見出し画像

ガラスと水垢

透明なガラス、しかも花器の多かった私にとって、最大の敵は水あかでした。

この水あかという代物は、(私の記憶が正しければ)

「工芸用ガラスに含まれている微量のアルカリ分と、水に含まれるカルキやミネラルなどがイオン結合してガラスの表面に生成されるアルカリ性の物体」です・・・多分・・・

調べたのはずいぶん前なので、ちょっと自信ありませんな(汗)


何れにせよ、水分が蒸発して、何かしらの成分が残っている訳ではなく、「化学反応で生成され、表面ガッツリ食いついているモノ」なので、ちょっとこすったくらいではとれません。

工芸用ガラスって雨水では水垢がほとんどつかないんですよ。知ってました?

で、この対策

まず水あかをつけない方法

悪さをするのは水道のカルキです。

性能のいい浄水器で浄水した水だと、さっぱりつきません。

展示のゆく先々で、浄水器をもって歩く訳にも行かない事ですしね。
ついてしまったものを取る方法のほうが重要ですよね。

で、取り方

その1、セリウムを薄く溶いた水をスポンジにつけて磨く、いわゆる物理的除去です。

手の届くところや、薄い水あかは結構有効です。
頑固なところはリューター使うとかね。
私も以前はこの方法でした。

その2、敵はアルカリですから、酸で磨く。

昔からガラスはレモンの皮やお酢で洗うと言いますが、希塩酸なんかにつけると頑固な水あかも一発でとれますよ。

で、市販されている酸性の洗剤はほとんどが、ふろトイレ用。

ワタシはロングセラーの酸が効く緑のやつを愛用してます。
トイレで見慣れた緑色のパッケージ、と気にしなければ、かなり有効です。
成分表みると非常に単純で希塩酸と界面活性剤です。
コイツ塩酸9%もあるんですよ。素手厳禁レベルです。

長い展示の後、花器にしっかりついた水あかでも、原液でかけると、白い泡を吹いてみるみる落ちます。(換気してね)

多少のものなら希釈した液につけるだけでも大丈夫。

浸け置きしたガラスは、水あかが取れるだけではなく、一皮むけたかの様に、作り立ての頃のツヤも戻ってきます。

ほれぼれ

ただし、これは酸ですから、原液だと銀箔などは一緒に取れてしまいます。

中学校で習ってるはずです。

希釈したものでも浸け置きすぎると同じです。
注意。

還元色なども反応する時がありますから、自己判断の上ご利用くださいね。

初出 2006.12.17


最近はそれほど水垢で苦労しなくなりました。
そもそも水道水の浄水そのものも変わって来てますよね。
あんまり臭く無くなった。

ワタシはと言えば、この当時の癖と言いますか、なんとなく水垢対策と、何より酸洗いしたクリアの綺麗さが好きで、出来立てほやほやのガラスもサッと酸性洗剤で洗うようにしてます。
ツヤが違うし、水垢がつきにくくなる気がする(個人の感想です)


#glasstool
#吹きガラスにまつわる話
#吹きガラス
#水垢





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?