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More Than Noise Radio 8

数少ない本ブログ読者の皆さんお久しぶりです、YAです。
毎日のように音楽は聴いているのですが、それを文章化する時間と体力がありませんで、やっとこさで時間を作ることが出来たので更新です。

今年の9月で49歳になったNaSの最新アルバム、エグゼクティブプロデューサーにHit Boyを迎えたKing's Disease IIIからの1曲: Hood2Hoodはアメリカの主要都市やHip Hopには欠かせない都市名を散りばめながら、ポジティブなリリックを展開している。

「お前らが持ってる銃を下ろせ、さもなくば俺たちみんなすぐに終わっちまう。死ぬってことだ」と、アメリカのお家芸である銃乱射(事件)への抵抗と考えられるリリックもあるのだが、終盤でNaSがこんなラップを展開する。

Hood to hood to mansion to mansion. 
That's the new version of hood to hood.

hoodとは、英語のneighborhoodの略語であり、その中でも街/都会の中の"ある区分/地元"という考え方、アフリカンアメリカンが好んで使う略語だ。
"Welcome to my hood" = "俺の地元へようこそ"なのだが、New York CityのBrooklynが地元だとして、それを更に細分化しBrooklynの◯◯地区←これがhoodとなる。
そしてもう1つ(今回のリリックには登場しないけど)、読者の多くが頻繁に見聞きする "Ghetto"。これはhoodよりも貧困色が強い。hood = ghetto ではないのでご注意を。。。

とは書いたものの、結局多くのリリックで「俺のhoodは貧しかった。親父は薬物依存症、母親がまた知らない男と出かけて行って、俺は今日もインスタント麺を食べて飢えをしのぐ」なんていう、それってghettoでは?と正直意味が曖昧な部分があるのはご愛嬌。もしかすると、NaSは今回のラップであえてGhettoを使っていないのかもしれない。

「hoodからhoodへ、それから/それをmansionからmansionへ」というとてもシンプルかつ力強いリリック。英語において、mansionは大豪邸/高級住宅を意味する。日本語での"マンション"とは意味合いが大きく変わるのだ。
そして、「(mansionからmansion)それこそが新しい形のhoodからhoodなのだ」と。今の地区から別のところに移動するが、それは同じ(水準の)地区ではなく、より良い生活環境への移動。それを新しいhood to hoodの定義に変えようではないかというNaSからのメッセージである。


久々にそれっぽい記事を書いてみました。12月はちょくちょく更新できるかと思いますので、気長にお待ちくださいまし。

私に生きる希望をください。