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「勇者たちの中学受験」を読んで

おおたとしまささんの「勇者たちの中学受験」を読みました。2日で一気に。

3人の小学生の中学受験のエピソードが主に親目線から描かれており、「受験に関する事実関係はいっさい事実のまま」の「実話を元にした創作」とのことです。実在する学校名や進学塾名が出てくるため、小説というスタイルをとりながら、ドキュメンタリー、ルポルタージュを読んでいるような気持ちになります。ゾクゾクします。

私は中学受験とは無縁な地方で生まれ育ったこともあり、未だにその感覚がよく分かっていません。また、本作では進学塾で子どもが学習している場面や、先生方とのやりとりの場面が多く出てきますが、私自身、塾に通った経験がほとんどなく、塾に対してかなり懐疑的な思いを持って今に至ります。

本作を読んでいて、自分が以前、教育や塾に対する思いを連投していたことを思い出しました。2014年の大晦日のことです。貼り付けていきます。

本作の著者であるおおたとしまささんは、現在、無料塾に関する新しい本を書こうとしているとのこと。そして、その裏テーマは「教育格差は悪いのか?」とのことで、とても楽しみにしています。

「それぞれ異なる才能をもって生まれてきて、異なる家庭環境で育つから、歌がうまい子、スポーツが得意な子、芸術的センスがある子……いろいろな個性ができてくるんですよね。それが多様性じゃないですか。音楽が好きな親に育てられれば歌がうまくなる可能性はきっと高い。運動が好きな親に育てられれば足が速くなる可能性はきっと高い。でも、『歌唱力格差』とか『走力格差』とは言わないですよね。同様に、本が好きな親に育てられれば勉強が得意になる可能性はきっと高い。しかしそこで生まれる『学力格差』だけがこの社会では過大にものを言う。なんで? みんながそれぞれの個性を認められてウェルネスに生きられるような社会になれば、『教育格差の何が悪いの?』って話が可能になるでしょ」

皆さんにとって「塾」ってどんなものでしょうか。通っていた「生徒」の視点で、あるいは子どもを通わせている「親」の視点で。もしくは、社会の中での塾を見つめる「第三者」の視点で。良かったら、教えてください。

最後に。上掲のtweetsにある「行けるときに行ける」くらいの感覚で参加しはじめた無料塾については、途中で生活環境の変化による離脱期間もありながら、8年経った今も関わり続けており、私にとっての大事なサードプレイスです。その辺の話も、どこかで文章化できたらなぁと(ずっと)思っています。