コロナ帰国者の隔離措置における人権侵害

日本への帰国時の国の対応の問題点
 
【問題点】
①     DXが進んでないと言うか昭和。
②     国民への人権配慮がされていない
③     コロナウィルス感染に対する対応の煩雑さ
 
【対応場所】
①     空港内(羽田国際空港第3ターミナル)
②     隔離施設(ヴィラフォンテーヌ羽田空港)
 
【前提】
私個人は性格的に仕事以外は外出することを好まず、比較的ほぼ一日中家の中で過ごすのを好む。
閉所恐怖症などはない。
 
【2021年12月31日】
12月31日JL0046便にて帰国。
便の到着が予定より1時間程度遅れる。
機内にて、「誓約書」「関税書類」の記載をする。
羽田空港第三ターミナル建物内に入り、手元にある書類が最初は、
1.誓約書
2.関税書類
3.フランス出国時に実施したPCR陰性証明書
の3種類だったが、着陸して
4.健康確認カード
というものを手渡され、記入をする。
 
到着ターミナル内で20か所以上に各5人から40人のスタッフで対応している。
場所によって対応スタッフの人数が異なる。
ざっと見た限りで全体で300人以上はかかわっているように見えた。しかもすべて人海戦術のアナログでのペーパードキュメントのチェック。普通に入力してAIに確認させて抜け漏れがあったら確認で十分じゃない?
スタッフはざっと見て、JALのフライトがないCAや外国人労働者が多いように見受けられた。
(1.3. 4)の書類は10か所以上でチェックされる。そのチェックポイントごとに、スタッフは帰国した便名と氏名を口頭で報告。スタッフはそれらを口頭で聞いて手書きの表に記載する。手元にあるPCは何のためなのか。
わら半紙のようなコピー用紙と説明書きを受け取る。事前にアプリ等で健康状態を提出しているのは何のためだったのだろうか。私の手元にあるペーパーは多い時で10枚を超えており、最終的に現在も手元に4枚残されている。
SOSアプリケーションのインストールがされているかどうかの確認、SOSアプリの使用方法に至るまで別々のブースで説明を受ける。この全行程の所要時間は約3時間から4時間。
あの・・・アプリの役割って何ですか・・・。DXって知ってますか?
その後、検疫官や検疫犬の荷物チェックを受け、出口へ。
そこで、関東興行のバスが待っている。
バスに荷物を載せてもらい便ごとに同じバスに乗車し、隔離施設であるホテルへ。
私が割り振られた隔離施設は住友不動産が提供するヴィラフォンテーヌ羽田空港という開業前の新しいビジネスホテル。どうやら東京オリパラの為に作られたビジネス滞在者向けのホテルの様子。ホテルはできたばかりということもあり広く新しい。通常は天然温泉もあるようだ。
ホテル入り口、フロント周りには撮影禁止の貼り紙がそこかしこに貼られている。
エレベーターに乗せられる。この時、なぜか1台につき1人しか乗らせてもらえない。
先程まで12時間一緒の空間で飛行機にのってましたし、なんなら、さっきバスも一緒にのりましたよね?
この施設のルールのようですが頭の中にはてながいっぱい。別にエレベーターの箱が小さいわけではない。
ひとまず4階につくと、アクリルパーテーション越しにマスクをしたチェックインをするためのスタッフの受付が5~6か所用意されていた。4階に到着した帰国者はここで、椅子に座らされて順番を待つ。自分の番が回ってくると、そちらで施設内の滞在要綱を渡される。全8ページ(わら半紙の両面印刷)ほど。施設での食事は1日3回、お弁当が配布される旨、宅急便や配達物の受け渡しルールから、コインランドリーの使用について、また隔離施設内での毎日の健康状態の報告をチャット形式の質問事項に朝10時までに報告を要請をされる。
えっと、役割がSOSアプリとダブってませんか…。そのあとカードキーと体温計を受け取り、割り当てられた部屋へ。
ここから、割り当てらられたホテルの部屋のフロアまで1人1台。エレベータ搭乗前、エレベータ降車後、部屋までの誘導でマスクとフェイスシールドのみのスタッフが担当する。この工程で5人〜7人。
このホテルは、階層は高くないが建物自体が横にえらく長く、ざっと見て片道300~400メートルほどあるように見受けられた。
私の部屋は、降車したエレベーターから降りた9233号室。部屋につくまで150メートルから200メートルはあるいた感覚。エレベーターは複数箇所あるようだが、使用するエレベーターは1箇所に限定されているそう。
鍵を開けると最初は意外と広くて安心。だいたい20㎡は切るくらい。一人暮らしの6帖ワンルームとそう変わらない広さで、ベッドもダブルサイズ。色調は全体的に白で統一されていて、エントランスや廊下の重厚感とは正反対の病院のような無機質な空間。ユニットバスあり、設備としては大型壁掛けテレビ、空気清浄機、電気ポット、ドライヤーがある。窓はあり、カーテンがしまっている。一般的なビジネスホテル仕様。
ひとまず、フライトに疲れたので荷解きをし、お手洗いを済ませ、入浴をする。バスタブも比較的ゆったりとしたサイズで、深めのもの。
ここで気づいたのが、水回りの設備がINAX。あれ、いつからLIXILになったんだっけ?このホテル今年開業予定だったと思うんだけど、どこからINAX製品を仕入れたのかを疑問に思う。入浴を終えて、少し換気をしようと思い窓のほうに向かう。カーテンを開けて、サッシを開くと、あれ?また窓ガラス? あぁ、なるほど空港内にあるから騒音対策のために2重サッシなのか。と納得。で、その窓はあくの?いやあかない。はめ殺しのサッシだ。てことは、外の空気を吸えないということ。え?やばくない? 入り口扉も開けられなくて6日間ここに缶詰?当然ホテルとしては空港内に建てる以上防音対策をしっかり施すのは当然。ただ、6日間部屋から一歩も出られない生活をする場合ではもちろんない。これって、独房…と急に不安になる。そして空港内のホテルということもあり、防音がすごくされていて、外の気配も人の気配も一切感じない。

