見出し画像

ママムという最強グループの「ソロ」アルバムについて語らせてくれ


ヨロブン、ママムと聞くと最初に思いつくのは何でしょうか。

「『HIP』のグループだよね。」
「ガールクラッシュの代表格。」
「ファサがいるグループでしょ。」

はい、全部正解です!
ただ、それだけではない。
決してそれだけではない。
それだけだとMOTTAINAI

ママムというグループはソラ、ムンビョル、フィイン、ファサという主食がCDなのか疑いたくなるくらい歌唱力がオバケの集団でできている韓国のRBW事務所所属の4人組アイドルです。

画像4

左からソラ、ムンビョル、ファサ、フィイン

ママムのグループとしての魅力はアーティストの土岐麻子さんが素晴らしい文章で伝えてくれているし、ヘビロテ確実な名曲の数々もすでに音楽のプロ集団が語ってくれているので、是非そちらをご一読いただきたい。(ナタリーさん、いつも神企画ありがとうございます。)

では、ママムの深淵のような魅力に見せられて以来、狂ったように毎日沼でじゃぶじゃぶ泳いでいる一オタクが何を語りたいかと言うと、4人がそれぞれソロアーティストとしてリリースした作品の魅力とメッセージ性についてです。

ムンビョルとフィインは2020年以前にもソロ名義でミニアルバムを出していますが、MVのクオリティーや音楽番組のプロモーションなどを鑑みると事務所が本腰を入れてソロ活動やっぞ!となったのは昨年からの新しい試みだと思うので、今回は2020年から今年にかけてリリースされた4人のソロアルバムに焦点を当てたいと思います。

グループ活動が「沼」ならソロ活動はまた一味違った「個」の実力とカラーが存分に発揮されていて、さらにどっぷり4人それぞれの魅力を再発見することができる「オアシス」です。さあ、前置きにも飽きてきただろうし、みんなで探しに行こうよ、ワンダーウォールを。

 『Dark Side of the Moon』 〜ムンビョルが新ジャンル〜

まずはトップバッターのムンビョルさんの2ndミニアルバムからご紹介したいと思います。アルバムのタイトルは、『Dark Side of the Moon』で計6曲収録されています。(ピンク・フロイドじゃないよ。)

画像3

タイトル曲は『달이 태양을 가릴 (Eclipse)』で、邦題は『月が太陽を隠す時』。ムンビョルの低音と時々跳ねる独特な歌い方がクセになるダークテーマな曲ですが、もう初めてMV見た時はスコーンとハンマーで頭殴られた時みたいな衝撃でした。だってムンビョルさん、ガールクラッシュの概念を進化させちゃって、もはや自分のジャンルを打ち立ててます。

私が理解している所謂K-popのガールクラッシュのコンセプトは、ストリート系の衣装だったり、エンパワメントする歌詞だったり、すごくかっこ良くはあるんだけど、あくまで「女性的」な要素の中で、女性が憧れるような女性像を演出しているのが多い気がします。

でも、『月が太陽を隠す時』のMVでは、「女性的」な黒くて美しいロングの髪型に、全く違和感なく「男性的」とされるスーツ、迷彩柄、マントをまとったムンビョルさんが全身を大きく使って激しい振り付けを男性バックダンサーと一緒に踊っています。そして、ダークサイドなムンビョルが手にするのも王冠であり、王座に鎮座しています。

もちろんこれらは偶然ではなく、意図して作られたものです。ムンビョルがタイトル曲のコンセプトについてこちらのインタビューで語っています。以下、インタビューの抜粋と翻訳です。

スクリーンショット 2021-05-03 0.51.49

ムンビョル:(タイトル曲について)月の表面は明るく輝いていますが、その反対側は月の暗黒面と呼ばれています。人には2つの内面があるという前提で、「星になって君を守るよ」という希望に満ちたメッセージをこの曲で伝えたいと思いました。

今回、ソロとして初めて異なるジャンルに挑戦しましたが、私はジェンダーの差はあってはならないと思っています。私がこのジャンルを始めたので、多くの人にとって、”お〜変わってるな”と驚くのではなく、この流れが自然になっていくといいなと思います。私のこれからの目標は、このようなアルバムを出す事とMAMAMOOの一員として新しいアルバムを出す事です。

※ 英文字幕と韓国語字幕を元に翻訳。

ダークなムンビョルも笑えるくらいスーツが似合っちゃうムンビョルも格好良すぎて、見終わったあと酸欠状態になるのが常ですが、このアルバムのすごいところはマスキュリンでかっこいい姿を堪能できるだけでなく、非常にフェミニンで甘すぎてとろけるスーパーキューティーなムンビョルの魅力も味わえることだと思っています

