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ケムリ研究室「砂の女」演劇拝観~今だからこその阿部公房~

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ケムリ研究室no.2「砂の女」
原作:阿部公房
演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチさん
主演:緒川たまきさん、仲村トオルさん

この状況下、ケラさんがやってくれましたよ!!!!
いやぁ、見応えたっぷり!!
素直な感想としては、原作にかなり忠実!しかも、緒川たまきさんと、仲村トオルさんのお二人が、阿部公房の原作以上の魅力を引き出して、素晴らしい舞台でした!

是非とも劇場で、生の舞台を体感したかったのですが、ボクが迷っている間にチケットは売り切れてしまい、本日、やっとWEB配信にて拝観させていただいた次第です。

思った以上に(ケラさんに失礼ですかね・・・)原作に忠実だった分、何かを書こうとすると、阿部公房の原作について語らなければいけなくなりそうなのですが、あまりに長くなるので、本日は拝観した冷めやらぬ熱を元に手短に書きます。

阿部公房の一連の作品については、ボクも一時期どっぷりハマりましたし、もちろん「砂の女」についても、何度も読み返した作品です。
ボクが語るまでも無く、シュールレアリズムでありながら、その緻密な現実描写が、何ともその作品に対する映像化欲を掻き立てる阿部公房の作品。

正直なところ、最初に「砂の女」を読んだ時、鳥取砂丘のふもとに、現実にこの作品のような集落があるのかと思っちゃいましたから。

そして、今回改めて拝見して、ボクが最初に「砂の女」を読んだ時以上に、現代の感染症蔓延の状況下、日本の政治家が「自助」「共助」とか言い出してて、毎日家の砂を掻き出す状況がリアリティを増しているという、このディストピア!!

なるほど、正に今だからこその「砂の女」だったのだな、と。

高度経済成長期に取り残された村落の姿を抽象的に描いていた、と思っていたが、実際は現代に繋がる、日本国民全員にのしかかる、この国の病を描いていたという、阿部公房の先見の明に、改めて恐れ入りました。。。

いや、社会問題だけじゃなく、自己承認欲求と、家庭生活での悩みから、反知性主義的な「砂の女」との関係性の中に存在意義を見出していく仲間トオルさん演じる主人公・・・子供と家庭を持った今だからこそ、ボク自身にも身につまされる思いでした。

この「砂の女」をビジュアル化した作品は、1964年勅使河原宏監督による映画があります。

この映画もあの岸田今日子さんが「砂の女」を名演していて、見事にビジュアライズされた作品でした。
観ていない方には、是非オススメです!!

しかしながら、今回は、何といっても、ボクらのアイドル!?緒川たまきさんですから!!ケラさんの伴侶ですが!(ヤキモチ込めて!)
まぁ、このnoteに何度も書いている通り、NHK「土曜ソリトン SIDE-B」以来の緒川たまきさん信者!?としては、もちろん緒川たまきさんに大いに期待しながら拝観したわけであります!!
そして、今回期待通り、「砂の女」を熱演された緒川たまきさんに絶賛の拍手を贈りたいと思います!いやぁ、素晴らしかった!

阿部公房について、ケラさんについて、いろいろ語りたいところですが、今回は短めに、この辺りで失礼します!


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