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唇のケアにはどっち? リップVSワセリン

「先輩、唇キレイですよね」

後輩に褒められたことがある。純粋に嬉しかったので、ありがとうと返しておいた。

「リップマスクとかしてるんですか? それとも、変わったリップクリーム使ってるとか?」

「いや、黒河さんのことだから、大したことはしてないでしょ」

私の性質によく通じた後輩が、茶々を入れた。最初に質問してくれた後輩の方がたしなめるように彼女をにらみつけたけど、私は笑った。

「ご名答。そんな大したことはしてないよ」

興味津々な後輩たちに、私は500円で大容量のチューブを見せた。

「ワセリン塗ってるだけ」


1.唇は内膜

唇は口腔内の内膜が外向きにべろりとひっくり返ってる状態だと言われている。

腕や足の皮膚と違って、むき出しの肉まで薄皮一枚みたいな状態らしい。

そりゃあ、リップを塗っても塗ってもはがれるし、すぐにカサカサにもなるだろう。

秋冬用の保湿商材で最初に動き始めるのは、リップクリーム。ハンドクリームやボディクリームよりも先に、売れ行きが良くなりだす。まあ、夏場も使ってる人は多いんだけど。

基本的に、リップクリームはこまめに塗るのが重要。

さっきも言ったように、腕や足の皮膚と違ってもっと繊細でバリアが少ない箇所なので、そもそもリップの油分やバリアをそこに留めておく力も弱い。

加えて、リップクリームは基本的にやわらかくできている。

唇はちょっとしたことでめちゃくちゃ動く。その動きについていくために、リップクリームの保湿剤は柔軟さを求められる。大口開けて笑ってマシンガントークして大忙しの唇に、しっかりついていけるように。フォローの得意なサポート役みたいに。

そういうわけで、リップクリームはちょっとした条件ではがれてしまう。

パートナーとキスしても、飲み食いしても、おしゃべりに興じてるだけでも、ちょっと顔を洗ったり口をゆすぐだけでも!

まあでも、繊細で柔らかい内膜と地続きになっている唇に、ガチガチに固まるリップがこびりついても困るし、柔らかい方がありがたい。持ちがいいに越したことはないけど。


2.傷ができてしまった場所に化粧品はよくない

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