アルバムを締め括る最後の『눈(Snow)』という曲は、昔の恋人についての歌で、冬の夜に聴くのがピッタリなスローテンポな名曲です。この曲自体は2019年12月22日のムンビョルのお誕生に合わせてリリースされたので、MVでは世界一紫色が似合うムンビョルさんが堪能できます。(当社調べ)

本当にさっきまで闇落ちしてた人と同一人物ですか?と疑いたくなるくらい乙女なムンビョルとのなかった記憶が蘇り、胸が締め付けられます。

低音ラッパーなイメージが強いかとは思いますが、彼女の魅力は安定したボーカルにこそ現れると思います。サビの高音が本当に心地よいので是非ご堪能あれ。

言語が分からなくてもこの曲とムンビョルのエンジェルボイスの美しさは十分楽しめると思いますが、せっかくなので歌詞も楽しみたいうという方は、よるむさんの神ブログをご覧ください。

画像3

ここまで、『Dark Side of the Moon』のタイトル曲と最後の曲を紹介してきましたが、他の4曲も全部傑作です。ムンビョルというか、所属事務所のRBWの辞書に「捨て曲」という概念は存在しません

トラック2の『Mirror』は作詞作曲にムンビョルさんが携わり、サビの高音とラップの低音両方が一曲で楽しめる美味しい曲です。ママムのコンサートでのソロパートや、サバイバル番組のQueendomに出演した時にも披露していたりとファンにとっても思い入れ深い曲でもあります。

トラック3の『ILJIDOは、私がこのアルバムで最も愛している曲で客観的に評価することが不可能なのでしません。もう「好き」な要素しか詰まってない。パフォーマンスビデオが投下された日に荒ぶったあまり記事一本書いたことがあるのでそちらをご覧いただけると泣いて喜びます。

トラック4の『MOON MOIVE』どえらい曲です。どうどえらいかと言いますと、初っ端のピアノ音から始まり、"女性アイドル"の概念をぶっ壊すようなど低音で一気にムンビョルワールドに連れて行かれます。こちらの曲もムンビョルさんが作詞に携わっていますが、歌詞もどえらいです。気鋭のヒップホッパーかな。

하기도 바빠 며칠 밤새워도  괜찮아
仕事するのが忙しくて何日徹夜しても 私は大丈夫

아직은 나보단 가족의 행복이 우선이야
まだ私よりも家族の幸せが先

그때 여유를 부려도  좋아
その時余裕ぶっても 私は良い

그게 내가 찾는 행복이니깐 no way
それが私が見つけた幸せだから

この『MOON MOVIE』はよくトラック2の『Mirror』とセットでパフォーマンスされることが多いのですが、アルバムのプロモーション活動時に一度だけ地上波で『MOON MOVIE』を披露したことがあります。これが本当にどえらいこっちゃでした。

だってMネットでエロ被りしてバチバチの全身黒でキメてきたお姉さんが「私の人生は映画みたいに私が作っていく、いちゃもん付けずに楽しんだらどう?」ってラップかましながらクライマックスでは男性ダンサー6人をリードにつないで踊ってるんだぜ?これが地上波で流れてくる韓国、すごいとしか言いようがない。下の映像をクリックして実際にどえらい『MOON MOVIE』を体感しようよ。

トラック5の『낯선 (Weird Day) 』は『太陽の末裔』や『トッケビ』のOSTを担当したPunchとのコラボ曲で、Punchさんの透明感溢れる声とムンビョルさんの惚れ惚れしてしまうラップのコントラストが楽しめるミドルテンポなナンバーです。ラップといえども『MOON MOVIE』のど低音ラップとはまた一味違った魅力的な歌い方で、ムンビョルの歌手としての幅広さを感じられます。

Dark Side of the Moon』のコンセプトである二面性。しかし、私がこのアルバムを通して受け取ったメッセージは、多面性です。彼女は決してナムドルっぽいことをやるのが新しいからとか、そっちの方がかっこいいからという表層的な理由でこのアルバムを作ったわけではないと思います。

ムンビョルは過去のインタビューでファンから「オッパ」と呼ばれることは嫌だと明言していますし、あくまで「ヨジャドル」としてジェンダー観念に捉われることなく自分のやりたいコンセプトに挑戦したということにすごく意義があり、その流れが広がってくれると良いなというのが彼女からのメッセージではないでしょうか。結果として、「ムンビョル」という新ジャンルを打ち立てちゃったと思いますが。

いかがでしたでしょうか。ムンビョルが気になってきたら、是非一度フルでアルバムを視聴してくださいね!

