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卒業設計について【反省とアドバイス】

ちょうど一段落したところで時間が出来たので、自分の卒業設計の、おもに制作期間についてちょっと振り返ってみたいなと思います。

これから卒業設計に向き合う建築学生たちにとって、ちょっとでも参考になればいいと思ってます。


まず最終的に出来上がった私の卒業設計の内容は、簡単に言うと

「暗渠(元々は川だった場所のこと。東京にはたくさんあるけど、下水道化されたり、蓋をされたりして見えてないことが多いです。暗渠化の背景もあって、都市化の負の象徴でもあります)を敷地とした環境建築や都市空間を設計することで、線状の敷地を都市を再生するための新しい動脈に変えていく提案」です。

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↑ 学内展示のときの部分模型写真です。S=1/50模型かわいいね。

結果的には今、私は「卒業設計やってよかった~!」「なんとか好きなモノを作れた」と思えています。あえて成功・失敗で言うのならば、概ね成功と言えるでしょう。

しかし、反省点も山程あります。それぞれ箇条書きにしていきますね。

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【よかったところ】

・天才的に有能な後輩と先輩が全力で手伝ったくれたこと。(本当にありがとう)

敷地を長い時間かけて歩いたこと。複数回足を運んだ。写真(動画も)も死ぬほど撮った。写真だけで1000枚以上。図書館、インターネットで関連資料も死ぬほど集めたし、読んだ

・基本的には毎日、炊いたご飯をみんなできちんと食べたこと。

・提案の根幹をつくるとき、怖がらずにいろんな先輩・後輩や先生に意見を聞いたこと。学外にも飛び出した。聞いた上で、自分のやりたいことを貫けたこと。

・最後まで諦めなかったこと。学内提出が終わったあとも積極的に提案そのもののブラッシュアップを続けたこと。(これ意外と大きい。差がつく。)

・お金を惜しまなかったこと。(卒展とか諸々含めて合計30万くらいです)レシートは小さいノートに日付と一緒に全部貼ってたよ。これおすすめ。

・予防接種、消毒、手洗いなどを作業場全員が徹底出来たこと。

・アイデアを描きまとめるスケッチブックを一冊決めて、そこに描き続けたこと。朝起きて、これを見返すことから始めてた。思考の連続。


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↑ 敷地の写真を大きく印刷した地図毎にまとめて情報を整理してました。

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↑ アイデアスケッチの一例。軽い感じで断片的にメモすることも多かったけど、これがあとで案をまとめる時に大活躍。


【わるかったところ】

・腰据えて提案を考え始めるスタートがとにかく遅かったこと。(11月までコンペとか色々やってた)

・寝起きが悪くて作業効率が悪かったこと。遅寝遅起きは本当に良くない

・私のスケジュール管理能力が皆無で、次の工程に進む決断がなかなかつけられなかったこと。(これは案へのこだわりもあったので一概に悪いとは言えないけど、基本的に大まかなスケジュールは守るべき。)

・大学の作業場が寒すぎたこと。開け放たれた冷凍実験室の隣で模型作ってた。手がかじかむ。

・現段階(4月!)でまだやりたいことが終わりきってないこと。(もっと、もっとやりたいことも考えてることもたくさんあるのに!)


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↑ 正気じゃないくらい切羽詰まったスケジューリング。こうならないように気をつけて。

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こんな感じです。

卒業設計をどうスタートするかは人それぞれですが、私は敷地から入ったパターンだったので、とにかく資料を集めながら敷地を歩き回ってイメージを膨らませました。

一方で今既にある敷地に引き摺られすぎると新しい風景は作りづらくなります。(これは私も先生からよく言われました)

あくまで個人的な意見ですが、卒業設計は、建築としての新しい可能性を提示しつつも、一定の社会性を持ち、つまり他人に理解され、共感される作品でなくてはいけません。


その上で、卒業設計を終えた一人の卒業生として、後輩たちにアドバイスを残しておきます。


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【後輩へのアドバイス】

・卒業設計は自分の好きなこと・もの・場所から出発する。一生関わってもいいテーマを選ぶ、ってよく言うけど絶対正しい。その熱量がそのまま設計にも表れるので。

・まずは全体スケジュールを立てよう。締切に余裕を持って立てて、手伝いともそれを共有すること!

敷地とそこに住む人を大事に。でも引き摺られすぎるな。私がここに今までにない新しい風景をつくってやる!!という思い切った気持ちも必要。

伝わる話し方、言葉選びをしよう。建築をやってない人にも伝わるような言葉とストーリーで組み立てる。変に難しい言葉や理論は使わずに、地に足ついた自分の言葉で語ること。

建築以外の考え方や知識も取り入れよう。建築を勉強し続けてるとどうしても思考がそこに狭窄しがち。でも卒業設計こそ、より広い視野で思考することが求められてると感じます。

健康第一。インフルエンザ予防接種はちゃんと全員打とうね!!!!!!最悪の場合、一生級の恨みを買うことになるぞ。

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偉そうに語ってるけど、私も1年前、卒業設計走りきれるか不安でいっぱいだったから、少しでもその背中を押せたらって思っています。


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↑ 追い込み中に発売されたポケモンを当時本当にやりたくて仕方なかった。


~ 以下は個人差がある細かいアドバイス ~

Adobeはちゃんと正規で買っとこうね。外付けHDDも無いなら買っとこう。こまめにCtrl+S、これ鉄則。

・1番最初にカラーチャート作っといて、素材もそれを使って作っとけば、あとで成果物作るときになんとなく印象がまとまって楽だよ。

・模型作りなどの指示を出すときは、Pinterestとか、具体的な参考画像を見せながら説明するとわかりやすい。

・手伝ってくれる後輩には美味しいごはんとおやつを出来うる限り与えよう。あと案に対する意見も積極的に受け付けるといいよ。仲間だから。

模型材料は多めに、早めに買っとこうね。私は可愛い添景を求めて「東京蚤の市」に行ってきました。ドライフラワーが可愛いのでおすすめ。

模型写真はどうにかしていいカメラで多めに撮っとこう。いろいろ使える。成果物足りない~~!ってなってもとりあえず模型写真入れられる。

評価されなかったからって必要以上に落ち込まないこと!!私は学内でも1位取れなかったし、1つめの学外展示会でも二次にすら残れなくてとっっっても落ち込んだけど、最後に最優秀賞もらえたよ。評価は人によって本当に全然違うから。

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大丈夫!! 卒業設計はたのしい!よ!

もし他に知りたいことがあったら、コメントでも質問箱でもDMでも聞いてください。


もらったお金でラーメンかパフェ食べます。