入塾初日

サピックスに入塾してからもう少しで半年になるけれど、
その半年前のことが印象深かったのでしたためておきたい。

備忘録という名の飛び飛びの思い出し日記。

塾に通う為のバッグが無かったので、
長男と一緒にネットで選んで、本人の希望で真っ赤なバッグを買った。
筆箱も買った。
3色ボールペンも買った。
お財布やパスケースも買った。
遠足の準備をしているのに似ている感覚だった。
約2年の遠足。
小さい山をいくつも登ったり下りたり。
歯をくいしばったり、休憩したり、景色を楽しんだり、
そんな遠足になればいい。

初回授業が終わって、校舎から出てきたときの表情が忘れられない。
嬉しくてたまらない、というのを噛み殺したような表情。
校舎から何歩か離れたところで
「たのしかったー!」
その日は理科と社会の授業の日だったが
理科の授業の中で質問をしたら、全部答えてくれたとのこと。
水の三態(固体・液体・気体)の内容だったが
その授業の中で除湿機のしくみが気になって質問したら教えてくれた、と。
また、他の子もいっぱい質問してて、その全てに先生が答えてくれていたと。

長男、物心がついた頃からの質問魔で
幼稚園のときには先生から「なんでなんでの○○くん」
なんて呼ばれてもいた。
そして、幼稚園ではめんどくさい園児に思われていた。と思う。
気になることがあるとそっちに気がとられてしまう。
あと、大きな声でお返事、の張り切りタイプではなかったのも先生受けを悪くさせた。

小学校に入ると、自分がやりたいと思ったことはどんどんやるタイプになった。
(その代わり、片付けとかにはますます無頓着に)
教科書は新年度の頭に配られると読書として家で最後まで読んでしまった。
小2の担任の先生からは
「力はあるんですから」
という言われ方をした。
小3の個人面談のときに
「その授業のオチまで言おうとしちゃうんです。」
と先生から言われた。
長男からは
「質問しても『自分で調べなさい』としか言われない」
という愚痴を聞いていた。
小4の個人面談では新任の先生に
「誰も発言をしない時にも質問をしてくれるので助かってます!」
という話をもらった。
でも本人からは
「やっぱり自分で調べなさい、て言われるんだよ。だからiPadほしい!」
と言われた。(その後の誕生日プレゼントとなった)

そういう経緯が、幼稚園入園のころからずっっっとあるので
サピックスから出てきた時の長男のあの表情と言葉は、親としても本当に嬉しかった。もっと早くに入塾させてあげればよかったかな、とも思った。

親としては、子供の質問になるべく答えてあげたい気持ちもあったけれど
急いでごはんを作ってる時、自宅で仕事をしている時、疲れている時、
いろいろあって理想としているようには答えてあげられなかった。
遠い宇宙の話より、目の前のごはんが大事な時ってあるでしょう。
だから正直な話、担任の先生の苦労も分かっていた。
うちの子みたいなのは授業の進行の妨げになってしまうだろうことは想像がつく。
自分が教師だったら、すごくめんどくさく思ってしまっていただろう。

そういうモヤモヤを抱えていたのが、肩の荷が下りた気持ちになった。

あと、Bクラス、下から2番目のクラスということで、もしかしたら周りはあんまりやる気がない子たちかな、なんて心配もしていたがそれが杞憂だったことも分かって安心した。サピックスすごいな、と思った。みんなが質問しやすい雰囲気なんだろうな。

初日にして、
「もし仮に志望校のどこにも受からなくて公立中学校に進むことになっても後悔はないな」
とも思った。