Apple Music:
https://music.apple.com/jp/album/dark-side-of-the-moon-ep/1499313128?ign-gact=3&ls=1

Spotify: 
https://open.spotify.com/album/3t6eDNGmTJIHdU9PF0GJx2?autoplay=true

YouTube Music:
https://music.youtube.com/browse/MPREb_l6PymvYOOGa

 『뱉어 (Spit it out)』 〜ソラの実力凝縮爆弾〜

ムンビョルの次にソロ作品をリリースしたのは、ママムが誇るパワーボーカルリーダー、ソラです。『スッキリ!』に初出演した際は、なぜか「笑顔の治療士」と紹介されていましたが、確かに彼女の太陽のような笑顔ともはや窓拭いてるのか笑っているのか区別が付かなくなる笑い声は尽きぬ魅力のうちの一つです。

そんなソラの魅力が凝縮された初となるソロアルバムが『뱉어 (Spit it out)』です。直訳すると「吐き出せ」ですね。(厳密に言うと、収録曲が一曲なのでソロシングルとなりますが、ご本人がソロアルバムと仰ってるのでソロアルバムと呼びます。)

画像5

『뱉어 (Spit it out)』の制作を手がけたのはソラ自身と、所属するRBW事務所の代表でありg.o.dの『Sad Love』(2001)や2AMなどの作曲を手がけた大物プロデューサーのキム・ドフン氏です。エネルギーに溢れたアップビートな曲で、ラテンギターリフとシンセの音の中毒性が高めです。

MVも同じく中毒性が高いです。特にイントロ部分のコレオグラフィーと強過ぎるビジュアルのマッチング度合いが異常で何度繰り返し見ても全然飽きません。出だしの部分の強い歌詞も痺れます。

하고 싶은 대로  하고 살아 지금껏 
やりたいように全部やって生きてきた これまでの私は

재밌는   찾아 매일 새로워 
また面白いものを探して 毎日が新しい 私は

一つのMVの中で、アリアナ・グランデを彷彿させるポニーテイルとベルサーチに身を包むソラも、シックなブラックドレスで決まってるソラも、バービー風で可愛いソラも、お団子が似合う30歳決定戦があれば文句無しに優勝できるソラも楽しめるという一石二鳥ならぬ一石で5オタクくらい落とせる演出ですが、その中でも私がダントツで好きなのが全身緑の衣装です。通称"ネギヨン"。(ソラの本名はキムヨンソンなので、ファンの間では親しみを込めて、ヨンちゃんとも呼ばれています。)

スクリーンショット 2021-05-04 23.14.00

ネギヨンが燃え盛る炎を背景に闊歩し、"Sin prisa pero sin pausa"(焦らない、でも止まらない)と高らかに歌うのを聴くとなんか明日からも生きて行けるわ〜、って気になりませんか?私はなります。

そして、もう一つネギヨンと同じくらい好きなのが坊主頭のソラです。実際に剃った訳ではなく、特殊メイクの力で成立していますが、反対意見もあったそうでギリギリまで社長にも隠していたそうです。

そしてこのコンセプト写真が出た時も議論となっていましたが、坊主姿で登場することで「ありのままの姿」や「誠実さ」を示したかったとインタビューで語っています。

画像7

坊主頭になるまでのビハインドシーンもソラのYouTubeチャンネルで見ることができます。準備は相当大変だったろうけど、そういったチャレンジすら楽しめる彼女だからこそ作れた『뱉어 (Spit it out)』だったんだろうなと思います。

ソラのアルバムからは、批判もモノともせず、挑戦し続けるというメッセージが歌詞からも伝わってきます。私はそんな自分が表現したいと思ったことは貫き通す果敢なアーティストのソラを心から尊敬しています。

50/50  도마 위에  올라타
50/50 私はいつも問題視される


여자니까  상관없어 my way
女だから何?関係ない my way

Because I love me 
굳이 욕할  없지
Because I love me あえて悪口言うことないでしょ

그냥 call my ne ne name
ただ私の名前を呼んで

見事『뱉어 (Spit it out)』で音楽番組のTHE SHOWにて一位の座に輝きましたが、いつもはメンバー代表でスピーチ慣れしてるはずのに、全く予想していなかったのか喜びつつもたじろぎながら話すソラの様子を見ていると高確率で目からナイアガラの滝が出現するので要注意。

「私の情熱のすべてを吐き出した曲です。常に新しさに挑戦することを楽しむ私に、『Spit it out』(吐き出せ)という言葉はとてもよく合う言葉だと思いました。時々情熱があふれすぎて少し前のめり過ぎる時もありますが、後先考えず、人の目も気にせず、ストレスも溜めずに全て『Spit it out』(吐き出せ)という意味を込めているので、お聴きになる方もそういう気持ちで楽しんでいただければいいなと願っています。
引用:https://news.kstyle.com/article.ksn?articleNo=2141627
Apple Music:
https://itunes.apple.com/jp/album/spit-it-out-single/1509870799?i=1509870801&ign-gact=3&ls=1

