見出し画像

親愛なるつかちゃんへ

つかちゃん、誕生日おめでとう。

今朝は、慈愛の瞑想をみんなにギフトしてくれてどうもありがとう。ここ数日、どきどきしてなんだか落ち着かない日々が続いていましたが、今朝からちょっとだけやさしくなれた気がします。自分に対してね。

地球は愛の側面を持つと同時に破壊の側面も持つ。人間も同じ。私の中には、高次の自分もいれば、低次の自分もいる。愛は引力。いや、引力は愛だったかな。

つかちゃんには、本当に多くの言葉を教えてもらいました。ひとつひとつ、受け取りそこねないよう、いつも必死に受け取っています。

でもまだ、よくわからないこともたくさんあります。これからも、いっぱい教えてください。

ここで少しだけ、思い出を振り返りたいと思います。

二人っきりの『プラネタリー』上映会
あの日のことは、一生忘れません。たぶん。

せたがやがやがや館(だったかな?)に到着すると、広い会場の前方真ん中に机が一つだけ。参加者は、まさかの私ひとり。真っ先に頭によぎったのは、会場費(笑)。基本的に無料の上映会なんだから、さすがに参加者一人だったら普通イベント中止か延期にするよなあとか考えつつ、そわそわしながら、たった一つ用意された席に座りました。

「むぎちゃん、おなかすいてる?」

勢いよくうなずいた私に、タッパーに入った4つのおにぎりが差し出されました。

「お碗の中にごはんを入れて、もう一つお碗を重ねて、こうやってつくっているからね。」(手で直接握ってないから安心してねーという、つかちゃんのいつもの心づかい)

ミルキークィーンの五分づき米。中に入っている梅干もめっちゃ美味しいの。本当に腹ぺこだった私は、部屋が暗くなり上映がはじまるとすぐに、
もらったばかりの、まだほんのりあたたかいおにぎりを頬張り始めました。

頬張れば頬張るほど、ぽろぽろぽろぽろ、涙がこぼれ落ちます。

『プラネタリー』を観ているはずが、(私の脳内で)はじまったのは、『千と千尋の神隠し』。(そうです、お馴染みのあの名シーン)

外の寒いところから暖房のきいた部屋に入り、空腹のときにたべものをいただいて、体が安心したのかもしれない。おにぎりが美味しすぎるという感動だったかもしれない。つかちゃんの温かさが乾いた心に沁みたのかもしれない。

なんでこんなにも涙が溢れるのかよくわからなかったけど、ぽろぽろぽろと泣き続けました。(『プラネタリー』序盤はとくに泣けるシーンでもないので、泣いてるのがバレないよう、音をたてないように鼻をかむのに中々苦労しました。)

上映会がおわって、本来であれば参加者同士の対話の場になるはずでしたが、参加者は私ひとりだけ。いくつかのオープンセンテンスワークをやって、私からつかちゃんへの質問タイムがはじまりました。


つかちゃんって、普段どんなことしてるんですか?

うーん。リタイアしているからねぇ。ただ生活して生きているって感じだけどねぇ。

じゃあ、先週はなにしてたんですか?

逗子にプラネタリーの上映会に行ったり、その帰りにブラーマ・クマリスに寄って、そこでフロランタンもらってきたり。あとは、妻の墓参りは毎週しているねぇ。

奥さんのお墓参り、毎週されているんですね。

墓参りっていうか、お花をかえにね。お花を切らさないように。・・・生きているあいだに毎週お花買ってあげたらよかったと思うよ。べつにお花買うお金がなかったわけではないのにねぇ。・・・この間、妻のパソコンを見てたら、遺書が出てきてね。

ええ。遺書ですか。

まあ、大したことは書かれていなかったけどねぇ。「葬式はお花いっぱいにしてほしい」とか「坊主のお経はいらない」とか。「この音楽をかけてほしい」とか。

お葬式で音楽かけられたんですか?

妻の好きだったバンドを呼んだよ。祭壇の隣でライブをしてもらった。(写真を見せて)こんな感じ。

すごい!!!素敵ですね。

祭壇のもう一方では、スライドショーを流したよ。これこれ。(奥様の生まれたての写真から、幼少期、学生時代、二人が出会った教会、結婚式、妊婦さん時代、娘さん、直近の写真までい〜っぱい)


その後も、ご家族の方のお話をたくさん聞かせてくださいました。

奥様やご家族への愛が満ち満ちていて、言葉では表しづらいですが、私も一緒にその愛の中に包みこまれているような、ものすごく尊い時間でした。

帰り道。
池尻大橋まで歩いて、でももう少し月を見ていたかったので、電車には乗らず。とりあえず渋谷駅まで歩こうとすすんでいたら、右手にある目黒川がなんか気になってしょうがない。結局、1時間ほどかけて、目黒駅まで歩きました。おにぎりを頬張った時のように、ぽろぽろぽろと涙を流しながら。

川沿いを走るランナーや、寄り添い歩くカップルたちからは、かわいそうな失恋少女だと思われていたかも…。周りの視線を感じつつも、あふれてあふれてとめどない涙を流し続け、時に嗚咽しながら(笑)、川沿いを歩き続けました。

そんな冬の日の思い出。


つかちゃん、
来年70歳の誕生日にも慈愛の瞑想をしてほしいな。

というリクエストをもって、感謝のお手紙をしめたいと思います。

どうもありがとう。ごじあいください。

むぎ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?