【2021年1月1日】
31日の夜は気分転換をするためにそのあと自分でアロママッサージをしたりハーブティを飲んだりしてリラックスするように努めたが眠ることができず、渡航中に見ることができなかったテレビ番組を一気見して明け方4時ごろまで過ごした。5時ごろようやくうとうとして少し寝落ちした、6:30館内一斉アナウンスでPCRテストを促す放送が流れ、目が覚める。時間を置いて2回流れる。それと同時に館内放送の声のトーンと冷たさに急に不安が強くなった。そのあと8:00ころ朝食配布のアナウンスが流れる。配布をするのでドアは開けないように、8:30すぎに配布が終わったらまた配布が終わった旨のアナウンス。これが、一日8回定時に流される。初日はいつ流れるかわからないので常にドキドキしている状況。この館内アナウンスの昼の放送がきっかけでパニックになり過呼吸に陥る。狭くて換気ができなくて息ができない。そしてホテルの内廊下を歩くことも許されない。どんどん気持ちが追い詰められていく。ついに精神状態が限界になり過呼吸からくる激しい頭痛とストレスによる過度の胃痛、めまい、嘔吐に耐えられなくなり20:00頃にフロントを通じて施設内にいる医療班に相談する。頭痛薬と胃薬が欲しい旨を伝えるが、カロナールとビオフェルミンしかないと伝えられる。また、施設には医師がいないので医療行為もできないので薬も処方できないのでいつも使っている薬があれば、「PICK GO」というアプリを使って自分でドラッグストアに買い物手配をするように促される。しかし、食事をとれていない状態で鎮痛薬を飲むと胃痛が悪化するのが目に見えている。言っていることに違和感がある。それを伝えても、そうですか、そうですよね。でも飲まないとどんどん痛くなりますよと。本当に看護師なのでしょうか。大丈夫ですから息を吸ってください。とにかく横になりましょう。様子を見ましょう。それだけ。23:00ころまたパニックになる。フロントを通じて再度医療班に相談。部屋に来るという。部屋に来た医療班は完全防護服。空港で受付した人、案内した人、バス会社の人、館内の一般スタッフや館内案内した人たちは防護服じゃないのに、医療班だけなぜ防護服?と疑問に思う。そして、帰宅して14日間自宅で自主隔離を希望すると医療班からはどうやって帰るんですか?帰る方法はあるんですか?誓約書に違反して帰った場合14日間拘束されますよと脅される。何としてもここにいるように説得をしようとするのが彼女たちや検疫医師の仕事の様だ。その後、彼女たちから空港の検疫医師に相談して、医師の診断書があれば人道的配慮が可能になるといわれる。人道的配慮…。この24時間1ミリも人道的と思えなかったのは人道的対応はしなくていいという認識なんだな。…とは言え、元旦の夜。診察してくれる医療機関などあるわけがない。検疫の医師は診察できないのかと尋ねると、医師は医師でも検疫の医師は診断ができないとのこと。