Spotify:
https://open.spotify.com/track/5F6RrFgt1yvRhNCdAEumM6?autoplay=true

YouTube Music:
https://music.youtube.com/watch?v=V4yZ3LvNjmc&feature=gws_kp_track

『Maria』 〜ファサ丹精の結晶〜

次にご紹介するのは、韓国の"it girl"ことファサによる記録尽くめの1stミニアルバム『Maria』です。Zicoプロデュースの『Kidding』やクリエイティブ集団「DPR」でラッパー担当のDPR LIVEをフィーチャリングした『I'm bad too』など豪華な顔ぶれが参加し、計7曲が収録されたアルバムです。

画像8

ムンビョルとソラの活動時とは異なり、ファサのソロ活動を機にママムの公式チャンネルMMMTVにて、制作の過程に密着した映像をドキュメンタリー形式で公開してくれています。

これらの映像を通して、ファサがこのアルバムを世に送り出すために全身全霊をかけて、アーティストとして全てのプロセスに関わり、ディテールにまで拘っていたということが伝わってきます

とても親切なことに制作過程の映像に加えて、トラックリストの紹介までご本人がしてくれているので、こちらのインタビューにおけるファサ本人の言葉と歌詞を引用しながら、前作の『Twit』を除いた全曲を紹介していきたいと思います。

まずはトラック1の『Intro: Nobody else』から。全英語の歌詞はアルバム全体のプロデュースを手がけたRBW所属の名プロデューサー、パク・ウサン氏によるものです。

過去ママムの作品も多数プロデュースしており、ピアノ、ギター、シンセなど一人で全部こなしちゃうお強いお方です。(インタビューでは、ファサがずっとパク・ウサン氏を"オッパ"と呼んでいて可愛い。)

[Intro]
Nobody else
他の誰でもない

[Verse]
No one's gonna help you / Nobody else
誰もあなたを助けてくれない 

No one's gonna love you / Nobody else
誰もあなたを愛してくれない

[Pre-Chorus]
Falling like a shootingstar / There'sno one atnight
流れ星のように落ちていく  夜には誰もいない

People tell me to be nice / Iforgot how to smile
人々は優しくしろと私に言う 私は笑い方を忘れた 

Is it time to go to bed?
そろそろ寝る時間?

Ohyeah

[Chorus]
OhMaria
OhMaria

[Outro]
Why don't youlove yourself? / There's athorn on your back
どうして自分を愛さないの? あなたの背中には棘がある

No one here, nobody here / Why don't you love yourself?
ここには誰もいない なぜ自分を愛さないの?

Keep a smile on your face / No one here, nobody here
笑顔を絶やさないで ここには誰もいない

Intro: Nobody else』からすでにこのアルバムのトーンが伝わってきます。この美しくも切ない歌詞とともに、過去のファサの映像も交えたビデオがアルバムリリース前に先行発表されています。

スターダムを一気に駆け上がったファサの寂しさと葛藤が伝わってきて、一オタクは心臓が握りつぶされたような想いでハンカチを噛み締めながら拝聴することしかできません。済州島で撮影された大自然も相まって映像美を楽しめるので是非ご覧ください。

トラック2はタイトル曲の『마리아 (Maria)』です。2021年5月現在、1theKでは再生回数が1.7億回を超えているモンスターヒット曲なので、一度は聴いたことがある方も多いのではないかと思います。まずはファサ自身が語っている『마리아 (Maria)』の制作意図についてご紹介します。

画像10

『Twit』を作る前から、代表には『Maria』というタイトルで仕事をしたいと言っていました。Twitでは良いトピックが見つかったので、それに関連して代表がいいアイデアを出してくれましたが、今回は『Maria』をやりたかったんです。私のもう一つの自我としてのマリアを表現したいとずっと思っていました。でも、思っていたよりも難しかったです。

(プロデューサーの)ウサンも伝えたいことの意図がはっきりしていたので、それらすべてを盛り込もうとする過程ですごく疲れたと思います。そんな苦労の末に生まれたのが、この『Maria』という曲です。

私は優しく、頑張って元気に過ごしているんだと思っていました。しかし、日々を過ごしていくうちに、ある瞬間、自分は様々な影響を受けていると感じました。自分が変化していき、自分の心が次第に悪化していくと感じたのです。バカみたいに生きて傷つく位なら、(違う人になった方がいいのか?)いっそ悪い人間になった方がいいんじゃないか。そんな孤独な内面の葛藤がありました。

