『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』を観た

※この記事は『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』の結末のネタバレを含みます。
※事前知識なしで1回観た後での、ど素人のしっちゃかめっちゃかな感想文です。印象的で記憶に残っているシーンについて書きますが、うろ覚えの箇所もあります。語彙力はありません。ご容赦ください。

ずっと楽しみにしていたムーラン・ルージュ!
サティーン役は望海風斗さん、クリスチャン役は甲斐翔真さんの回を観劇しました。

作品のあらすじやキャストに関する情報は割愛します。公式HPも素敵なのでそちらをご覧ください!
Tokyo - Home - Moulin Rouge! The Musical 帝国劇場 『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』 (tohostage.com)

先に完結に感想をまとめると、終わった後に「今すぐもう一回観たい」と思う観劇体験でした!さすがブロードウェイが誇る新作ミュージカル、そして日本ミュージカル界が誇るキャスト陣という感じで、視覚も聴覚も幸せで贅沢な時間でした。20世紀から21世紀までのポップミュージックをマッシュアップしてどんな世代の観客もノリノリにしながら、ミュージカルの楽しさをこれでもかと見せつけてくれてました!サティーンとクリスチャンのロマンスも、家族のような仲間との絆も、芸術を愛し自由に生きるボヘミアンの精神も、直球で心に響きました。王道展開が好きなので(いい意味で)。

まずホール内に足を踏み入れた瞬間からムーランルージュの豪華絢爛な世界が広がっていて、それだけでもう「来てよかった~~~!」と思いました。
真っ赤で何重にも重なったハート型の形をした舞台セット、この作品の舞台であるナイトクラブの名前"MOULIN ROUGE"のネオン、舞台外側の上部には大きな像(作品内でも「サティーンの楽屋」として登場)と風車。この真っ赤なセットが圧巻で、一気にムーランルージュの真っ赤な世界へと誘ってくれます。ホール内に入るだけで「うわあ!」と声が出るくらい真っ赤だし、キラキラしています。(開演10分まではキャストは出てこないので、舞台の撮影OKでした。)

開演10分前からキャストが数人ずつ、舞台上にゆっくり歩み出てきます。身分の高い男性客役のキャストは(作品上で言う)バルコニー席に座って煙草を吹かしたり、ショーキャストのセクシーな衣装の女性たちはゆっくり歩いたりポージングしたり。これがまさにナイトクラブ「ムーランルージュ」の幕開け前の光景なんですね。ダンサーの女性たちのプロポーションが良すぎるし、衣装はセクシーだし、動きの妖艶で、ドキドキしました。

一回しか観ておらずすべてを正確には思い出せないので、ここからは印象に残った楽曲やシーンをかいつまんで徒然なるままに書きます・・・

♪Welcome to The Moulin Rouge!
誰もが知っているメロディラインをミックスした、幕開けにぴったりの楽曲。ここで華やかでカラフルの衣装のダンサーたちが私たちに最高の物語の幕開けを見せてくれます。松村雄基さんのジドラーとても良かった。海外のダンスショー大好きなので、ムーランルージュの煌びやかなショーは血が騒ぎました。血が騒ぐと言えば、赤には「アドレナリンを分泌して興奮を促す」「ポジティブな気持ちにさせる」「時間経過を早く感じさせる」効果があるらしいですね(さっきクリスチャン役の役者さんが言ってた)

♪Shut Up And Raise Your Glass
Walk The Moonというアメリカのロックバンドの"Shut Up And Dance"のアレンジ。原曲好きでよく聴いているので体が動き出しそうになった。日本語訳詞をあまり覚えていないのですが、「この女性は僕の運命」「黙って私と踊ってよ」という曲なので、青年クリスチャンがムーランルージュのミューズであるサティーンと出会って初めて踊るには最高の楽曲でした。何より楽しくて初見でも親しみやすいポップな楽曲なので観客みんなをノリノリにしてくれますね。クラブ存続を賭けた策略とはいえ、クリスチャンの胸元を引っ張って顔を引き寄せるサティーンが可愛すぎた。

♪Firework
原曲はケイティ・ペリー。スターであるサーティンがみんなには見せない孤独や不安を歌う曲。望海サーティンのソロ歌唱力強くて切なくて胸が締め付けられました。「すぐ崩れる トランプのおうち」っていう日本語歌詞、天才的すぎる。好き。みんなから見たら強い女であるサーティンが自分の危うさを「トランプ」の「おうち」って表現するんですよ。最高かよ。

♪Your Song
エルトン・ジョンの有名な楽曲が原曲です。今回、この曲の日本語訳詞は松任谷由美さんが手がけてます。夢見る作曲家の青年クリスチャンが、クラブのスターである美女サティーンの楽屋を訪れて歌う曲です。さっき出会ったばかりでお互いをよく知らない二人ですが、二人が恋に落ちるにはこの曲があればもう十分というくらいロマンチックなシーンです。ミュージカルでよくあるこういう急展開大好きです。プリンセスの部屋のようなサティーンの楽屋も、窓から見えるパリの夜景も美しくて眼福。この曲は作品のメイン楽曲で、この曲のワンフレーズを作中で何度か口ずさみます。

