③白:リセット
シーン:2人の初デート
衣装:白いシャツの2人
セバスチャンがミアのバイト先を訪ねて初デート。
お互い失礼なことをしたけれど、水に流して距離を縮めていきます。
この“水に流す”=リセットが白で表れていますね。
④赤:集中
シーン:セバスチャンとミアが重ねるデート
衣装:連続して見える赤い服
デートを重ねるミアとセバスチャン。
この時期、ミアは赤い服ばかり着ています。
恋愛初期=ピンク?と思いがちですが、
短期間に2人が急速に惹かれ合い、のめり込んでいく様子が
ミアの赤い服によって、
セリフもないシーンでの無言の説明となっています。
⑤緑:出過ぎず引き込み過ぎず
シーン:とある会食
衣装:会食に来ていったドレス
じつは、ミアには付き合い始めたばかりの彼氏がいて、
彼氏の兄夫婦との会食が設定されていました。
ドタキャンするわけにもいかず、
落ち着かないミアが会食用に選んだドレスが深緑色でした。
自分自身の心を落ち着かせること、
そして集う人と適度な関係性を保ちながら自分を主張しすぎない。
会食というイベントを穏便に終えたかったのでしょうね。
(実際の会食では、穏便どころか正反対ですが…)
*
私の番組では、こんな感じで
ラストの場面までお話させていただきました。
あ! もう1つだけ語らせてください。
⑥最後のシーン。
成功した女優・ミアとセバスチャンはジャズクラブで再会。
フォーマルの場に行くはずだったミアはブラックのドレス。
ジャズクラブのオーナーとして舞台に立っていたセバスチャンは
薄茶のスーツ。
この色の違いが面白いの!
クラブを立ち去る際、ミアとセバスチャンは
一瞬だけ目を合わせます(あ、言っちゃった)。
その2人の感情が、
まさに黒と茶色の違いに現れているんです。
…というのは、
黒は自然界に存在しない色、
ある意味で白と同じくリセットを表します。
ミアはセバスチャンの演奏中、
彼と結婚していたら…と走馬灯のように想像します。
一方のセバスチャンは、
店のロゴ/曲目など今でも
ミアとの思い出を大事にしていることが重く感じ取れます。
二人が別れるシーン。
店の入り口で一瞬振り返るミア。
そこに目を合わせたセバスチャン。
二人の<目>が語る心情…もう私は泣かずに観られないのですが。
ミアは黒のドレス。
対するセバスチャンのスーツは自然界にある茶という色。
引きずられる思いもありながら、
意識的に区切りをつけて現実の世界に戻るミアに対し、
ずっとひきづっていた思いを癒しきれないセバスチャンの、
心の対比も胸詰まる思いです。
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ラジオリスナーの方からも
「もう一度色を意識して映画を見たい」など好評いただき、
番組リニューアルとしては幸先よい滑り出しとなりました。
私の血や肉になった色の知をシェアできて楽しかった。
次回の配信。
気づけば今週でした💦
テーマは…あるアニメキャラに決めています😊
それでは、また。