カミーノ・デ・サンティアゴ Day28
数日前、レオンを出発した
サニーと泊まりたい宿が一緒だったので 道中、各々の時間を過ごし 宿の近くのバルで再び会った。
そこにいたのはスペイン語を話すローカルのおじさん。 彼の名はミセンテ
彼がビールやレオン名物の豚の耳と豆の煮込み、エンパナーダ(具が入ったパイのようなもの)をご馳走すると頼んでくれた。
彼は英語がわからないので、私たちはフィーリングと翻訳機を使いながら会話する
ミセンテはどうやらこの近くで馬を飼っているらしく 見せてくれるとのこと。
行ってみてびっくり
そこには沢山の馬に犬 豚に鶏がいて、動物園のような場所だった。
その後ミセンテがもう一軒 地元のバルに案内してくれるとのことで、連れて行ってもらった。
私たちは翻訳機のボイス機能を使い、スペイン語を韓国語にしたり、そこから日本語にしたり 飲みながらあまりに忙しくて笑いが止まらなくなった
フィーリングで伝わるものは沢山あるけれど、言葉を学んだらもっとその人のことを知ることができるんだろう。と、最近つくづく思う。
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翌日、カラッと晴れ続けたスペインで久しぶりにどんよりとした曇り
雨が降りそうだ
その日はひたすら長い長い 休憩ポイントもバルもない道だった。
今日が曇りで涼しい日でよかった。
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夕方、何人かからオススメされていたアルベルゲに到着。
とにかく 夜ごはんが美味しいとのこと
楽しみにしていた夜ごはん、野菜は畑から採れたもの、パンは自家製
オーナーさんの想いを感じて、美味しいのはもちろん 心温まる時間だった。
オーナーさんが、今日本人の女性が短期間ここで働いてるんだよ、とロビーに来た女性を紹介してくれた
彼女の名前はまこさん
普段はシンガポールに暮らしていて、カミーノは何度か歩いているらしく、今回はこの町まで歩き ここでお手伝いをしているとのこと。
夜ご飯の準備で忙しい時間だったので、まこさんと少しだけ話し、別れた。
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朝、まこさんがブエンカミーノと言って見送りたいとわざわざ来てくれた。
まこさんに1つお願い事をしてもいいか聞かれ、聞けば、この町まで歩いてきた男性がトレッキングポールをこの宿に置いていったとのこと
彼は、コンポステーラまで向かう巡礼者に
トレッキングポールをバトンタッチして、ゴールまで連れて行って欲しい、そしてゴールの巡礼事務所にポールを置いて、また誰かにバトンして欲しいとのことだった。
そんなバトンを、まこさんからいただいた。
まこさんが、最後にまた峠越えがあるから使えると思うと、渡してくれた。
大事に使わせてもらって、また縁のある巡礼者に渡ればいいなと思います。
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まこさんにブエンカミーノ!と言ってもらい、素敵な宿を後にした
今日はサニーと共に出発
朝からサニーが、私は昨日ブラックスネイルを沢山見たんだと言ってきた。
私があまりに驚いたリアクションをしたもんだから、サニーが蛇じゃないよ、カタツムリね!と私に言う
(私がどう勘違いしているかは大体いつも伝わっている)
カタツムリがちょうどいたので、私が指をさすと、サニーがノーハウス という
どうやら、わかりやすく伝えてくれて なめくじのことだったみたいだけど(その後調べたら、なてくじはスラッグというそう)
思わずノーハウス、という言葉が笑いのツボにはまってしまった私はセイムミーと返す(私は今家がない)
そんな会話で朝から大笑いする私たち
その後も、先日別の道中出会った友人から、この先50ユーロで乗馬ができるところがあるらしい と教えてもらい、その話をサニーに5000ユーロ(80万円弱)で乗馬ができるらしいよ!
と伝える私。
(まだユーロ脳になれておらず、時々謎な発言をしております。。)
サニーがそれなら馬を買った方がいいね!と、的確なつっこみ
そしてまた大笑いする私たち
とんちんかんな事を言う私にちゃんと返してくれてありがたい限り。
サニーとは、フィーリングが合うね、とよく話している。
波長やタイミングとか 目に見えないものはこの世に沢山あるんだろう
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今日は再び夏がやってきたかのような大きな雲。強い日差し
ペースのゆっくりな私はサニーと別れて歩き、しばらく歩くと、丘の上に気になる小さな店があった。
少し、休憩することにした。サニーもオレンジジュースを飲んでいた。レオンで別れた、アンドリューもいた。
オーナーのジョスはポルトガル人で、手作りのポルトワインがあるんだと勧めてくれたので、昼間からワインを飲んでみる
少し甘くて 洗練され過ぎてないワインはとても美味しかった。
ジョスはこの土地を購入してから、少しずつ家を作りBARを作り、全て手作りで作ってきたんだと、見せてくれた。
ワインのムロもあった。(この辺りではよくムロを見る)
最近は庭にバーベキュースペースを作り、オフグリットのこの場所で友人たちと楽しんでいるらしい。
来年、おいでね!と、サニーと私に言ってくれた。
何杯か注いでくれてはサルー(スペイン語で乾杯)と乾杯したワインはドネーションで、彼が巡礼者のお守りにとポルトガルで拾った四葉のクローバーを販売していたので、買わせてもらった。
いつかまた、ここに来たいな。
ジョスの生き方が伝わる素敵な場所を後にして、しばらく歩いた。
そろそろ一息つきたいポイントで、また素敵な休憩ポイントを発見
そこには大きなテーブルに沢山のフルーツや飲み物 お菓子が用意されてて、椅子にハンモック ギターも置いてある。
オーナーはいなくて、ドネーションの箱だけがある
巡礼者の為に毎日用意してくれてるんだろう
沢山の巡礼者が、一息ついてはまたザックを背負って進んでいく
誰でも来れて、ふと立ち寄って 一息ついたり誰かと出会ったり、インスピレーションが生まれたり。そしてまたその人の道をゆく
なんだかいいなぁ すごくいいなぁと思った。
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夜、また宿で落ち合ったサニーと私は、近くのビーフシチューが美味しいと噂のお店へ
久しぶりのお米が嬉しい
最近は、サニーと乾杯する時、サニーがかんぱい、と言い、私がカンベ(韓国語で乾杯)と言う
他の巡礼者の方も、お互いの国の乾杯を言う人が多く とても素敵だなと思っている。
アストロガはチョコレートで有名な町らしく、食後に老舗のチョコレートのお店に行った。
夜の町を散歩した。最近は、朝と夜は少し冷える。
あっという間に きっと後2週間ほどでゴールだ。
今ある日々を味わっていこう。
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