「鉄道ブーム」と言っても

 少し落ち着いた感じもするのだが、「鉄道ブーム」と言われた事があった。
 実際にはどうなのだろうか? どうもちょっと違う気がするのだ。

 一つは、実態は「マニア観察ブーム」じゃないかと思うのだ。「ブラタモリ」が面白いのは、観察しているのがタモリだから面白いのであって、それをまた視聴者として観察しているから面白いじゃないか。
 鉄道だってそうで、タモリ倶楽部の鉄道回もそうだが、カメラマンの中井さんとか、鉄道芸人が解説している所が面白いのだ。
 多分このマニア観察の流行りは、鉄道関連では「鉄子の旅」あたりから始まっていると思う。そういえば「特急田中3号」なんてドラマもあったな。
 SUPER BELL"Z(変換で出るんだ)みたいに「鉄道をネタにした芸」というのも、結局「日常で見知っているもの」をネタにしたモノを見ているから面白いのであって、鉄道の見方が変わるというものではないだろう。

 もう一つ、マニアが増えたように見えるが、単に活動が活発になっただけではないか。つまり新車が出たり古い車両が引退したりというのが、今の時期に活発に行われているというだけじゃないのか。
 特に最近は「国鉄型」あるいは私鉄でも「ブルートレインブーム」期に活躍したりデビューした車両も引退している。こうなると数の多い「その世代」が思い出したように活動するから、全体が多く見える。
 しばらく離れていたけれど、あれが無くなるならと動いたりする訳だ。その後はどうするか判らないが。

 一方、スマホのカメラの高性能化もあって、写真が好きになり、被写体として新たに鉄道を撮るという人や、歳をとってカメラを始め、鉄道を撮ろうという人はいるようである。ただ、「写真趣味」が即「鉄道趣味」と言えるかは判らない。
 よく判らないのが「路線擬人化」の流行だが、これはたまたまカップリングを楽しむ同人誌の人達が「鉄道」を題材にしているというだけだろう。「萌え」などにも感じるが、擬人化したキャラの人気であって、鉄道そのものの人気とは違う気がする。

 とはいえ、鉄道会社も普通の人が買っても楽しめるグッズ類を充実させたりしている。これは「ブーム」なんていう一過性なもので終わらず、定着してほしいものだ。

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