【2022年1月2日】
翌日も朝からオンライン診療をしてくれる心療内科を必死で探すが見つからず、見つからない旨を伝えると、総合内科でもいいといわれる。が、内科に連絡したが閉所恐怖症やパニックのような症状に関わる痛みについては内科では診断が下せないといわれる。そのとき相談した内科医は検疫医師が言っていることが無茶苦茶だと言っていた。また同時に緊急性を察知して精神救急への連絡を進められる。またインターネットで探して都内の精神救急を探す東京都保険医情報センター(通称ひまわり)に精神救急の紹介をお願いする。実際に来院できる状態でないとご紹介できないといわれる。ここまでで16:00。見つからない旨を医療班に伝える。ここから脱水症状が現れる。眠ることができず時間だけが経っていく。19:00ころ「クロン」というオンライン診療サイトをみつかった。エリア内に今日明日に診療可能なクリニックが検索できた。
当日の22:00に予約ができるクリニックがみつかった。が、問診票記入後に翌日の13:30に変更になった。変更になる可能性がある旨は事前に記載があったので、そこは問題ないがあと半日心身がもつのか…?その後、ベッドで横になるが複数回の過呼吸を繰り返し、頭痛、めまい、嘔吐、胃痛に耐え続ける。

【2022年1月3日】
朝4:00頃限界に達し、7119に電話。救急車を呼ぶべきかを相談する。状況を説明し消防庁のほうでは救急車が必要な状態と判断。ただし、施設に救急車を呼ぶには施設の医療班から呼ぶ必要があるといわれる。その旨を医療班に伝えてほしいといわれ、医療班に連絡する。医療班が部屋に来て血圧・脈拍・酸素濃度を測る。めまいの具合を聞かれる。頭がぐるぐるするめまいがしない限りは大丈夫なので朝まで我慢しましょうと言われる。医療行為ができない看護師が診断してますがそんな権利あるんでしたっけ…。結局救急車も自分で呼ぶことができない。医療を受ける権利が完全に奪われている。健康に活くる権利を侵害されている。完全に人権侵害だと感じた。
なんとか、いろんな痛みに耐えて診察時間13:30まで意識を保つ。13:30から自分で予約したオンライン受診。30分ほど状況をヒアリングし診察をしていただき親身になって相談に乗ったくれる人の気持ちのわかるお医者さんだった。総合的に心理テストや私の状態をみて危険と判断し、診断書を1時間程度で送ってくれた。診察を受け、診断書を入手した旨を医療班に伝えた。どこにメールを送ったらいいかを尋ねる。ファックスで送ってくださいといわれる。部屋にいるのにどうやってファックス送るんですか?と聞いたら診療医師から医療班宛にファックスを送るようにいわれる。メールで診療してくれた医師にお願いをする。その後、ファックスで医療班宛に送付してもらい、医療班から空港の検疫医師にどういう手段かわからないが共有。この時点で15:30。仮に退所できない場合に薬を処方する必要があるといわれていたので、再度医療班に連絡する。まだわからないといわれる。薬も手配できないのか・・・。気持ちがさらに沈む・・・。
16:00頃に医療班から連絡があり、退所できることになった場合の移動手段はあるんですか?と問い詰められる。あなたたちが厚労省のホームページに対処後に受けられる自主PCR検査ができる施設があるといったように、同じく帰宅手段も厚労省の確認した会社リストありますが…。退所させないことを目的に仕事をさせられる人は帰宅方法まで知らされていない。
17:30に医療班から退所が可能になった旨の連絡を受けるが、18:15までに退所しないと本日入国する人たちの対応に追われるため、間に合わない場合は翌日になるといわれる。また同時に帰宅方法と6日のPCR検査を受ける医院の連絡先を確認される。慌ててインターネットで予約する。なんとか可能になり、18:20分頃に医療班が部屋に来て健康上の理由等により自宅待機をされる方へというわら半紙に特例措置を受ける代わりの誓約書を記入し、自宅までの移動手段を連絡。18:40頃施設の車寄せに帰国者専用車を手配しホテルの車寄せに向かう。車寄せでまっていてくれた。
荷物を乗せてくれて車両に乗り込む。ワゴン型のタクシーでかなり広い。当然、部屋より狭いのになぜかものすごい広さを感じる。施設の中であったことを運転手さんに話すと、運転手さんは帰宅される方みなさん同じことを言われますと。そもそも、まったくマニュアルや法律の確認がされていない中でただ外国人労働者やスタッフが施設に集められて運営されているのが煩雑でムチャクチャなのは私が滞在していたところだけではないと聞く。私が滞在していたところは部屋がまだ広いほうだが、中には6歩歩くとドアといった施設もあるそうだ。私同様に体調悪化での離脱者がかなりいるという。食事がひどくまずいところもあるそうだ。基本食事は冷たいものしか出てこない。人間が人間らしく生きる権利や医療を受ける権利までもが奪われるとは隔離の条件には記載されていない。そもそもこれは、相当な人権侵害なんではないかと私は個人的に感じています。
これから、帰国される方や入国される海外在住の日本人の方にも事実をきちんとお伝えしたく、ここに記録しておく。
 
ちなみに、施設に紹介されたPICK GOも試しましたが全くマッチングせず相当使えないアプリだということだけが分かった。

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