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Suchmos / THE ANYMAL (2019)

一度通して聴いた感触としては「あらあ、随分とまあ...」という印象だったのに、それから三回ほど続けて聴いてみたら、彼らの今までのアルバムでもっともしっくりキてしまっているSuchmosのニューアルバム「THE ANYMAL」。いやー、カッコいいじゃないか、このアルバム。

いわゆる"彼らが今、世間に期待されている洒落たR&B的"音とは確かに趣向が変わっているのは確かだけれど、それでも60年代的サイケデリックロックという視点でみたら、こんな洒落たサイケデリックロックは近頃聴いたことがない。作品を通して聴き取れる音像だったり、リズムの組み立て方にしても、今日的なグルーヴがしっかり感じられるし、彼らならでは"粋さ"が至るところから伝わってくる作品に仕上がっていると思う。

一曲、一曲がいちいち長いなあ、と感じる部分もあるけれども「一枚のアルバム」として聴かせるためにはこの長さが必要な尺なのかな、とも思う。

配信やYoutubeなどとにかく"曲単位"で勝負せざるを得ないリスニング環境がベーシックとなってきている今、彼らがこういったボリュームの作品を提示してきたことにも意味があるような気がする。むしろ、15〜30秒のCMに起用されてリスナー層を広げてきた部分もある彼らがこういったチャレンジをするのはなかなか面白い、よね。

日本のバンドでオールド・ロックの今日的解釈的作品だと、近年のLittle creaturesが洗練された形ですでに鳴らしてしまっているとは思うのだけれど、規模的にはどうしても趣味人に愛される感じであることは否めないと思うので、そういった点で言っても、Suchmosの彼らにはその壁を大きく突き抜けてほしく思う。

このnoteでは主に音楽ストリーミング配信で(も)聴ける作品をピックアップしています(自分が主に利用しているのがapple musicのためリンクはそれ用で貼っております)が、instagramでは自分の手元にあるフィジカル作品を紹介していますので、ぜひチェックしてみてくださいませ。





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