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デジタル・ミニマリスト 要約

1.何のためにこの本を読むのか(目的の見える化)

 社会人では限られた時間の中で、自分にとって大切な事柄に時間を使うことが大切である。

しかし、主にSNSを原因として他者との比較を無自覚に行ったり、次々と表示される魅力的なコンテンツによって注意力をかき乱されて、物事に集中するということが苦手な人が増えている。

 そのため、本書のタイトルを見かけたときに自身の生活の質を高めるヒントが書かれているのではないかと思い購入した。

2.本に書いてあった知らないことの中で、特に興味が湧いたこと(興味の見える化)

・アプリを使用する際のコストを考える(収穫逓減の法則)

 アプリにはそれぞれ使用することで得られるメリットがあるが、複数のアプリを利用し続けることでかえって効率が悪くなるというデメリットがある。

 具体的には、SNSを通じて情報を収集する際にインスタグラムやX(旧ツイッター)など複数のツールを利用すると、自分の興味に関連した情報が次々に表れてくるために、不必要な情報までもが利用したアプリの数だけ手に入ってしまう。
そのため、「本来集めようとしていた情報が大して集まっていなかった」または、「結局なにも得られず時間を無駄にしただけだった」という無力感を感じる場面がある。

①自力で本を読んで情報を集めるアナログな手法の場合 
②アプリを厳選し利用目的を明確にして必要最低限のアプリを利用する場合 
③複数のアプリを使用して、時間をかけて情報を収集する場合 

この3つの段階を比較すると①→②では情報収集効率が格段に上がっているのに対し、②→③では情報の量や質が高まる可能性もあるが、逆に情報過多になることで不必要な情報を取捨選択しなければならない時間も増え、効率の伸びで言えば①→②よりも落ちる。

 つまり「アプリを使用するために費やした時間(コスト)が上がれば上がるほど、得られた効果(収穫)の伸び率が低くなっていく」といった頭打ち状態になる。(収穫逓減の法則)

・人の脳は何もしていないときに活発に働く箇所が存在する(デフォルトモードネットワーク)

 人がなにもしていない、ただぼーっとしているときに脳のとある箇所が働くことがわかっていて、その箇所はおしゃべりや社交といった、社会的な活動時に働く箇所とほぼ一致していることが判明している。

 まだはっきりしたことはわかっていないが、私たち人間がぼーっとしているときには頭の中で独り言のような会話が流れているのと関係していて、他者と関わる際に必要な社会的スキル(会話や洞察力)を脳内で練習しているのではないかと言われている。
生まれたばかりの子供でも同じことが起きていることが判明し、人間は生まれた時から社会的な動物であることを示している。

 そのような脳のシステムは、人類が何百万年もの歳月をかけて本能的に身に着けたもので、暇さえあればスマホを見るという近年の注意関心経済(アテンション・エコノミー)では、本来あるべき余白の時間がなくなってしまった。

 つまり、人とコミュニケーションをするときに使う能力を一切使わずに生活ができてしまう世の中になって、「どうやって人と付き合えばいいかわからない」という人が続出しているのである。

3.自分の経験とリンクさせ理解度を深める(つなげる。を活用)

 この本を読んで気づいたことは、「いかに自分の普段の生活に空白の時間が無いか」ということだった。

 筆者は空白の時間がないことで、深く考える能力や自分を見つめる時間がない現代、そしてオンライン上の活動に気を取られてリアルをないがしろにしがちな現代に警笛を鳴らしている。

 通勤時間には、ラジオや音楽といった音声メディアを聞いているし、家ではサブスクの動画サイトやYouTubeを観ている。さらには仕事の休憩時間にはスマホにくぎ付けで、目の前の仕事仲間とのコミュニケーションが少なくなったり「インスタで繋がっているから」という理由で、顔を合わせる回数が減った友達など思い当たる節がいくつもあった。

4.一言で言うと

 時間を無駄にしたくないならSNSはやめるべきである。

5.本の内容を自問自答して知識として定着させる(知識の定着)

デジタルミニマリズムの3原則は・・・
①あればあるほどコストがかかる(収穫逓減の法則)
②最適化が成功のカギである
 どのようにツールを用いるかを明確にし、それでなければならないのかを慎重に検討する。
③自覚的であることが充実感につながる
 「自身が吟味して選んだ」という自覚的行動の元に、使用するツールにルールを設けることで、デジタルの奴隷から解放されて、自分でコントロールしているという充実感が生まれる。

6.本から得た知識を実践に活かす

・SNSアプリをスマホから削除する

 SNSはパソコンからでもアクセスできるため、ちょっと暇なときにチラ見するというスマホならではの特性を排除する。

・1日の中でスマホを使える時間をあらかじめ決めてしまう


 例えば平日夜20時~20時45分をスマホ解禁時間とし、それ以外の平日夜は読書やモノづくりなどのオンライン以外の趣味を行うようにする。休日も同じである。

 使用時間を決めるのは1週間のはじめで、その週の予定として使用時間制限を決めてしまうほうが、長続きしやすい。

・ラインやDM、メールなどは決まった時間に返事をするように決める

 仕事のメールはさておき、プライベートのメールなどはたいていの場合急を要しない。
そのため、それらの通知はオフにしてしまい、毎日決まった時間にのみに閲覧、返信を行うとよい。

 家族や友人などには「急を要する場合はスマホをあまり見ないから電話がほしい」と伝えておけば柔軟に対応できる。

7.まとめ

 現代の大発明であるスマホやパソコンといった便利なモノは、開発された当初とは全く別のものとして進化を遂げている。
それは、計算や文字を記録するためのツールからいつしか、人間より賢い脳を備え、常時全世界とつながっているという得体のしれないモノになっている。

 本書ではその得体のしれないモノが内部に備えているSNSアプリについて、どのように付き合うべきかについて論じている。

 SNSがなぜ問題かと問われれば、利用したことがある誰もが心当たりがあるだろう。それは「依存性」の一言で表すことができる。

 SNSアプリは、人を依存させる仕組みにするべく、巨大企業が大金を投じて開発をした、いわばたばこのようなものである。
たばこであればその有害性が実証されているために、学校教育などでその有害性について知識をつけることができるが、SNSは比較的新しいがゆえにその有害性について論じられはじめたのはごく最近のことである。

 そんな依存性の高い特にSNSは、生半可な制限では依存性のループから逃れられず、またすぐにループに逆戻りしてしまうために思い切ったアプリの削除を勧めている。

 アプリを30日間削除して生活を送り、30日後に必要なアプリだけを復活させる。

 この手法は行い始めた数日のうちに禁断症状が出ることが多く、危険な依存症にどれだけ自分自身が侵されているかを実感することができる。

そして、意外と無くても困らないという発見とともに、この厄介なアプリたちとの決別をしていくのが正当なルートであると考えられる。

 復活させるアプリはよく吟味することが必要で、またSNSアプリを入れてしまっては、せっかくの効果がなくなってしまう。

 そのため、そこからはSNSはパソコンまたはブラウザで開くといった制限付きの付き合いに移行するべきである。 

 そのほかの手法は上でも述べたような、スマホ使用時間の制限やメッセージアプリの制限、余白の時間をあえて設けて、オフラインの趣味をみつけて積極的に行うことなどが挙げられている。  

 これらの手法によって必要なときにのみオンラインツールを使い、そうでない場面では使わないというメリハリのある生活を心がけることで、SNSやオンラインツールの奴隷から解放され、ツールを使いこなせる人として、自由な生活を送ることができるようになる。

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