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「Da-iCE music Lab」を振り返る

2022年2月から7月まで日本テレビで放送されたDa-iCE初の地上波冠番組

「Da-iCE music Lab」



毎回ゲストを呼び
そのゲストに沿ったテーマでトークし、
Da-iCEにインストールしていく
というコンセプトの番組。


この番組1番の目玉が
ゲストとのコラボパフォーマンスだ。

今回のnoteでは
コラボパフォーマンスを中心に
「Da-iCE music Lab」を振り返りながら
Da-iCEの凄さを深掘りしていきたいと思う。


1.ダンス&ボーカルで生きる者たち

全19回の中でダンス&ボーカルの形態で活動しているゲストは7組

・JO1
・三浦大知
・BE:FIRST
・DA PUMP
・宇野実彩子
・INI
・GENIC
(出演順、敬称略)


新人からベテランまで様々なゲストが来たが

その中でも特に印象深いのが
三浦大知ゲスト回での「Cry & Fight」



日本のダンス&ボーカル界でトップクラスのスキルを持つ三浦大知さん

初めてMUSIC STATIONに出演した際に
パフォーマンスした楽曲がこの「Cry & Fight」


そもそも、
三浦大知さんがダンスや歌でコラボする姿は度々見てきたが
"ダンス&ボーカル"として歌とダンスどちらもで男性アーティストがコラボするのは見たことが無かった。


この夢のようなコラボが実現したのは
Da-iCEの三浦大知さんリスペクトの熱量の高さと
それに真摯に応える三浦大知さんの懐の深さ
があったからだろう。



以前、出演したMUSIC BLOODという番組で
Da-iCEが尊敬する人として名前をあげた1人が
三浦大知さんだった。

ダンススキルの高さは勿論のこと、
様々なダンサーをチェックしているアンテナの高さなど
"三浦大知の凄さ"をMCを置き去りにしながら語っていたりと

事ある毎にその凄さを熱弁しており
リスペクトを感じる場面が多々ある。



そして、今回のコラボに向けて
三浦大知さん自ら振り入れしたという。


大抵この手のコラボの振り入れは
振付師本人を呼ぶのも難しく
普段その人達のトラをやってる方などが教えるパターンが多い。


「Cry & Fight」は三浦大知さん本人が振り付けしているという事もあるが、

Da-iCEのために6時間以上の時間を割いて
振り入れを行うのは
三浦大知さんの寛大さと本気度が窺える。



2組が同じ姿勢で向き合ったからこそ
あのパフォーマンスがあったのだと分かる。


2.楽曲提供から繋がる縁

Da-iCEに楽曲提供をしたゲストは2組

・BLUE ENCOUNT
・内澤崇仁 (androp)
(出演順、敬称略)


この2組は、
それまでの楽曲提供者の中でも特に関わりが深いアーティストだ。



BLUE ENCOUNTからの楽曲提供はそもそも
ボーカル・ギターの田邊駿一さんと
リーダー工藤大輝がプライベートで仲が良く
そこから共作することになり、

番組ではBLUE ENCOUNTの演奏で
ボーカル3人で提供曲の「Revolver」を披露。


その後もDa-iCE主催のツーマンツアーの開幕2日間出演している。



内澤崇仁さんはDa-iCEに2曲も楽曲提供をしているがどちらの曲も何かしらの形でコラボしてくださっている。


1曲目の「Love Song」では
リリックビデオに内澤さん本人が出演していたり、
THE FIRST TAKEでのパフォーマンスに
ギターとコーラスで参加している。

2曲目の「Sweet Day」を
番組コラボで3人で歌唱。



提供者本人バージョンなんて
セルフカバーをリリースするかデモを公開しない限りそうそう聴くことはできないが、

それがコラボという形で披露されるなんて
滅多に無いので

"テレビだから出来た事"だったと思う。


3.番組から繋がる縁

ここまでは同志やDa-iCEと交流があった者
について取り上げてきたが、

全く接点が無い者同士とのコラボも
"テレビ番組である醍醐味"なので必見だ。


元々の交流が無かったゲストは4組

・MY FIRST STORY
・ローカルカンピオーネ
・Novelbright
・CHEMISTRY
(出演順、敬称略)


MY FIRST STORYはボーカルのHiroさんが
パフォーマー岩岡徹と交友関係があったり、
CHEMISTRYの川畑要さんと堂珍嘉邦さんが
Da-iCEのボーカルとそれぞれ仕事したことがあったりと

個々での交流はあるが
グループとしては無かった。



しかし、番組コラボ以降に

MY FIRST STORYのHiroさんとは
花村想太がボーカルを務めるUPSTARTでコラボ。

ローカルカンピオーネさんには
スターマインのTikTok用ダンスを制作依頼。

Novelbrightの竹中雄大さんは
フェスで度々スターマインの茶番に参加。

CHEMISTRYさんは
ボーカル2人とコラボ楽曲をリリース。


テレビ番組だからこそ実現したダンス&ボーカルでない者達との異色コラボが

番組外での新たな縁を作った。


4.女性アイドルとのコラボで広がる可能性

女性アイドルグループのゲストは2組

・モーニング娘。'22
・AKB48
(出演順、敬称略)


女性アイドルの楽曲を原キーのままコラボすること自体
かなりの技量が無いと出来ないのだが

特に
AKB48さんの「根も葉もRumor」は
彼等の今後の活動の可能性を広げるコラボになった。



以前インタビューで、
パフォーマーの和田颯は

〜前略〜
ボーカルは声で魅せられますが、ダンスでそれをするのが僕の目指すところ。ぶっちゃけ、振り付けを見せるのは誰でもできると思います。そうじゃなく、僕は“ダンスしてます”っていうのを見せたいし、そういうパフォーマンスをしたいです

