見出し画像

漫画「おやすみプンプン」感想(完結作品を語る! #293)

「おやすみプンプン」(浅野いにお)
連載期間 2007年~2008年(週刊ヤングサンデー)、2008年~2013年(ビッグコミックスピリッツ)


昼でも夜でも、おはようございます!音楽家のhiro’です。

・hiro’と漫画
高校在学時に1000冊近く持っていて、その後は漫画喫茶(ネットカフェ)で読む日々で、現在も100近い連載中の作品を追いかけています。


「おやすみプンプン」は、ウィキペディアいわく、
どこにでもあるような街の、どこにでもいそうな少年「プンプン」の波乱に満ちた半生を描いた作品
プンプンやその家族、親戚のみ“落書きのようなヒヨコ”の姿で描かれており、その名前に加え、周りの人物や情景などの高い描写力からは浮いた存在となっている。加えて作品内でコラージュ的な表現を用いたり、一部の人物に話の進行とは無関係な奇行を描いたりと、実験的なシュルレアリスム表現がみられる
だそうです。実際そんな感じです。

多分途中まで読んでいて、今回、全13巻分をビッコミというアプリで全話読みました!
2023年7月9日の23時59分まで無料で、チケットなども必要なく全話読めるようです。

浅野いにお先生自体、独特な絵と世界観で女性人気が高いと思いますが、好きだという声を多く聞くのがこの作品です!
最後まで読んで太宰治が浮かびました。イケメンでダメ人間で相手に合わせて嘘を吐くんだけど、ほっておけない存在。

さて、
まずタイトルのセンスがいいですね。

あと、
相変わらずギャグ?の角度もナイスで、笑えます!
それは哀愁と狂気が潜んでいるからだと思われますし、だから万人受けするものではない気がします。

全体としては、
感覚を刺激するというか心をノックしてくる
というか、個人的にかなり好きです!
プンプンは小学生、中学生、高校生、フリーターと成長していき、やさしさといやらしさが交錯する人間らしさを恥ずかしいくらい振り撒きながら物語は進みます。

印象的な場面は、
プンプンが「母親を最後まで好きになれませんでした」というところ。
変にイイ話にしないところが良かった
です!

かなり中身がギュッと詰まった充実の内容であり、主人公以外の人間模様も素晴らしいです。
様々な部分で各々が繋がってくるのは現実的ではないですが読み直したくなりますしイイですね~。

ただ、
宗教問題は必要な要素だったとしても、終末思想の集団はなくてもよかったかなーと思いました。
そうでなくても要素てんこ盛りな作品なので、そこを減らしたほうが焦点が絞られたような気がするんですよ。

終わり方は、
みんな紆余曲折を経て成長して収まるところに収まって…、そしてまた、こんな事が繰り返されるんだと暗示して終わります。一見ハッピーエンドですし、深読みすればバッドエンドとも言えます。

とはいえ、
殺したいくらい死にたいくらい相手を想う似た者同士の二人の結末は残念でした。
「もっと別の方法で何とかなったんじゃないか」と強く思うくらい没入してしまっていたので、読んでいて苦しくなりましたし落ち込みました。

だけど、
こういう心に傷をつけるような作品を読めて本当に良かった
です!
作品としての出来はこの後に描かれる「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」の方がいいんですが、不必要に見えるものの中に言葉に出来ない心に刺さるものがあって、久しぶりに全巻購入しようと思いました。

ということで、
東京都町田市に縁がある人に、理屈っぽさもあって哲学的でもあったりするので思春期をこじらせてる人に、
2023年7月9日の23時59分まで時間がめっちゃ空いてるよーって人にもオススメ
です!


ここまで読んでくれてありがとうございました。
「おやすみプンプン」を読んだことがない人はよかったら読んでみてください。

完結済マンガについては、動画でも語っていますので是非こちらも御覧ください↓
https://www.youtube.com/playlist?list=PL_jdbW5Bz5KltANE26MreYasFwOccSouU

hiro’


#漫画 #マンガ #マンガ感想文 #おやすみプンプン #浅野いにお

この記事が参加している募集

マンガ感想文

ギターの弦から音楽機材まで必要なものは"ほぼ"無限! 気に入ったらサポートしていただけるとありがたいです! よろしくお願い致します!