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枝元なほみさんに学ぶ

料理研究家の枝元なほみさんとのお付き合いは、2016年に遡る。当時、宮城県利府町にできた公共施設、利府町まち・ひと・しごと創造ステーションtsumikiのオープニングイベントとして枝元さんが関わる震災関連のプロジェクトのマーケットを開催したことでご縁が生まれた。私が代表を務める法人は、利府町からの業務を受託し、私自身はtsumikiのディレクターとして施設の運営やイベント等の企画に携わっていた。ちなみにマーケットの当日は私がアシスタントとして枝元さんのトークと料理のデモンストレーションをサポートした。

もちろん料理研究家として枝元さんのお名前は以前から知っていたが、それ以外の顔についてよく知らなかった。本人からいろいろお話を伺って、生活者と生産者の距離を近づける農業支援のプロジェクトや東日本大震災以降の復興の過程ではじまった「にこまるプロジェクト」など一般社団法人チームむかごの代表として社会的な活動を積極的に行っていることを知った。

その後も枝元さんとのお付き合いは続き、仙台市内で種子法に関するイベントや新しい仕事をつくる生業塾の企画などでご一緒した。東京の自宅にもお邪魔して手料理を振る舞ってもらった。なんとも贅沢な時間である。

長くNPOの業界にいた人間として、枝元さんの思い立ったら突き進む行動力、人を巻き込むコミュニケーション、ものごとをカタチにする力はとても勉強になる。草の根的な活動は、想いばかりが先行して息切れしてしまうこともあるが、枝元さんは、仕組みに想いがきちんと乗っかっている。

そんな枝元さんとこの度、新しいプロジェクトを立ち上げた。きっかけは元旦に発生した能登半島地震だ。災害が発生すると各所で義援金の募集が始まるが、もう一歩踏み込んだアクションができないか、ということで周辺のメンバーと話し合いの中から生まれた。東日本大震災で被災された方の中には当時の記憶が蘇って不安や虚無感みたいなものに苦しめられる人もいる。このプロジェクトをきっかけにつながり、集まって手を動かすことで、 気持ちが落ち着いたり、何かチカラになれるということがその人にとって小さな希望になるのかもしれない。今回のプロジェクトは能登半島地震にとどまらず、日本のどこかで災害が発生した時の拠り所として役割を果たせると良いと考えている。いつも通りの見切り発車だが、スピード感を持って動きながら変化していきたい。

「つなぐ手つむぐ手PROJECT-半径1メートルからできること」
日々の暮らしが脅かされる災害がいつ起きてもおかしくない今の日本。元旦に起きた能登の地震のあと、料理研究家の枝元なほみさんから、「すぐに私が作ったしおりを送るから、募金を集めたお礼に渡すなんてことができないかしら」というお話がありました。現在、彼女は病気療養中です。自分の体も大変な中、ただ募金を集めるだけじゃなく、自分の手から生み出されるものを添えて、感謝の気持ちとあたたかさを伝え、手の届く範囲でできることをしようとする行動力は病気をしても変わっていませんでした。
大きなことじゃなく、自分の半径1メートルのものを使って、お友達、家族、1人でだっていい。手で作ったものは、お部屋や生活をちょっとあたたかくしてくれます。
さらにこのプロジェクトでは、みんなで集まって何かを作る場を設けたいとも考えています。募金をして手を動かす。その時はぜひ能登を思い、ご参加ください。今後もしもマーケットイベントなどができたら、手にした作品やワークショップで作ったものを持ち寄って、即席展示会もいいかもしれません。
少しの行動力とアイデアで、思う気持ちをたのしくカタチにしましょう。

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