3rd.アルバム『Animo』制作スタッフ紹介

いままで大半の制作をひとりで行ってきたのですが、ここ数年はそれに限界を感じていました。『Animo』を制作するにあたっての目標のひとつとして「自分以外の感性を取り入れ、ひとりでは成し得ないものを作りたい!」というものがありました。なので、今回は僕が信頼を寄せる各分野のプロの方々にご協力いただき、果たして想像以上のものに仕上がったことを大変嬉しく思っています!というワケで、感謝の意を込めてスタッフ紹介をさせていただきます。

以下、敬称略。

佐藤恵梨奈(Vn.) 数年前「キミ 想フ ヨルニ」のPVを制作したときに出演(演奏録音はしていません)していただいたのがきっかけでお知り合いになり、いつか演奏していただきたいなと思っていました。繊細かつ大胆な演奏が魅力的です。色で言うと赤いイメージがありますね。今回のレコーディングでは現場でアレンジの提案なんかもしていただき、その場で変更していったりと、他の音楽家と一緒に音楽を作り上げる醍醐味を味わわせてもらいました。「ふてぶてしい猫のためのオスティナート」では高音域でのピアニシモによる持続音や猫の鳴き声を模したフレーズなどで結構苦労をかけてしまいましたが、さすがの腕前、見事に演奏し切っていただき感激しております!

福井 綾(Vc.) 今回のレコーディングにあたり佐藤さんにご紹介いただきました。僕はアンサンブル経験が薄い上に初対面ということでちょっと緊張していたのですが、それは杞憂に終わりましたね。弦楽器の中でもチェロという楽器が特に好きな僕なので「the quiet doll painted in gray」でもチェロのフレーズにはかなり感情の比重を置いて書いたのですが、思い描いていた以上にエモーショナルな演奏をしていただけて、結果、一番のお気に入り曲となりました!録音時はピアノのすぐ横で演奏していただいたのですが、今回僕が弾いたベーゼンドルファーというピアノは音の飛び方が他のピアノと違うので、自分の音がかき消されずにちゃんと聴こえて演奏しやすいと言っていたのが印象的でした。楽器の面から見るアンサンブルの奥深さを知りましたね。

筒井一貴(Pf.) 類まれな個性を放つ古典鍵盤楽器奏者。今回のアルバム制作における功労賞をあげたい方(笑)2007年に制作した1st.アルバム『flower drips』の時に知り合って以降、親交を深めてまいりました。今回、演奏で参加していただいたのは「voyage」の1曲だけですが、裏では演奏家用の譜面作成のアドバイスやら、一緒に山籠りレコーディング合宿してもらうやら、いろいろと尽力していただきました。そもそも、このアルバムで1曲弾いてもらおうと思ったのも、彼が僕の曲を演奏しているのを聴いて「なるほど、こういう表現の仕方もあるのか。自分以外が弾く自分の曲って面白いな!」と思ったのがきっかけ。なので、今回の依頼では譜面だけでどこまで作曲意図が伝わるか・・・という個人的チャレンジでもありました。結果、その驚くべき読譜力を目の当たりにすることになるという(笑)僕の音楽の佳き理解者。多謝!!

名取孝浩(Piano Tuner) 本作前半のホール録音曲におけるピアノ調律を担当していただきました。やはり2007年の『flower drips』で調律をしていただいて以降、ピアノの録音ではいつも調律をしていただいてます。調律だけでなく、さりげなく演奏家のメンタル面でのサポートをしてくれたりと、現場では守護神的な存在ですね(笑)その調律に関しても、弦とのアンサンブル時とピアノソロ時とでは調律を少し変えてくれたりなど、きめ細かな音楽的な配慮がなされていて感服します。曰く「弦とやるときは、調律をきっちり合わせ過ぎない方が良い」らしいです。ピアノのピッチをごく僅かに滲ませることで、弦楽器との響きの馴染みを良くする・・・ということなのでしょうか?とにかく、毎回いろいろと勉強させていただいてます。また、ことあるごとにいろいろなチャンスをくださり、大変感謝しております!

山内 敦(Piano Tuner) 後半の山籠り録音曲の調律を担当していただきました。この録音に使ったピアノは、チェコのペトロフというメーカーのアップライトピアノなんですが、山内さんはこのペトロフを専門に扱うお店、ピアノプレップを経営されています。このペトロフというピアノ、決して派手ではないけれど、寄り添うような木の響きがすごく印象的。作曲のお供にこういうピアノが欲しいなと本気で思いましたね。実はペトロフのことは以前から知っていて何度が弾いたことあったのですが、山内さんが扱うペトロフはそれまでのものとはまるで違いました。それは、山内さんの理念と手腕の賜物でしょう。まずピアノのコンディションをあるべき正しい状態に整え、そこから演奏家が求めるものに調整していく。これにより、ピアノのポテンシャルを最大限に引き出しているわけですね。今回もその手腕を遺憾なく発揮していただきました!

葛巻善郎(Rec / Mix / Mastering) 葛巻さんとは不思議なご縁がありまして。名取さんからお名前を聞いたのが最初だったかな。葛巻さんが「レコーディングの教科書」という書籍を出されたと。すぐにそれを購入して勉強し、自分の仕事に活かしました。その後、いろいろな方面で葛巻さんと繋がっていることが発覚して親近感を持ったのと、音の好みに共通する部分が多いという点から、今回エンジニアリングをお願いしました。本来、葛巻さんが得意とするのは空間の響きを大切にした音作りなのですが、今回は僕の強い希望で “近い音” に仕上げていただきました。とは言え、そのサウンドには圧倒的な奥行き感があり、楽器の豊かな響きをたっぷり含んだ音作りは葛巻さんならではですね。機材のチョイスも独特で、同じようなサウンドのエンジニアは他にいないと思います。素晴らしい仕上がりに感謝です!

足立晃栄(Artwork / Cover Design) 足立さんは僕の大学時代の先輩であり、いつかコラボしたいと思っていた造形作家です。個展などで作品を見るたびに、その独特の世界観、鋭い観察眼による精緻なディテール、そして作品そのものの圧倒的な存在感に強く惹かれていきました。今回のアルバムにひっそりと込めたテーマが “日常にある生と死” だったので、これはもう足立さんに頼むしかないなと。最初は絵を描いてもらおうかと思って打診しました。画力も凄まじいことを知っていたので。でも、打合せの時に立体物で行きたいと提案していただき、その方が足立さんの個性を発揮してもらえるなと思ったので、そのようにお願いしました。そうして、このアルバムのテーマを体現した不思議なクリーチャーが誕生したというわけです。足立ワールド全開でとてもに気に入ってます!背景画も自筆で、床から背面に回り込むように設置したときにパースがつくよう計算されて描かれています。CDジャケットでは裏表紙や盤面デザインなども手がけていただきました。

他にも山籠りレコーディング合宿の場所を提供してくれた筑波工芸 来楽庵さん、ホール録音したプラザイーストの舞台担当者さん、行き詰まったときに気分転換に付き合ってくれた友人たち、そして家族・・・。こうしてたくさんの人たちと一緒に作り上げたアルバム『Animo』。その名の通り、魂(アニーモ)のこもった作品になったと思います。是非たくさんの人に聴いていただきたいですね!!

『Animo』 - iTunes Store

https://itunes.apple.com/jp/album/animo/id1137119277

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Genki Mishima

レコーディング日誌

レコーディングの様子やTIPSなどを不定期に公開していきます。
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