オールドスクールとかロック、ポップ、ハウス…勝負曲では難しいかもしれないけれど、今のDa-iCEならちょっと遊びを入れて幅を広げるのも楽しいかもしれませんね

https://ananweb.jp/news/405728/

と答えている。


しかし、
これを実現させるにはかなりの壁があった。

それは
ボーカル2人が
"振り付け"ではなく"ダンス"を踊りながら歌えるのかということ。


Da-iCEを組んだ時点では
花村想太はダンス初心者(歴2年ほど)
大野雄大はダンス未経験者

結成当初の様子を知るs**t kingzのOguriさんは
インタビューで

僕の最初の頃の印象……2人とも、踊れるってイメージはなかったです。

https://realsound.jp/2019/06/post-372551.html

と、ド直球に答えている。


ただ、
各々の努力が実を結び
そこから数年ですっかり踊れる印象に変わっている。


10年以上活動していて
歌って踊ってが当たり前になっている2人に
今更
「踊れるようになって凄いですね」
なんて言うのは逆に失礼だとは思うが、
それでもここまでの上達ぶりは目を見張る。

しかし、本人が明確に
「これだけ活動しているから振り付けは踊れても、基礎がそこまで無いからダンスは踊れない・フリーで踊るのは難しい」
と発言していたことがある。


この発言を聞いていたからこそ、
Da-iCEがオールドスクールをやるには
壁が相当高いと思っていた。


そんな壁をぶち壊したのが
あのコラボだった。


「根も葉もRumor」は
終始ロッキンで構成された振り付けになっていて(間奏はタット)
特にサビはウィッチウェイで
小刻みに飛びながら歌うことになる。

Da-iCEの楽曲では有り得ない振り付けだ。



コラボだから挑戦できたダンス

挑戦してみたことで
彼等の中の選択肢が増え、

その結果
「ナイモノネダリ」という楽曲では
ハウスとロッキンを取り入れている。


実際に「ナイモノネダリ」のインタビューでは
こう答えている。

工藤:踊っていて楽しいですね。昔はロッキンやハウスを踊りながらのボーカルは、体が動きすぎるので難しいとか、色々制限があったんですけど、最近はコツがわかってきたというか。「こういう節回しだったら(動きながらでも)味になる」みたいな引き出しが増えたことで、10年前の僕らだったら選択肢に入らなかったパフォーマンスが、ちゃんとできるようになったことは感慨深いです。

花村:それはきっと、レギュラー番組『Da-iCE music Lab』をできたことが大きいかもしれないです。DA PUMPさんと一緒に踊ったり、AKB48さんとロッキンをやったりしたことで、自分たちの中のスキルが上がったうえに、やりたいことのハードルも下がったというか。それに、パフォーマーが映える曲はやっぱりいいなと思います。いろんなダンスの要素を経験してきた3人だからこそできることだなと。

https://www.billboard-japan.com/special/detail/4164

番組後のアウトプット

先述したが、
「Da-iCE music Lab」は
毎回ゲストを呼び
そのゲストに沿ったテーマでトークし、
Da-iCEにインストールしていく
というコンセプトの番組。

Da-iCEは見事に
番組でインストールしたことを
その後のアウトプットに繋げた。


avex会長ゲストの回が無ければ
あそこまでダブルミーニングで皮肉が込められた楽曲
「スターマイン」は出来ていなかったかもしれないし、

ダンス&ボーカル以外のアーティストと
ここまで交流を築くことも無かったかもしれない。

自分達の楽曲でハウスやロッキンに挑戦することも無かったかもしれない。




これは
地上波の冠番組を音楽番組にしたからこそ。

バラエティ番組は作ろうと思えば
特典映像やテレビ以外で何かしらのプラットフォームでいくらでも作れてしまう。


しかし、音楽番組。

更に言えば、
アーティスト同士のコラボはテレビの力を借りないと出来ない。


条件の揃った最高の舞台で
毎回素晴らしいパフォーマンスが完成したのは
Da-iCEの技量があったからだ。



取材記事や裏側密着映像を見るに
music Labの収録は基本3本撮り
(番組公式ゲームのイベントが入ると2本撮り)

つまり
3組分のコラボパフォーマンスのリハを
大体3週間以内に全て行う。


歌のみのコラボもあるが
新たに振り入れする曲や久しぶりに振り起こしする曲、コラボ用に構成が変わる曲など

1クールだけでもホスト側の負担が大きいことが分かる。



それでも
全パフォーマンスをあのクオリティにまで引き上げたDa-iCEの凄さは
もっと世間に広まって欲しい。




あれから2年

2024年2月7日から
「Da-iCE Lab」として帰ってくる。

ダンス&ボーカルも
楽曲提供者も
女性アイドルも
接点の無いアーティストも
まだまだコラボしていない人達がいる。


2年前の「Da-iCE music Lab」では
コロナ禍による収録のスタジオ人数制限などもあり
収録時期によってゲスト側のスタジオに入る人数も変動していた。


制限が無くなった現在
ダンス&ボーカルとのコラボは出来るだけ
Da-iCEの5人で見たい。

接点の無いアーティストとの異色コラボを沢山
見たい。


などなど、
願望を挙げたらキリが無いが
1番の願いは

"テレビだからこそ出来る"を
存分に発揮して欲しい。



そして、
番組が終わった後
アーティストから得た刺激がDa-iCEに還元され
また更に磨かれたパフォーマンスを見る日が来ることが

何よりも楽しみだ。





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