私事なんですが、中学校の英語の授業でこのYour Songの"How wonderful life is while you're in the world"をどう日本語に訳すか、という授業があったのを15年以上たった今でも覚えていて、今回それがフラッシュバックしました。私はもちろん翻訳家でも何でもないんですが、英語の歌詞や、歌詞だけでなくセリフだったりを日本語に自分だったらどう訳すか考えてみたり、翻訳の面白さも翻訳の限界も言葉の美しさが現れてて大好きなんです。ムーランルージュではこのフレーズは「なんて素晴らしい 君のいる世界」と歌われていました。このフレーズを、2人で寄り添って歌うシーンもあれば、愛しているけど一緒にはいられなくて胸が引き裂かれそうなときに一人で歌うこともあるんですよね。観終わって帝劇から出るときにこのフレーズを口ずさみそうになるくらい印象的で、この先Your Songを聞いたらムーランルージュを思い出すだろうなと思います。音楽の記憶は凄い。

♪Chandelier
Siaの大ヒット曲。MVの不気味さや緊迫感、行き場のない苦しみからパーティに明け暮れるという、不安感に駆られる歌詞の世界観も、個人的に大好きな曲です。Siaがパートナーを事故で失ってアルコール依存症で苦しんだ経験を元に書いたと言われるこの曲は、愛するサティーンに別れを告げられたクリスチャンが絶望の中酒を飲みながらジドラーやムーランルージュのダンサーたちと歌う曲です。原曲の持つ物語性を踏まえての選曲、天才ですか??

この曲の日本語歌詞と、怪しくて重苦しい演出(みんなのグラスの酒が蛍光グリーンに光ってた)、ミュージカルならではの贅沢なコーラスが、クリスチャンの今にも壊れそうな心を見ているようで胸が苦しくて、良いんですよね~~~~
途中でダンサーたちの間から、グリーンに光り輝く妖精の羽をまとったサティーンが姿を現します。酒におぼれたクリスチャンの幻想です。歌の合間に「クリスチャン・・・」ってサティーンが囁いてました?よね?クリスチャンじゃなくて私の幻聴ですか?
序盤にサティーンが「あなたにとって私はファンタジーなの」(うろ覚え)と言い放っていたように、確かに心から愛していたはずサティーンは、やはり数々の男を魅了する麻薬のような存在で、自分が見ていたのはサティーンではなく彼女が作り出すファンタジーだったのか?というクリスチャンの迷いが表現されているのかなと思いました。
原曲からのアレンジ、シーンへのマッチ具合、ジドラーがメインで歌うところ、クリスチャンが苦しそうに歌うところ、全員で贅沢なハモリで締めくくるところ、揺れるシャンデリアのように振り回されるようなジドラーのダンス、怪しい色の使い方、全部が大好きで、今作の中で一番印象に残っているシーンです。

♪Crazy Rolling
この曲はオリジナルか?と思って調べたところ、Gnarls Barkleyの"Crazy"という楽曲とAdeleの”Rolling in the Deep”という楽曲のマッシュアップのようです。お恥ずかしながら原曲は存じ上げませんでしたが、かっっこよ。
やはりサティーンを失いたくないと燃え上がる愛を歌うクリスチャンの雄々しさ!最初はあんなに初々しく純朴で少年みたいだったクリスチャンが、こんなにたくましい男になるなんて、甲斐翔真恐ろしい子・・・!

※ここから結末の大ネタバレです



♪Your Song Reprise
ねえ、最後はハッピーエンドだと思って観てたんだけど・・・つらい
なんやかんやあってサティーンの病は治るかと思ってた。

でも、「これ以上あなたを傷つけたくなかった。もう十分傷つけた」ってサティーンは言ったけど、最後にお互いに偽りない言葉で愛を伝えることができて、抱きしめることができて良かった。
路上から這い上がるために輝くために進み続けたサティーンが、心から愛してくれる人に出会い愛し合うことができたし、クリスチャンもサティーンに出会って愛を知って強くなって作曲家になることができたから、2人は幸せだったのかな・・・
私はこういうのはなんやかんやで幸せに暮らしましたって終わるものかと思って観てたので、サティーンが息を引き取ったときは予想外すぎてショックでした。(周りのお客さんがすすり泣いていたので、「え?死なないよね?」と思いながら見守ってました)

これ、オリジナル曲のCome what MayとYour Songのマッシュアップ最高ですね。消え入るような話しかけ方、最後の力を振り絞るような歌い方の望海サティーン、極上でした。

まだまだ色んなことを思ったはずなのに、やはり一回観ただけでは何もかもは思い出せない…
洋楽に詳しい人や観る人が観たら同じシーンでももっと色んな感想が出てくるし、見どころ多すぎて一回じゃ足りないです。
平原綾香さんのサティーンも井上芳雄さんのクリスチャンも絶対に素晴らしいので違う組み合わせでももう一回観たい~!!

とにもかくにも、日本で上演してくれて、ここまで心血注いで作り上げてくださって、観る人を元気にしてくれて、ありがとうございます!という気持ちです。
洋楽大好き、キラキラしたものも大好きな私にはご褒美みたいなミュージカルでした。

こうして新作ミュージカルを生で観劇できて、泣いたり笑ったりできて、感想を誰かに話したくなるような気持ちにさせてくれる作品に出会える幸せを嚙み締めました。こうやって心を揺さぶられるために生きてるのかもしれないな!
またミュージカル沢山観られるように、休み明けからもモリモリ働くぞ~!
みんなでCANCAN!!(作品から引用)

締め方雑かよ…

だんだん力尽きてどんどん文章が雑になってきましたが、最後まで読んでいただきありがとうございます!

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