10月8日（日）、栃木SC戦。SDGsコーナーでは、惺山高校（山形市）の生徒や、山形県学生環境ボランティア「やまカボ・サポーター」がワークショップを行い、賑わいを見せました。

SDGsの目標にあわせて4つの企画を高校生が実施

惺山高校の2年生23人がSDGsコーナーでイベントを行いました。同校の取り組みはSDGsコーナーを設置した年からスタートし、今年で3年目になります。生徒のみなさんは、「モンテ探究プロジェクト」と題し、4月から準備を進め、今年は4つのテーマに分かれ、下記の体験型企画を考案しました。

○テーマ・障がい者「コツコツ点字ブロック体験」

歩道に設置された点字ブロック。日常生活にあるけれども、実際に使ったことはないという方も多いのではないでしょうか。アイマスクと白状も使った、点字ブロックの歩行体験を行いました。栃木SCのサポーターの方も参加していましたが、「他のスタジアムでこういった体験会をしているのを見ることはないです。高校生がいろいろと説明もしてくれたので、使い方や意味もよくわかりました」となかなか普段はできない体験に満足していただけたようでした。

○テーマ・食品ロス「食品ロスをへらそう！お豆つかみ大会」

くじで決められた箸を使って、30秒で豆を一粒ずつ移し替えるゲームを行いました。景品も準備され、ランキング上位者はホワイトボードに掲示されることもあり、終始盛り上がっていました。体験した親子のお父さんは、「とても盛り上がりましたが、ちょっとのところで息子に負けてしまいました」と残念そうな顔。一方で、小学生の息子さんは「箸の使い方は普段から気をつけているので」と誇らしげでした。日本で食事をするときには欠かせない箸を通して、「食べること」を考える機会になったのではないでしょうか。

○テーマ・医療「健康促進！神経衰弱ゲーム」

「病名：ヘルニア／予防：腰に負担をかけない」といった、病名とその予防方法が書かれた特製のカードを使った神経衰弱ゲームです。大人のみなさんは、聞き馴染みのある病名が多かったようですが、一緒に楽しんでいる小学生や中学生たちは、「ヘルニアってなに？」という疑問がでることも。実際、友達同士で遊んでいた中学1年生のグループのみなさんは「糖尿病とか、疲労骨折とか、病気（疾患）の名前が覚えられた」と、ためになったようです。

○テーマ・平和「折り鶴体験」

広島出身の生徒が、地元で受けた平和教育を山形でも広めたいと考え提案したそう。自作の紙芝居による広島の紹介のほか、折り鶴の制作体験などを行い、完成した折り鶴はストラップにして持ち帰ってもらいました。「広島の紹介だけでは心に残らないのではないかと思い、折り鶴を折ってもらうことにしました。平和について、少しでも考えてもらえれば」とブースを担当した生徒は話してくれました。

同校の担当教員の方は「モンテディオ山形の方に学校に来ていただき、SDGsについても含め、レクチャーしてもらいました。生徒自身が企画し、自分たちで関係機関とも連絡をとるなど、良い経験になったようです。今日も予想以上に参加者が多くうれしいです」と手応えを感じていたようです。

カーボンニュートラル社会の実現に向けて学生が活動

山形県では、環境に関する普及啓発活動などに取り組む学生などを「山形県学生環境ボランティア」として募集し、「やまカボ・サポーター」という愛称で令和4年度から活動しています。現在は、41名のメンバーが在籍しているそう。この日、SDGsブースでは、庄内浜で回収されたマイクロプラスチックを使った万華鏡作成や、山形の木を使ったキーホルダーづくり、ペットボトルの蓋を使ったヨーヨーづくりのワークショップを実施しました。秋晴れの下、参加した子どもたちは、思い思いに楽しんでいたようです。

高校生や大学生が大活躍した1日でした。スタジアムにやってくるサポーターの方の年代は非常に幅広いですが、家族がいる人以外は、高校生や大学生と話す機会はなかなかないのではないでしょうか。SDGsコーナーは、ボランティアサークル「nicoこえ」や、県内の高等教育機関の学生ボランティアなどがスタッフとなっています。また、今回のように、ブース出展を高校生や大学生が担当することも少なくありません。普段は話すことが少ない年代と、交流できるのもSDGsコーナーの魅力の一つ。世代を超えた交流は、思いやりの心を育み、相互理解にもつながるように思います。

2023モンテディオ山形SDGsコーナー体験記 vol.19

2023/10/8（Sun）
第38節
vs 栃木SC

ライター
松田 陽

●SDGsパートナー