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6「詩」歩く

迷路だった。この道の先に海が開ける。海を見たくてその方向に歩いた。その先は必ず壁だった。今度は必ず。そう信じ直角に曲がる。また壁がある。別の方向に直角に曲がってみる。繰り返し繰り返し。

海は見えない


空に向かうことはまだ試していない。
地面に潜ることもまだ試していない。

長い時間の中で、諦めがゴールの位置を消してしまった。向かう方向も分からないまま、それでも歩いている。

ある時気づく。

ゴールは海じゃない。

こうして、壁に当たりながら方向を変えても、歩けることなんじゃないかって。
これからもこんがらかった道は続くのだろう。
曲がっても曲がっても先に進めない道に違いない。
それでも歩く。

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