でも、そんな風に言っていたのは自分だけではなさそうでした。世の中のほとんどの人がこの様な葛藤を抱えているのではないかと思いました。だから、「このマリア」ではなく、「この世界のすべてのマリア」と言いたかったのです。

※ 英語字幕と韓国語字幕を元に翻訳。
https://youtu.be/iiprvhQqkfI

今更『Maria』のMVのストーリーを私が解説するのも蛇足な気がしますが、最初のシーンでは黄色いテープが張り巡らされ、マリアの死亡シーンからMVが始まります。

スクリーンショット 2021-05-07 2.22.43

このシーンについて、私は心ない言葉を常に投げられて、死んでしまったファサの心を表しているのではないかと考えます。正解は分からないですけど、MVのアイデア会議で、監督や制作の方に自分の意見を謙虚にでもしっかりと伝えるファサの姿がすごく印象に残っています。

スクリーンショット 2021-05-05 22.09.05

(MariaのMVのストーリー会議での会話 05:03~)
監督
:冒頭のシーンにストーリー性のある文章を入れると良いんじゃないかな。知らない人が投げた石によって殺された人の死を表現する様な。

ファサ
:生きている時に...。これはあくまでも私の考えですが。ただの「言葉」。言葉は...なんとなく...。私だけで。いい子のマリア。整理整頓された黒髪で、待って、いや、髪はやっぱり整っていなくて、彼女は町を歩いています。彼女が歩いていると、みんながひそひそ話を始めます。

監督
:彼女の噂話をしているの?

ファサ
:そうです、そういうのを想像しています。そういうのが一番大きいですね。日常の生活では...仕事が辛くても我慢すればいい。でも、変な言葉が飛び交うと心がおかしくなってしまう。

監督
:良い子のマリアだと、こっそり陰口を叩かれたり、悪い子のマリアだと、あなたが怖くて隠れて陰口を言うんだね。

※ 英語字幕と韓国語字幕を元に翻訳。https://youtu.be/DusPcVrtxn0

スクリーンショット 2021-05-05 22.55.57

非常に理解し難いですが、ファサは何かとネットで誹謗中傷の対象にされることがあり、そういった言葉の武器のターゲットになる自分を象徴する様なシーンも登場しています。

ただ、そこで悲劇のヒロインで終わるのではなく、それでも毅然とした態度で生きていくというファサの強い意志と自己救済のメッセージが『Maria』の歌詞からは感じられます。は〜〜〜〜〜〜かっこいい、かっこいいよファサ様一生着いていくよ。

지끈 지끈거려
頭がずきずきする


하늘은 하늘색 
空は空色

사는   뻔해
人生なんて分かりきってる

내가  길은 내가 바꾸지 
私が進む道は私が変えるから

위기는 기회로  바꾸지 
ピンチはチャンスに全部変える

굳이 우는 꼴이 보고 싶다면 
わざわざ泣く姿が見たいなら

옜다 눈물 
ほら 涙どうぞ

Maria』の曲の魅力の一つに、ガラッと後半から曲調がラテンポップに変わる面白さというのがあるかと思います。MVでは、このブリッジ部分でファサが水に浸かるシーンがあり、自分は勝手に聖水で身を清めた最強マリアファサが復活したと解釈しています。

そして復活後にベルベットのドレスで華麗に舞うファサがね、もう好っき〜〜〜。ちなみに振り付けはリア・キム様が担当していて、お二人が画面に映って踊り出すとオーラが強すぎてスマホの画面割れないか心配になります。

ダンス好きの方は見て後悔しないと思うので1 MILLIONへのリンクもこちらに貼っておきます。

スクリーンショット 2021-05-05 23.33.15

まだMVを見たことがないチングのために、最後のシーンのネタバレは控えさせていただきますが、これは多分パラレルワールドの世界を表していて、もっと早くこのシーンが起こっていればマリアに悲劇は起きなかったのではないかと、色々妄想が膨らみます。是非MVの最後まで楽しんでください。

さあ、まだまだ続きます。トラック3は泣く子も黙るヒットメーカー、Zicoがプロデュースした『Kidding』です。

私はファサのラップが大好きですが、グループ活動ではあまり聴ける機会がないので、『Kidding』で低音ラップ部分を用意してくれてありがとうZico!と、感謝の気持ちが尽きません。

ファサのために楽曲をいっぱい用意してRBWに来てくれたらしく、レコーディング時にも細かくファサに歌い方のアドバイスをしてくれたそうです。

スクリーンショット 2021-05-06 0.06.13

トラック4の『WHY』は、ママムの曲を多数手がけてきたCosmic Girlがプロデューサーで、歌詞のクレジットにはファサの名前も入っています。

インタビューでは、「自分の感情を表現するのがとても苦手で、好きだった人に自分の気持ちを伝えられなかったので、すごく後悔している」体験を元に歌詞を書いたと語っています。

