奇妙な日々、この世との間で

一度だけ会ったことのある人の猫が死んだ。大学の先輩が飼っていたマルチーズがこの世を去った。捨てられた犬を拾って一緒に暮らしてた前の会社の先輩の犬もこの世から行ってしまった。最近フェイスブックや、ツイッターを見るたび目にすることだ。SNSで、犬と猫が死んでいる。こういうことを偶然と言うのだろうか。ちょうど17年共にしたウチのゴムドルと、先週長い別れを交わした。病院の小さな部屋で、すごく苦しんでる様子を見ると、どうすれば良いのか全くわからない状況で、理性っていうところか、ただバカになってしまった。ごめんとか、ありがとうとか、愛してるよとか、なんの意味持たない言葉をただ言っていた。ゴムドルの気持ちをどうしても分からなくて辛いと思ったが、本当にそうだっただろう。自身がない。ただ、私の気持ちは、ただバカで、なんの役にも立たない。誰かは別れは不在が現実と同じような感覚になる時に終わると言ったが、その時期はそもそもいつだろう。不在をだきしめたい。不在と共にいたい。わがままな僕で、しばらくずっといたいと思う。時が流れ、いつかは忘れると言うのだろうが、今の私にはまだまだ、永遠に遠い話で、ただゴムドルとの時間が愛しいだけで、今日も少し涙が出てしまった。夜は涙が溢れる季節であると、ちょっとバカみたいに思う。

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