子供むけ鉄道本から考える

「子供向け鉄道本がなぜ判りやすいと感じたか」は結構深いテーマだと思う。いや、実際にはコロタン文庫など「判りやすい」訳じゃないんだけど、「判りやすく感じる」は確かなんだよな。

 写真やイラストを主体にして「よくみるアレは○○系って言うんだ」という理解させ方にしたというのもある。一見「機関車と電車」とか「鉄道会社」で章立てているように見えるけど、実際はパラ見だけで結構楽しめる構成なのだ。

 そもそも「判りやすい文章」を自分自身求めていたかって言うと、違うと思う。「東海道線」とか「寝台特急」とか「貨物列車」とか「岳南鉄道」は知っていたけど、これを章題にしなくてもパラ見していて○○があったっていう見方だった。
逆に文章を読ませて理解させるのは初心者に難しいかも知れない。

 国鉄東海道線(車両は113系)と静鉄(車両は1000系)を並べて載せて、違いはこうです(停車駅等)、こういう種類の私鉄はなんとかと言ってと書いていくのも判りやすいと思う。ただ、食い付きやすさみたいなのは判らない。

 同じ子供向け本でもコロタン(全百科)がいい、ケイブンシャ(大百科)がいいっていう好みはあったと思う。自分はコロタン派で、やっぱりシリーズで題材が被ってないとか、文章より載っている形式の多さで見せるとか(写真自体の出来はケイブンシャはいいと思った)、鉄道から脱線しなかったのも良かった

 こういう方向性から、その後はヤマケイのレイルシリーズに進んだ。大判の写真で色々なジャンルが見られるから。ただ、やっぱりそこで廣田さんが得意とする地方の鉄道とか、人物と鉄道の写ってる写真に傾いてしまったなという気持ちはある。

ただ「画」から入ってしまうと、同人誌でやるときに戸惑うんだよな。もちろんプロのカメラマンとの腕の差ももちろんだが、コピー本の図版(写真の場合ね)はちょっと、再現性イマイチだったりするから。コピーも昔よりかなり良くなったとは言え。

 グラフ記事を中心に展開して、文章はあまり深刻にしないと取っつきやすいが、これは「鉄道ファン」でもやっていた事だな。

 この「深刻」ってのは1970年代の一時期の「鉄道ジャーナル」がそうで、鉄道趣味の雑誌というより「公共交通の在り方論」とかそんなのが前面に出ていて取っ付きにくかった。鉄道の写真を撮る人間のマナーが問題になった時には、「鉄道の写真なんか撮るな」とか書いてあったんだから、たまったもんじゃない。

 添えてある文章、最初はろくに読んでないってのもそれはそれでいいと思う。広告写真の横の英文を読んでいる人がろくにいないというのと、なんか似てるかもしれない。

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