コンテポラリーバラードやトラップシンセのサウンドが好きな人には刺さる曲だと思います。個人的には洋楽っぽい雰囲気とファサのボーカルの美しさが際立っているのでお気に入りの一曲です。

トラック5はDPR LIVEとのコラボ曲、『I'm bad too』。とりあえずこちらのスペシャルビデオを見てほしい。お二人のチルな感じが曲とマッチしていて才能があれば大掛かりなセットなんてなくても最高なエンタメになるんだと感じずにはいられません。

I'm bad too』を作っていた時はプロデューサーのウサン氏もスタッフもファサも行き詰まっていた時期だったそうで、コラボを持ちかけてどうなるのか不安だった、と語っています。

そういった経緯もあり、DPR LIVEが快諾してくれたおかげで、心から嬉しそうなウサン氏とファサの様子がジーンときます(06:55~)。

私も今日は悪い日だったんだよ、花道だけが道じゃないでしょと2人が可愛く元気付けてくれる歌なので、日常でむしゃくしゃした時は爆音で流して一緒に踊ることをオススメします。

さあ、後半に入ってきました。トラック6は『LMM』で、「LMM」はLost MMind(心を失う、正気を失う)の略ですね。この曲はファサが作詞に携わっており、ピアノとバイオリンの旋律が美しく、それよりさらに美しい感情のこもったファサの歌声が魂にきます

どの収録曲もものすごい苦労と努力の上で制作されていますが、創作過程において『LMM』が一番大変だったのではないかとインタビューの言葉から推測できます。

スクリーンショット 2021-05-06 11.45.50

(LMMのレコーディング後について 12:39~)
ファサ
:その日の仕事をすべて終えてベッドに入ったところだったのですが、急に息苦しくなりました。私はたくさん泣きました。私はすぐに泣いてしまうので、泣いた話がたくさんありますが。

自分の将来がとても不安になり、幸せなことは何も考えられませんでした。何か幸せなことがあったはずなのに、私はすべてを忘れてしまったようでした。

吐きそうになり、逃げ出したくなりました。そんな気持ちで歌詞を書きました。ウサンオッパからは「この曲のために書かれた最高の歌詞だと思う」と前向きなコメントをいただきました。そして、それに対して歌詞を加えていただき、こうして『LMM』が誕生したのです。

※ 英語字幕と韓国語字幕を元に翻訳。https://youtu.be/iiprvhQqkfI

LMM』のMVは全編済州島で撮影されており、短編映画一本見たのに匹敵する満足度ですので是非ご覧いただきたいです。こちらのMVでは、ファサに向けられる言葉の武器が今度は「矢」として描かれていますが、それが一本もファサに刺さることはありません。

但し、一本だけ刺さる「矢」があり、それは彼女自身が放ったものです。私はこのシーンから自分の正気を失わせるものは他人からの言葉ではなく、自己批判だというメッセージを受け取りました。

そして、最後に出てくるこちらのフレーズ。

画像17

"Flowers do bloom even in rain falling down"は、他人からの心ない言葉にも自己批判にも屈せず才能を開花させるファサを表すのにこれ以上ないエンディングだと感じています。ファサの貴重な一年間とウサン氏を筆頭にした製作陣の汗と涙の結晶でできた傑作『Maria』は素晴らしい芸術作品です。

アルバム『Maria』全体を通して、ファサという人間の強さや慈愛すら感じましたが、私は言葉の重みについて最も考えさせれました。自分の発する言葉が武器にならないように気をつけて、できるだけ良いことのために使っていきたいです。

完走して『Maria』を世に出してくれたことに感謝し、これから先も何度も何度も聴きたいと思います。

Apple Music:
https://itunes.apple.com/jp/album/mar%C3%ADa/1521405861?ign-gact=3&ls=1

Spotify:
https://open.spotify.com/album/5YYY7QCkq3pSw4Hoc1m0D3?autoplay=true

YouTube Music:
https://itunes.apple.com/jp/album/mar%C3%ADa/1521405861?ign-gact=3&ls=1

『Redd』 〜フィインの化身マスターピース〜

ムンビョルの『Dark Side of the Moonを皮切りに始まった2020年からのママムのソロ活動のフィナーレを飾るのは、フィインによる『Redd』です。

満を辞しての歌姫フィインの1stミニアルバムなので期待度MAXで全力待機していましたが、期待度を遥かに凌駕する作品でした。タイトル曲は『water color』で、pH-1やGSoulをフューチャリングした贅沢な(タイトル曲の英語版も含む)7曲が収録されています。

