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今日の一杯:続 あさ利のネギラーメン

寒い時には暖かい物を、
それも極上に辛い物を。
もがきながら
苦しみながら食せ。

まんぷく書房刊デブの理論2章、フードと風土の発展と関係性より

ふと口がネギラーメンを求めていた。

甘さと共に迫り来る辛さ。
ゴツい大きさの太めの焼豚。
一杯千円という分かりやすいお値段のそれは日曜日は休みなので行くなら平日限定という地方から行く側からするとややシビアだ。

が、行く事にした。
いつでも行けるわけでも無いし、今年の食べ納めのつもりで。
ついこないだ聴いたサンドリの大食いフードバトル回を思い出し、俺もふと無理をしてみたくなったのだ。
車を停める場所が決まってるのでそこを遵守、決断的にネギラーメンの大盛りとそのサポート役としてライスを注文。

これがネギラーメンだ。

どっさりのおネギと焼豚がやってくる。
先にお代を払いいざ挑む。
と、注文を待っている途中で隣の席に座る青年が店員に話しかけている。
一番辛いやつで、と!
なななんと命知らずな若者だろう。

しばらくして彼の席にもネギラーメンが、それも一番辛いやつが配膳される。
迷う事なく彼は自分のテンポで
麺を啜り、
汁を飲み、
ネギや焼豚をつまむ。 
それの繰り返し。
その動作が一切の無駄がない。無駄がないのだ。
ここのネギラーメンはひたすらに辛い。人によっては汗が噴き出し涙が漏れ途中で迷い箸や一旦箸を置き少し休んだり鼻をかんだり汗を拭いたりする。
それでも客足が途絶えないのはここのラーメンを誰しもが愛してやまない証左である。

所謂カードゲームでいうこちらがプレイしたカードを宇宙統べ(終盤に配布されたプロモの方)や完封で動きを止められたり禁忌ジ・Oでコントロールを奪われたり先行盤面制圧5妨害完了後ターンエンドします、やグッズ等を活用しはなえらびをしきってギラティナが用意万端でわざを打てる状態になってる『あれら』を思い出すくらい無駄がない動き。
彼は非常にCOOLなのだ。

俺はとうとう食べるのが辛くなり味変すんべと彼の前に置いてあるにんにくを手に取る。すいません、と謝ってから。
お兄さん、水取らないんですか?とその流れで声をかける。

彼はすっ、とこちらを振り返り『水飲んだら尚更辛くなりますからね』とあっさりした返答をしてきた。

完敗だ。世の中にはまだまだこんなすげー人がいる。
恐らく彼は普段から辛い物に対しての解答なりチャートがちゃあんとありそれを能動的になぞっているのだ。
汁を飲み切る事は叶わず店を後にする。今度来る時は無理はよそうと心に決めて。


青森市の消防署向かいにあるラーメンあさ利。知る人ぞ知る有名店である。
前にもこの話をしたと思うが辛さの解説をすると、
5辛 優しい辛さ
4辛 少し辛い
3辛 普通に辛い
2辛 とても辛い
1辛 非常に辛い
0辛 辛さゼロ。ゼーロ
❤️

今回俺は3辛に挑んだが後から銭湯に入った後のように熱が込み上げてくる。
汁が目に入ろうものなら迷わずすぐ目を洗う方が望ましい。
慣れない場合大人しく4らへんを啜ってる方が賢明なのだ。
つか、今回もチャーハン食えなかったじゃんよ。またいつか来よう。