遊牧民の暮らしと手作りの家
今日はひたすら移動の日
砂漠の町 メルズーガからマラケシュまで11時間
昨日チケットを買いに行こうとしたらダイレクトで行くバスは売り切れで
ワルザザートという町で一度降りて少し歩き、違うバスで向かうことにした
夜明け前に出発した
着く頃には日も暮れてるだろう
・
メルズーガでは、前回の日記に登場した モロッコで暮らしていたしょうたさんに紹介してもらった宿に予約した
夜行バスの道中予約したにも関わらず 到着した朝、宿のオーナーのハミッドがバス停まで車で迎えに来てくれた
到着した宿は、小さくてシンプルな 素朴で可愛い宿
あとで聞いた話だが この宿はハミッドが全て1人で手作りで建てたらしい
・
到着したその日の晩に 砂漠のツアーに参加した。
宿は砂漠の入り口にあり、目の前には沢山のラクダがいた
ここからラクダに乗って2時間近く
遊牧民が暮らす集落に行く
・
ラクダに乗るのは人生で2回目だ
10年間ほど前、インドのラジャスターンの砂漠に行った。
その時は1人旅ではなかったので、再びラクダに乗りながら 色々なことを懐かしく思い出した
自分が今いる場所にいることを 不思議に思う時がある
全て自分で選択して今ここにいる訳だけれど、沢山のきっかけが重なってそこにいる訳で
出会う人も土地も、暮らす場所も
縁があるところへ辿り着いてるんだと思う
・
砂漠は、ラクダとラクダを引くお兄さんの足音と風の音
とても静かで 時々砂漠を抜ける車やバイクの音がした
砂漠の中に快適な宿も点在していたけれど、もう少し遠く 遊牧民が暮らす集落に行くことにした
・
私が泊まらせてもらうのは、3歳と1歳の男の子達がいる夫妻のおうち
木や布を使って建てた小屋がいくつか点在していて、彼らは移動しながら暮らしているという
ベルベル語を話す彼らとはジェスチャーでしか話せず ラクダ飼いのお兄さんも最低限の英語しか話せなかったので、多くのことは聞けなかったけれど 感覚でコミュニケーションを取った。
日が暮れ 星が見えてきた
火の音がし、クスクスを作ってくれている
少し離れたところにポツポツあかりが見え 遠くから人の声やラクダの声 太鼓の音が聞こえたりして
何組かの遊牧民や、それぞれのところに観光客がいるみたいだ
・
モロッコに来て初めてクスクスを食べた
直火でじっくり煮込んだ野菜はとろとろで お肉は干し肉を使っていた。
とても美味しいクスクスだった
隣に座っていた夫妻の奥さんはとても肩が凝ってそうで、子育てしながら家事をして きっとすごく疲れてるんだろう
言葉で何も伝えられないので、ジェスチャーで伝えてマッサージをした
すごく喜んでくれた。よかった。
言葉がわからなくても 通じ合えることは沢山ある
・
ここで見た星空は 人生で見た中でベスト3に入る美しさだった
残り2つは両方とも長野県の山奥だから 長野も砂漠に負けてない
砂漠の夜は寒かったけれど しっかり着込んでブランケットを何枚もかけて寝た
・
朝早く目が覚めた
まだ誰も起きてなかったので、太陽が出るまで寒くて辺りを散歩した。
何十メートルか歩くとひと家族 そしてまたひと家族と暮らしていて、鶏や山羊が共にいた
冬は0度になると聞いた
どのくらいの期間で どんな風に移動して暮らしてるんだろう
・
宿に戻った。
一休みして、ハミッドが自転車を貸してくれたので すぐ近くのメルズーガの町まで行った
沢山の人に声をかけられる
自転車に乗ってるアジア人は珍しいのかな。
砂漠のオフロードを漕ぐのは難しくて あまり砂がない場所へ行った
海外自転車旅は憧れていたので ほんの短い距離だったけど、日が暮れるまでメルズーガの町を走った
・
宿に戻り、ハミッドと少し話をした
彼はかつて2年ほど中南米を旅していて 今は離れているけれど、子供はカナダにいるみたい。
ウェブデザイナーでもあり、カメラマンでもあり、この家も全て自分で設計して建てたという
コーヒーの話をしたら、モロッコ式でコーヒーを淹れてくれると言い 丁寧にコーヒーを淹れてくれた
これからも他に家を建てたり 旅にも出たいと、やりたい事を話してくれた
物腰柔らかく控えめで 沢山の情熱を持った素敵な人だった
私も帰国したら、1つずつ動いていこう。
・
今朝。
朝起きたら、ハミッドが朝食を作ってくれていた
そしてバス停まで送ってくれ 別れた。
ハミッドの多くは知らないけれど、彼の生き方や想いに刺激を受けた
この宿に来れてよかった。
私も誰かにとってのそんな場所を作りたい
あと2つ 町を訪ねたら、モロッコを出発だ。
・
砂漠の家の扉は色とりどり
扉の撮影が趣味になっている(笑)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?