画像15

Redd』には、「片付ける、捨てる」という意味があり、「自分の体と心に染み込んでいる偽りの趣向とスタイルを捨てて、自身が本当に望む姿をアピールしよう」という意味が込められているそうです。

ちなみに今回のアルバムのアートワークとデザインの監修にはフィインも参加しており、トラックリストから洗練された今時なブルータリズムデザインでオタクを泣かせにきています

Redd』のプロモーションでは、なんともありがたい事に全曲映像作品が公開されていますので、メディアでのインタビューからの本人の言葉も引用しながら、一曲ずつ魅力ポイントを紹介していきたいと思います。

タイトル曲の『water color』は、ニュージャックスイングがベースのアップテンポなダンスナンバーで、曲だけ聴いても十分に楽しめますが、これはMVも見ないとMAJI MOTTAINAIです。

タイトルに色とあるだけあって、カラフルな衣装や多様なキャスティングがされていて、視覚的にベリーエキサイティングなMVです。

開始1秒で映画の予告編を彷彿させるような青いドレスにハイヒールを纏ったフィインが登場し、パーティー後の様子が映し出され、これからどう展開していくんだろうといきなりテンションがぶち上がります。

もう一つどうしてもMVを鑑賞してほしい理由があります。個人的には、『water color』の最大の魅力は、後半部分の一糸乱れぬ群舞とジャネットジャクソンもびっくりしちゃうダンスブレイク前の渾身のシャウトに宿っていると考えるからです。

フィインといえば変幻自在なボーカルが有名で、多数のOSTもリリースしていますし、ボーカリストとしてのイメージが強いと思います。が、フィインのダンスは非常に滑らかで、ダンサーと比べても遜色がなく、ダンスの実力の高さはメンバー1だと思います。

群舞がお好きな方にはこちらの音楽番組でのパフォーマンス動画も圧巻なのでオススメしたいです。

スクリーンショット 2021-05-06 22.15.11

MVにフォーカスしてきましたが、フィインからのメッセージが詰まった歌詞もとても魅力的です。特にサビの部分を伸び伸びと歌うフィインが最of高。

곤히 자고 있던
ぐっすり眠っていた

나를 깨워
私を目覚めさせて

 모습을 채워
私の姿を満たして

비에 젖은  흐리게 칠해
雨に濡れたようにぼかして塗る

I'm still a dreamer

 가치를 키워
私の価値を育てて

 많은 색을 원해
もっとたくさんの色が欲しい

   어울려
私には全部似合うから

  어울려
なんでも似合うから

トラック2は人気ラッパーpH-1をフィーチャリングした『TRASH』。フィイン自身がファンを公言しているので念願のコラボ実現です。この曲は潤滑油でも飲んでるのかと疑いたくなるくらいスムーズなフィイン特有のボイスと、これまた同じくらい滑らかフロウなpH-1さんのラップが心地よいので一日中聴いてられます。

ちなみに大人向けな歌詞です。フィイン曰く、「ママムのファンはそういうエロいのが好きだろうし」...。出血大サービスでダンサーとのパフォーマンスビデオに加え、スペシャルビデオもあるので是非両方ご堪能ください。

トラック3は、『OHOO』(韓国語の"오후"は午後という意味)でフィインの愛猫コモについて歌っている究極にラブリーな一曲です。このアルバムの中で、特に思い入れのある曲が2つあるそうで、その内の一曲が『OHOO』だと、インタビューで回答しています

ちなみに作詞もフィインが担当しています。窓の外を見つめるコモを見て、一体何を考えているんだろうとインスピレーションを受け、3、4年前に歌詞を書き上げたそうです。

同じ猫の飼い主でも年中可愛いでちゅねにゃんにゃんとしか悶えることしかできない筆者は、コモへの深い愛を芸術に昇華させるフィインのセンスに脱帽せざるを得ません。

スペシャルビデオでは優しいメロディー、可愛いの権化コモ、そして生歌が上手すぎるフィインという天国の様なトリプルコンボが味わえます。(合掌)

いよいよフィインのアルバム紹介も終盤に入ってきました。トラック4は、元JYP所属で現在はH1GHR MUSICに所属のラッパー、GSoulさんをフィーチャリングした『Butterfly』です。

幻想的なイントロとアコースティックギターとGSoulさんとのハーモニーが美しい曲ですが、個人的な魅力ポイントは冒頭のフィインの低音パートです。グループ活動では高音域を担当することが多いので、シンプルにフィインの低音が聴ける事に感動しました。音域の広さよ、一体どうなってるの。

