コミック鉄ちゃん

拙ブログ「俗世界の車窓から」過去の記事より

 先に言っておきますが、ここの文章は評論、ガイドとしては役に立ちません。自分の目で確かめ、自分で評価してください。
 個人的な気持ちとしては嘘偽りはありません。

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 昨今、鉄道書籍の隆盛は玉石混交とはいえすごいものがあり、もはや本に写真の載っていない鉄道を探すのは至難の業と言って間違いないでしょう。

 反面、人生が「まだ見ぬ鉄路を求める旅」になってしまった人間にとっては、「俺の(そしてテレビに出ているレベルのマニアの誰もが)知らない鉄道が、見たこともない鉄道車両が、とんでもない所を走っている線路が、この世(できれば日本)のどこかにあるハズだ! それを絶対撮ってやる!」という「人生唯一の目標」が、ひょっとしてかなわないんじゃないかとうすうす思って絶望しかけたりもするんですけどね。ええ、かと言って台湾の鉄道もまた書籍が結構出ているんだよなあ。片倉さんや街猫さんの知らない台湾の鉄道を見つけたいって気持ちはありますが、情熱が足りません。
 ミャンマーの鉄道とか北朝鮮の鉄道とか、地の果て(失礼か)まで行く人が普通にいる時代です。最初は「なんでそこまで」って思っていたけど今は判ります。ホントに「知らない鉄道」がないんだもん。


 さてこうなると「マンガ」、「コミック」です。破天荒なスーパートレイン(もちろん緻密な描写だけど実在しない)が犯罪に巻き込まれこれまた破天荒な鉄道公安官が解決を・・・とか、民家の間をぬって走る鉄道(江ノ電より数段ゆるい)沿線で小さいこいのぼりを無くした子供がオチで「あ、あそこに」と電車に引っかかって空をなびいているのを見つけるとか、工事現場の仮設鉄道に入り込んでしまった少年たちが最初は怒られるんだけど「監督には黙っておく」とか撮影を許されるとか、牛が「機関車」になっているのどかな鉄道とか、対岸の島に渡る為だけで他の線路とつながっていない鉄道と高速道路の建設をからめた話とか、マンガならではコミックならではの「鉄道表現」があるはずです。

 さて、そんな「鉄道を舞台にした作品」が楽しめると期待して買った「COMIC鉄ちゃん」、版元の「辰巳出版」さんは、「写真集の少女」のジャンルではよく聞いた名前ですが、別ジャンルからこの現状をひっくり返してくれるというのはよくある事なのでこれまた期待です。

 そして内容、どの作品も落とし方もさすが! さすがってお前普段プロの描いたマンガ読まねえだろってのは置いておいて。

 印象に残ったのは「バイトる駅長ちゃん」。「ネコ駅長」から話をふくらませ、秘境駅マニアも登場します。

 コモアしおつは「こういう場所」に色々行くようになったの最初の頃に行っているんだよなあとは思ったけど、実際行くとそんなに面白くなかったなあ。最近そういう所も行ってないなあと思ったり。今、韓国で探していますが言葉の問題が。

 いや、その、
 泣いていいですか?
(先に想像したような作品は全くありませんでした)


 マンガは、まあいいんですけど(どうしても「個人的な好み」の話になってしまいますね。もっと「特定の舞台が読み取れない作品が見たい!!!!!!!!!」)、「鉄ちゃん」って、ひょっとして出版社の人からは「知識が無い」ように思われているんじゃないかなって、ふと思ったんですよ。そんな事無いですよね。いまさら言われなくたって、「ななつ星」知ってますよね。「E7系」知ってますよね。せっかくのカラーページ、「鉄道雑誌、旅行雑誌がなんぼのもんだ!うちにしか取材できないネタはこれじゃー!これの詳しい情報は知らんだろー!」というものに割けないんでしょうか。お願いしますよ。

 ハンガリーの鉄道は詳しくは知りませんが、この写真/文章は「きくち電車クラブ」での知り合いで、一緒に八高線撮った事ある人だし(ものぐさ太郎です、ごぶさたいたしております)。誕生日は知りませんでしたけど、一回りぐらい上の方だとばかり思っておりました。

 さて、「鉄道の趣味」として何をやるかを探す旅はまだまだ続きそうです。

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 あとで他の鉄道関係の知り合いが指摘していたのは、「阪急電車」人気からの企画だったんじゃないの? という事で、なんか言い得て妙です。
 いわゆる「○○警察」を意識して炎上を防ぐと、こうなっちゃうのかな。
 担当者のプレゼン能力だけはすごく高いんだろうと思いました。

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