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36. 京都で1週間暮らしたこと。

今週、京都の話をする機会があったので、以前京都で1週間暮らした時のことを思い出しながら少し書こうと思います。

学生時代に演劇をやっていました。私は小学生からお芝居をする仕事に憧れていて、大学に入って学生劇団に入り、そこで出会った人たちと2年生の時にユニットを組んで名古屋学生演劇祭というイベントに出ました。名古屋で賞をもらって全国に推薦していただき、翌年の2月に京都で行われる全国学生演劇祭に出演しました。

お芝居の公演というのはもちろん公演日だけで完結しているわけではなくて、数日前から劇場入りして照明や音響の具合を調整したり、実際の舞台上での見え方を確認したりします。私たちの本番は3日間でしたが、その前後の期間を含めて全部で1週間、京都に滞在しました。

全員が大学2年生。この大会のためだけに組まれた即席ユニットなのでお金もなくて、6人で1週間ウィークリーマンションを2部屋借りて暮らしました。
隣同士の部屋は取れなかったので、階の違う部屋が2つ。自分たちが迷子にならないように、ユニット名の頭文字を紙に書いて扉に貼りました。

まず最初に、生活するための買い出しに。移動手段はレンタル自転車。6人で1列になってスーパーに向かいます。
京都に行く前からみんな晩ごはんのことばかり考えていたので、食材はかなりスムーズに買えました。夜中にものすごくお腹の空いた人がいた時のために、即席ラーメンも買っておきました。私は、星型のシュガーをかけたミックスソフトクリームを見つけて、地元のスーパーに来たような気持ちになって嬉しくてそれを買いました。
食材のほかに、箸も買いました。それぞれ別の色がついた6セット。誰がどの色にするーって話して自分の箸を決めました。マンションに帰って、洗われてひとつのコップにまとめられた6色の箸が、京都で一緒に暮らす私たちみたいでとても愛おしく思えました。

マンションにあるお風呂がボロボロだったので、何人かで毎日銭湯に行ったりしました。あんまり人がいなくて、唯一の男子メンバーに湯船から壁越しに話しかけたり、昔のパーマをかける機械みたいな、上から被って髪を乾かすデカいドライヤーではしゃいだり、風呂上がりに腰に片手を当ててコーヒー牛乳を飲んだりしました。今考えたらちょっと迷惑。。。来た人がメッセージを残せるノートに毎日メッセージも書いてたけど、他に書く人がいなくて、ただのうちらの日記になってしまいました。
まだ残ってたりするかな。

2部屋に3人ずつで暮らす予定だったけど、すぐに寂しくなって結局布団や机を持って大移動して、みんなで1つの部屋で暮らしました。もうひとつの部屋は荷物置き兼、朝のお支度部屋。夜ご飯は机を2つ繋げて食べて、終わったら片付けてお布団を並べて寝ました。
お隣さんが朝が早い方なので21時以降は静かに、とオーナーさんに釘を刺されていたので、20時から21時の間にめいっぱいはしゃぎました。そういうことじゃない。
ちなみに、誰かがどうしてもお腹すいた時用にと買ったラーメンは、結局晩ごはんの後に毎日一袋ずつみんなで鍋をつついて食べました。


ああ。ただただ、思い出したらキリがない。

劇場からの帰り道、今日の晩ご飯は何にするー?って話しながら帰れることがとにかく幸せでした。好きな人たちと好きなことだけをやる、そんな最高の1週間でした。

あのとき、たまたま場所が京都だっただけだけど、私にとって京都はそういう場所になりました。起きた時から寝る時まで、好きなことを思いきりやるために過ごした場所。信頼する仲間たちと、家族のように暮らした場所。
もしまた京都に行くことがあれば、あの銭湯にうちらの日記が残ってるか見に行こう。

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