トラック5は、もう一つのフィインの思い入れ深い曲、ファンに捧げた『봄이 너에게 (Springtime)』で、インタビューでは下記の様に回答しています

"Springtime "は、ファンへの手紙として書いた曲です。私は、自分の誕生日に、ファンたちにとっての永遠の春になると約束をしました。

メンバー全員がファン想いだなあと常々思いますが、フィインからの愛がこもった歌詞にはまた違った重みがあり、ずっと大切に聴いていきたいと思う一曲なので歌詞を全部翻訳しました。

歌詞の最後の「待っていてくれてありがとう」という部分。責任感の強いフィインだから期待に応えるために一生懸命で、長いアルバム準備期間を待っていたファンへのメッセージかなと想像し、込み上げてくるものがあります。

オタクはずっと待つ生き物なんで、フィインのペースでええんやでと涙なしでは聴けません。

[Verse 1]
벚꽃이 피어나 / 온통 흐드러지게
桜が咲いて 一面に広がる

따스한 바람처럼 / 우리는 스며들었네
暖かい風のように 私たちは染み込んでいく

모든  꿈같아 매일 매일 / 네가  곁에  쉬는 
全てが夢みたいな日々 あなたが私のそばで息をするのが

아이처럼 웃을  / I'm melting down, down, down
子どものように笑う時 私は溶けていく


[Chorus]
La-la-la, I'm the scent of your springtime, oh
私はあなたの春の香り

La-la-la, and you are the scent of my life, oh
あなたは私の人生の香り

너에게 주고 싶어  가득 품은 햇살도 / 어깨 위에 올라탄 꽃잎도
あなたにあげたい いっぱいの陽射しも 肩の上に乗った花びらも

A song from spring to you
あなたへ送る春の歌


[Verse 2]
모든 계절이 지나 /  여전히  자리에
全ての季節が過ぎ去って 相変わらずその場にいて

작은 손을 흔들어 / 눈빛으로 인사해
小さい手を振って 目で挨拶して

마음까지 시려 왔었는데 / 이젠 입김도  
心まで冷えて来て もう息もできない

너를 다시 만날 생각에 / I'm melting down, down, down
あなたにまた会えると思うと 私は溶けていく

[Chorus] Repeat

[Outro]
봄이 너에게 말을 거네 /  기다려줘서 고마워
春があなたに話しかける 私を待ってくれてありがとう

봄이 너에게 약속하네 / 너의 곁에 있어 준다고
春があなたに約束する あなたのそばにいるんだって

トラック6は『NO THANKS』は別れてしまった恋人に向けて歌っている切ないミドルテンポなナンバーです。

これぞフィインの真骨頂とも言える安定した伸びのある高音で至福の境地へのゲートウェイ。バンドの生演奏付きで生歌を披露する神様からのプレゼントの様な動画で締めくくりたいと思います。

最後に、『Redd』のアルバムはどのくらいフィインを表現しているかという質問と、どのようなアーティストとしてあり続けたいかという質問に対してのフィインの回答をご紹介したいと思います。

(Redd』のアルバムはどのくらいフィインを表現しているか)20:13~)
フィイン
:私たちの掌にはたくさんの線があります。例えば、掌の面積を分けるとしたら、前作は掌のこれくらいの面積を占めていました。(1/4ほど)今回のアルバムは...掌の半分以上を占めていると言っても過言ではありません。

(どのようなアーティストとしてあり続けたいか 21:16~)
フィイン
:うーん、この答えはその時々によって変わるんですけど、今現在、この瞬間は、誰にとっても負担にならないアーティストになりたいです。すごい複雑なんですけど、人間として見た時にも、歌手フィインとして見た時にも、フィインが作った音楽を聴いた時にも...はい...こう...望んだ時に...立ち帰りたくなるような...

※ 英語字幕と韓国語字幕を元に翻訳。
https://youtu.be/gDDVh2pw-Rw

スクリーンショット 2021-05-07 0.55.54

『Redd』はデザインの監修、作詞、それに加えて全曲の映像と2週間に渡る音楽番組のプロモーションと体力的にもかなり大変だったと思いますが、宣伝期間中はダンサーと一緒に無邪気にはしゃいでいて、心から楽しそうなフィインが見れて本当に安心しました。

正に誰の色にも染まらず、自分のカラーで生きていくというアルバムのメッセージを体現しているアーティスト、チョンフィインが今もこれからも大好きです。

Apple Music:
https://music.apple.com/jp/album/redd-ep/1563173429

Spotify:
https://open.spotify.com/album/1X2XBndYJpWTkRbTRXYe83

YouTube Music:
https://music.youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_nNUKHdJl1dPjRXWmEk_JF4-mWGKcAl-VM&feature=gws_kp_album&feature=gws_kp_artist

最後まで読んでくれたあなたにありがとう!この記事が、ママムのことをもっと知って、好きになる些細なきっかけになれたらこれほど嬉しいことはないです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?