架空鉄道の考えについて

「せっかくの架空鉄道なのにつまらないものがある」という話が雀兄から出た。

 しかしそれは「架空鉄道」というより「心象鉄道」なんじゃないかなと思うのだ。世代によって「蒸気機関車のいた頃の北の炭鉱鉄道」だったり「冷房が入る前の地方鉄道」だったり「ステンレス化する前の都市交通」だったりするだけなのだろう。だから現実に似る。

 かつて鉄道模型趣味誌に掲載された武蔵野急行電鉄や湘南交通といった架空の鉄道車両は、現実世界の最先端か少し先を行っていた。
 武蔵野急行電鉄の頃は大手私鉄以外でなかなかステンレス車にお目にかかる事ができなかったし、湘南交通の姿は京王(旧)5000のようで、今現在の地方私鉄を思わせる。

 これより前となると鉄道模型趣味誌に車両デザインのコンクールがあり、一歩先の鉄道車両を考える試みが行われていた。海外の例のパクリじゃねえかというのもあったのだが。

 また「ぼくの考えたすごい電車」的なものは多くの人が描いただろうし、「大磯急行」さんなど、傑作の特急車を産み出している。水野良太郎さんの描く架空LRTもこの流れの先にあるものだと思う。

 架空の鉄道、心象風景なんだけど、やっぱり一つぐらい「ありそうで発展しなかった」というのも混ぜたら面白いと思う。
 軽量車体の初期みたいなリブがあってHゴムで上窓固定とか、定山渓にいたみたいなステンレス風鋼製車とか。
 確かに知識が増えると「近鉄系以外なかなかシュリーレンが使いにくい」とか、問題も出てくるのだが。

 今の現実の鉄道は、特に私鉄電車は何も知らなければ架空鉄道に見える。都営新宿線も東武東上線も架空っぽい。
 泉北など前からそうだし、静鉄も架空っぼくなってきた。

 実物こそ一番の自由である。

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同人誌サークル「かんきゅう舎」代表。「Spファイル」「UFO手帖」参加者。台湾のオート三輪「鐵牛車」の他、ブルートレインブーム、文化的側面からの空飛ぶ円盤など研究しています。
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